医学部大学等事件6、金沢大学ハラスメント調査委員長と顧問弁護士が小川への提訴準備中と主張 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

医学部大学等事件6、金沢大学ハラスメント調査委員長と顧問弁護士が小川への提訴準備中と主張


 今朝の金沢は快晴でした。12月の金沢としては最近は荒天の日が少なく、寒さもそれほど厳しくないため、過ごしやすい日が多いです。

 さて、金沢大学病院では、産婦人科での無断人体実験で民事訴訟や刑事手続きに至り、金沢大学敗訴が最高裁で確定した後に、今度は、整形外科でのカフェイン併用化学療法で、早期に腫瘍が見つかった少女がカフェインと抗がん剤の投与後約11日で死亡し、教授らが刑事告訴および書類送検されるとともに、同療法で大規模な倫理違反が行なわれていたことが判明しました。

 公益通報のブログ http://ameblo.jp/jpmax/ などでも掲載されていますように、不正や不適切行為の早期通報と早期解決は、患者や学生、顧客の損害発生を最小限にするのみならず、従業員や医療機関、会社、役所、大学等の組織にとっても損失や不利益を小さくする効果があり、通報そのものと通報者の保護は重要です。

 こうした通報や申告などによる職場や社会の環境改善は、主要国中で最高レベルになっている自殺率の低下にも貢献すると、私は考えています(本記事の最後で、我が国や金沢大学の自殺者数に少し触れます)。

 今回は、私が上司Y教授(今年辞職)による不正経理を金沢大学本部に通報した後の争いなどについて、金沢大学のハラスメント調査委員長(当時、学長補佐)と顧問弁護士(当時)が、私・小川に対する損害賠償請求訴訟を準備中だと書面で主張し、数年経った現在もそれを撤回しない件を、やや詳しくお示しします。

 なお、当時の顧問弁護士は、公益通報の学外窓口も担当していましたが、昨年までに弁護士会から懲戒処分を3回(うち2回は業務停止8ヶ月)受けました。

(本記事では、国立大学の理事・副学長や、国立大学でハラスメントや相談、公益通報などの対応に携わっている(携わってきた)要職の方々については、原則実名とします。)

 
1、ハラスメント調査委員長と顧問弁護士による、提訴準備中の答弁書

 下は、金沢大学の横山壽一・ハラスメント調査委員長(当時、学長補佐)と知原信行・顧問弁護士(当時)が、私・小川に対する損害賠償訴訟を準備中だと、公開法廷で陳述した書面です(手書きで10ページからなる答弁書の、冒頭ページと提訴準備中の部分)。

 その2枚目に、次の記述があります。
「4 従って、被告らは、本件について全面的に争うとともに、原告に対し、慰藉料の損害賠償請求事件の提訴を準備している。」
横山ら提訴準備中冒頭
横山ら提訴準備中部分
 この答弁書の冒頭に記載がある通り、これは次の事件の書面です。
    金沢地方裁判所平成20年(ワ)第13号事件
    原告:小川和宏
    被告:横山壽一、知原信行


2、横山ハラスメント調査委員長からの「訴状は受理されなかった」という連絡書
  ~事実に反し、訴訟中は行わないハラスメント調査に応じるよう求め


 下は、横山壽一・ハラスメント調査委員長(当時、学長補佐)から私への連絡書(平成19年6月4日付)です。
 これは、横山壽一・ハラスメント調査委員長が、私に、ハラスメント調査の面談に応じるよう求めていた中での、やりとりの1つです(現在まで、私は、調査を行うこと自体に同意したことは一度もありません)。

<以下、一部を引用>
「5月15日の訴訟提起は受理されなかったと報告を受けております・・・」

「5月30日の調停において調停員から、申立人はハラスメント調査委員会の面談に応じるよう調停があったと報告を受けています。」

「ハラスメントの調査は学内での解決を目指すためのものであり、通常は、訴訟中はハラスメントの調査は行いません。」

<引用ここまで>
横山4連絡黒
 産婦人科無断人体実験告発者へのハラスメント被害の口封じ(後にテレビで詳細に報道)など、金沢大学のハラスメント調査委員長やハラスメント相談体制などによる不適切行為が明らかになってきていた中で、私に対しても、この書面をはじめ、ハラスメント隠蔽工作ではないかと考えられる奇妙な言動が続いたため、横山ハラスメント調査委員長と知原顧問弁護士に対する上記訴訟に踏み切ったものです。
 提訴は2008年初めで、上記1の、私に対する提訴を準備中という答弁書が同年3月です。


