医療の質・安全学会、11月25から幕張メッセで、発表要旨(医療事故36) | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

医療の質・安全学会、11月25から幕張メッセで、発表要旨(医療事故36)

<11月21日夜追記>
医療の質・安全学会HPより一部をご紹介します。

●開催のトップページ
http://www2.convention.co.jp/12jsqsh/

●日程表、プログラムなど
http://www2.convention.co.jp/12jsqsh/program/

・この中の「ポスター発表一覧」の、演題番号P-145を発表します。
http://www2.convention.co.jp/12jsqsh/program/posterlist.pdf
閲覧は土曜午後1時から日曜午後2時まで、
討論は土曜午後5時30分から6時まで(奇数番号の演題)です。

・また「プログラム1日目」の、63ページの、K6シンポジウム(301号室)で、
今年立ち上げた「チームHONGO」という医療安全グループについて、
ご紹介します(10時40分〜12時10分の間の、数分程度の予定)。
http://www2.convention.co.jp/12jsqsh/program/prg_1125.pdf
<11月21日夜追記ここまで>

<11月20日夜追記>
 前回記事で、提訴をお知らせしました裁判の第1回口頭弁論が、
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12328398781.html
12月25日(月)午前10時に決まりました。

 前回記事にも最近コメントを頂戴していますので、併せてご覧下さい。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12328398781.html#cbox
<11月20日夜追記ここまで>

 先ほど22時すぎ(11月19日(日)の夜)に、研究室から自宅へ戻る途中、雨に雪が混じってきました。金沢は時期の割に冷えているようです。

 皆様の地域ではいかがでしょうか?

 さて、今回は、次の週末(11月25日、26日)に幕張メッセで行われる、医療の質・安全学会で発表する要旨より引用します。

 学会発表要旨で、かつ、活動報告のため、形式よりも見やすさを優先しています。また、年数などは投稿時のものなので、現在とは3ヶ月前後のラグがあります。

<学会発表要旨より引用>

大学病院における先進医療での患者急死を報告せず治療成績の過大報告とともに続行、厚労省へ通報するも担当官が通報者情報を漏洩して放置、法的措置等で事実解明などを促す

     金沢大学 医学系 分子情報薬理学 小川和宏

<背景と目的>
 2010年、金沢大学病院において、進展していない骨肉腫(手術で除去済み)の少女の心機能が大幅急落していたにもかかわらず、心機能低下では禁忌のアドリアマイシンを含む「カフェイン併用化学療法」(当時、先進医療認定)が続行され、アドリアマイシン心筋症による心不全で11日後に死亡し、遺族が主治医の教授らを刑事告訴した。2013年に、演者が、この死亡事案を伏せて同療法が続行されていることなどを厚労省に通報して第2第3の死亡を防ぐよう求めたところ、翌日、専門官が通報者情報をその教授に漏洩し、事案を放置したため、法的措置等を用いて事実解明を進め医療安全に繋げることを目指した。

<取り組み>
 2014年、演者は、国と漏洩した元専門官(守秘義務違反で戒告処分)を提訴し、事案への対応や事実解明などを促した(東京地裁平成26年(ワ)第22761号事件)。

<結果と考察>
 上記提訴の10日後に、厚労省は「カフェイン併用化学療法」の先進医療認定を取り消すとともに、2017年6月、被告国が原告(演者)に対して和解金を支払う内容の訴訟上の和解が成立し、一定の成果は挙げた。しかし通報と漏洩から4年近く、提訴から3年近くが経っても、医療安全の出発点となる事実関係は明らかにされず、課題も残した。

<新聞記事や解説等の一部>
1)北陸中日新聞2014.5.23「金大病院教授ら書類送検 少女死亡 化学療法ミス疑い」(第1面トップ記事)
2)北陸中日新聞2014.9.12「金大病院のカフェイン療法「先進医療」取り消し」
3)朝日新聞2014.12.19「医療事故告発 厚労省漏らす」
4)医療維新2015.6.5「金沢大、先進医療全停止相当と見解、厚労省 カフェイン併用療法めぐり、有効性過大報告などの問題」
5)朝日新聞2017.6.6「金沢大の内部告発漏洩、和解」
6)共同通信2017.7.15配信「内部告発者 組織に屈せず 闘って正しさ証明 孤立や嫌がらせ耐え」(地方紙などに1面分のスペースを用いるなどして掲載)
7)小川和宏、大学病院での患者急死通報を厚労省が漏洩、放置ー実効性ある公益通報者保護法への改正をー、消費者法ニュース、第112号、184ー187(2017)

<引用ここまで>

 なお、学会会場の入場料が1万数千円と高額なので、一般の方々にご覧頂きにくいのは残念です。