金沢大学吉本研究室では小川着任前より教授が威圧的で風通し悪く問題〜教職員証言(医学部大学等47) | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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金沢大学吉本研究室では小川の着任前より教授が威圧的で風通しが悪く問題であった〜教職員らの証言や供述(医学部大学等事件47)

 前回は、吉本谷博被告(金沢大学教授を平成27年7月に辞職)による不正経理の有無の争いや隠蔽、不正を知っていた教職員の立場、吉本被告の懲戒処分、国立大学最下位6校の評価などが中心でした。

 今回は、私の金沢大学着任前の吉本研究室がどういう状況だったか、関係者の証言や供述などを中心に振り返ります。

1、井上あゆみ事務補佐員の聴取書(労基署作成)より

 以前から吉本教授が威圧的で風通し悪かった、という内容です。

 別件訴訟(金沢地裁平成21年(行ウ)第11号事件)において、国が乙第18号証として証拠提出したもので(どなたでも裁判所で閲覧可能、以下の証拠類も同じ)、金沢労働基準監督署が作成し、担当者(澤田とも子・厚生労働事務官)と本人(井上あゆみさん)が内容に間違いないと署名押印しています。

 井上さんは、吉本被告の懲戒処分の約半年後に、吉本研究室から別の部局へ移り、それから更に2年少し後に労基署が井上さんから聴取したもので、本文の最初と最後の部分を以下に引用します(斜字は自筆と押印の部分)。

<引用ここから>
 平成21年12月15日、金沢大学総務部人事課 会議室において、本職は上記の者より次のとおり聴取した。

1、私は、平成19年9月30日まで、金沢大学医学部医学科分子情報薬理学研究室で事務補佐員をしていた井上 あゆみです。

<中略>

30、吉本教授は威圧的な部分もある方なので、小川先生が来る前から教室内の空気は悪く、更に小川先生の反発も強かったと思います。

             井上あゆみ 印
 上記の通り録取し閲覧させたところ、誤りのないことを申し立て署名押印した。
   同前日
      金沢労働基準監督署
       厚生労働事務官 澤田とも子 印

<引用ここまで>

2、吉本被告本人尋問調書より

 金沢大学および吉本氏と私との訴訟の、吉本被告本人尋問調書(裁判所作成の録音反訳で、証拠の1つ)から、以下に引用します。

 なお、甲第173号証の吉本谷博・証人調書とは、上述の行政訴訟において、吉本氏が第三者の証人として尋問を受け、裁判所がその録音反訳を作成して、当該行政訴訟の証拠となった文書であり、吉本氏および金沢大学と私との訴訟でも証拠提出しています。

(質問者は、原告小川本人)

<引用ここから、第49ページ〜第50ページより>
甲第173号証(吉本谷博・証人調書写し)を示す
これは、今言った吉本さん御本人の証人の調書です。それの22ページの一番下2行からなんですけども。これは、井上あゆみさんというさっきから名前が出ている、当時の事務補佐員だった女性職員が労基署に供述した内容の調書なんですけども。「吉本教授は威圧的な部分もある方なので、小川先生が来る前から教室内の空気は悪く、更に小川先生の反発も強かったと思います。」という正式な労基署が作った調書になっていて、行政訴訟でも証拠で出しているんですけれども。それに対して、23ページの真ん中辺りで、「教室内の空気が悪くというこの表現はどうですか。」と聞かれて、あなたは、「それは個人の見方だと思います。」。つまり、井上さんはこう見たということをおっしゃってます。これは間違いないですね。
   間違いないです。
<引用ここまで>

3、横山壽一証人尋問調書より

 昨年12月12日に、金沢大学が証人申請した横山壽一証人の尋問が行われ、その横山証人尋問調書(裁判所作成の録音反訳で、証拠の1つ)から引用します。

 なお、横山証人は、私と吉本氏との件で「ハラスメント調査委員長」だと名乗るとともに、ハラスメント総括相談員であり、その後、ハラスメント防止委員になって、昨年(平成28年)3月に金沢大学を定年退職して仏教大学に転じました。

 私の件を扱う前の平成18年1月には、金沢大学病院産婦人科での無断人体実験を告発した打出喜義講師(当時)に対する教授からのハラスメントを認定しながら、被害者である打出講師に対して守秘を求め、守らない場合は懲戒などがあり得ると文書で口封じを図った人物です(本記事末尾に口封じ文書を掲載。概略はこの文書送付から間もなく報道され、詳細は約4年後にテレビ朝日系「サンデープロジェクト」で報道されて、これらの報道も証拠提出済み)。

(1)調査の経過などの部分

(質問者は、被告金沢大学代理人弁護士)

<引用ここから、第4〜第5ページより>

どういう予備調査をしましたか。
   当時の薬理学の講座の関係者から、まずは話を聞かなければならないというふうに判断を致しましたので、そのように開始を致しました。
具体的には誰を調べたんですか。
   まず最初が、確か樋口さんという、当時、助手だった方ですね。それから、事務補佐員であった井上さん。まず、この二人から話を聞きました。
時間は、どのぐらいでしたか?
   そうですね、かなり丁寧に聞きましたので、1時間半から、ひょっとしたら2時間近く掛かったかと思います。
面談した結果、どうなりましたか。
   吉本教授の講座の運営について、多くの人たちが問題を指摘しているということが分かりましたので、これはやはりきちんと調査しなければならないという判断を致しました。
それで、どうしたんですか。
   それで、調査委員会を立ち上げました。
いつですか。
   これは、その年の一番最後の仕事納めの日だったと思いますので、12月27日だったか、8か、27かだったと思いますが、7に設置致しました。
調査委員会設置後に、どのような調査を行いました。
   引き続き、この講座の関係者について更に具体的な話をということで実施を致しました。
誰と誰を調査したんですか。
   その後が安田さんという技術職員の方だったと思いますが、その方、それから川尻さんという元講師の方だったと思います。この方は、当時、金沢学院大学の方に転出をされておりましたが、その方に聞き、そして、その後で吉本教授に聞き取りを行った。そんな経過だったと思います。
<引用ここまで>

(2)聴取した内容などの部分

(質問者は、原告代理人弁護士)

<引用ここから、第32〜33ページより>
それから、その流れで、吉本研究室の安田さん、川尻さんという方からも話を聞かれたということを証言されてましたが、このお二人はどのような内容の説明をされていたのでしょうか。
   やはり教授の日常的な言動について、非常に威圧的であったり、権威を借りたような言い方をされるというようなことだとか、あとはお金の管理について大変細かいし厳しいというふうなことも指摘があったというふうに思います。
<引用ここまで>

4、小括

 金沢学院大学の川尻さんという方は、私の着任前に吉本研究室から転出されたので、私と勤務時期は重なっておらず、私の着任前だけの時期についてのご説明だと考えられます。

 吉本研究室の当時およびそれ以前の構成員4名は、吉本被告や吉本研究室について、「非常に威圧的」「権威を借りたような言い方」「お金に大変細かく厳しい」「威圧的で小川の着任前から風通し悪かった」という内容の証言や供述をしたわけです。

 なお、吉本被告は、私の着任前に、不安神経症や不眠症などで羽柴クリニックで診療を受け始めていたことも、医療機関から裁判所へ提出されたカルテ類で明らかになっています(次はそのカルテの一部)。

⚫️吉本カルテの一部(不安神経症、不眠症など)
不安

⚫️ハラスメント調査委員長から被害者への口封じ書面
口封じ

(つづく)