3、上記2の書面に関する小川の説明

(1)「5月15日の訴訟提起」について
 「5月15日の訴訟提起」とは、私がY教授(今年7月辞職)に対して2007年5月15日に提訴した事件で、即日受付が完了して、事件番号が付された書類がその場で私に交付されました(金沢地方裁判所平成19年(ワ)第305号事件、原告:小川和宏、被告:Y)。
 しかし、それが受理されていないと言って、訴訟中は行わないハラスメント調査に応じるよう、重ねて連絡してきたものです。

(2)「5月30日の調停」と弁護士の調停委員(今年9月30日逝去)の言動について
 「5月30日の調停」とは、その前年に、私が金沢大学を相手方として、職場環境改善などを求めて申し立てた裁判所調停事件のことですが(金沢簡易裁判所平成18年(ノ)第109号事件)、面談に応じるよう指示などされていません。

 簡易裁判所調停事件では、弁護士1名と弁護士以外1名の計2名の調停委員が務めることが多いようで、この調停事件では、MH弁護士(事務所は金沢地裁・簡裁の前)と、大学教員T氏の2名でした。

 ところが、上記1の横山連絡書の約2ヶ月半後に、MH弁護士・調停委員が、私を中傷する事実無根の内容の報告書(同年(2007年)8月24日付)を裁判所に提出し、金沢労働基準監督署職員がその内容を書き取って、その文書が東京にも紙で拡散していることが、かなり後になって判明しました。
 しかも、その文書が、作成から10年以上経っても更に保管が続けられることがわかりました。

 そのため、私は今年に入って、名誉毀損訴訟(名誉回復措置を請求予定)などの準備を始めたのですが、虚報発信人であるMH弁護士(報告書提出当時、調停委員)が、今年(2015年)9月30日に逝去されたため、MH弁護士に対する訴訟は出来なくなり、これについての対応方法を検討しているところです。
(事件等での敵味方などに関係なく、逝去されたMH弁護士のご冥福をお祈りしております)

 また、第三者から、虚偽有印公文書作成罪の公訴時効は7年ではないかと指摘されていたのですが、その7年が経過した直後(10日後)の2014年9月4日に、上記のY被告との訴訟などで、金沢地方裁判所による争点整理がやっと始まり、裁判が実質的に少し動きだしました(現在、一審で約8年半係争中)。


4、ハラスメント調査は2007年1月に終了したからハラスメントは無かった、とY教授が主張

 下は、Y被告(私が通報した不正経理で2007年3月に出勤停止2ヶ月の懲戒処分を受け、今年7月に教授を辞職)の書面(上記の、金沢地裁平成19年(ワ)第305号事件)ですが、ハラスメント調査が終了して期間が経ったのに処分を受けていないので、ハラスメントは無かった旨を主張しています。

2枚目(第3ページの後半、小川が赤線を付したところ)に、次の記述があります。

「被告は原告に対してハラスメントなど行っていない(平成19年1月23日に、金沢大学ハラスメント委員会による最後のヒアリングが行われ、大学による本件のハラスメント調査は終了していて、被告はその後大学から何の処分も受けていない。)・・・」
吉本被準一ハラス冒頭黒
吉本被準一ハラス部分赤
5、上記4の書面に関する小川の説明

 Y被告はこのように、上記書面で、「平成19年1月23日に、最終ヒアリングがあって調査終了」だと主張していますが、金沢大学は、ハラスメント調査の途中で休止中だと主張しています。

 私は現在まで、調査開始自体に同意したことがなく、また、ヒアリングを行っていたという話も、訴訟でのY被告の主張で初めて知りました。そして、調査が終わったのに処分されておらず、それをハラスメントが無かったことを示すものだというのが、Y被告による主張です。


時系列では、次のようになります。
2006初め、小川が、Y教授の不正経理を大学本部に通報
2006.8 小川が、金沢大学を相手方として、簡易裁判所調停を申し立て
2007.1.23 最終ヒアリングがあってハラスメント調査が終了したと、Y被告が後に主張
2007.3.16 金沢大学が、Y教授を出勤停止2ヶ月の懲戒処分
2007.6.4付 訴状は受理されていない、訴訟中は調査を行わない、
  調停委員から面談に応じるよう調停があった、の上記1の横山連絡書
2007.8.24 MH調停委員・弁護士が、小川を虚報で中傷する報告書を提出(後に判明)
2007.9 金沢労働基準監督署職員がMH報告書を書き取り、後に東京などへ拡散
2008.1 横山・知原両被告に対して小川が提訴
2008.3.5付 横山・知原両被告が、小川に対する訴訟準備中との書面を陳述
2011.5 小川が金沢大学を提訴
2011.10 知原被告が、弁護士業務停止8ヶ月の懲戒処分、訴訟が長期間停まる
2013 小川が、横山・知原両被告との訴訟取り下げを申出たが、両被告が拒否したため、強制終了の手続
2014.7 知原元被告が、弁護士業務停止8ヶ月の懲戒処分(3回目の懲戒)
2015.12 横山元被告・総合相談室室員側が提訴準備中を撤回せず(メールやり取りで)


6、ハラスメント調査委員長らが提訴準備中の主張を未だ撤回せず

 前記1で、私への提訴準備中という答弁書をお示しした、横山壽一・ハラスメント調査委員長(当時、学長補佐)と知原信行・顧問弁護士(当時)との上記訴訟は、被告らの言動自体に関して大きな争いはなく、被告らの言動の「評価」が主な争点になりました。

 そうした中、2011年に、私が金沢大学に対する訴訟を提起し(金沢地裁平成23年(ワ)第281号事件)、横山・知原両被告との訴訟の中の重要な内容は、この金沢大学との訴訟に包含されました。
 加えて、同年(2011年)、知原被告が弁護士業務停止8ヶ月の懲戒処分を受けて実名報道され社会的制裁を受け、弁護士業務停止のため訴訟が長期間停まるなどしたため、私は横山・知原両被告との訴訟を、判決を待たずに2013年に終結させました。

 この時、横山・知原両被告は、私の訴訟取り下げを拒否して裁判を続けることを選んだため、私は取り下げ以外の強制的に終了させる手続を行って終結させました。
 その後、知原元被告は、昨年(2014年)にも弁護士業務停止8ヶ月の懲戒処分を受けたので(3回目の懲戒)、もし裁判を継続していたら、再び1年近く訴訟進行が停まったと考えられます。

 その後も、両元被告は、私への提訴準備中という主張を撤回しないため、下のメールの通り、私は金沢大学内の総合相談室などに、訴訟準備中という主張はどうなっているか尋ねていますが、答えない、という答えが返ってくるだけです。

<以下、小川発信のメール(今年12月1日)より引用>

On Tue, 1 Dec 2015 16:20:05 +0900 小川 和宏 <●●●@med.kanazawa-u.ac.jp> wrote:

志村恵・総合相談室室長補佐・ハラスメント総括相談員・ハラスメント防止ご担当学長補佐殿

CC
福森義宏・理事副学長(情報等ご担当)・総合相談室室長殿
有松正洋・理事副学長(総務・人事等ご担当)・事務局長殿
柴田正良・理事副学長(教育ご担当)殿
総合相談室室員(横山壽一教授も含む)の皆様

下のメールから10ヶ月近くが経ちました。

横山壽一・ハラスメント調査委員長・総括相談員・学長補佐(当時)、および、
知原信行・本学顧問弁護士・公益通報窓口(当時)が、
私への提訴を準備中である旨を、次の通り書面で主張し(添付ファイル)、
それを未だに撤回していない件の、現状についてです。

「被告らは、本件について、全面的に争うとともに、
 原告に対し、慰謝料の損害賠償請求事件の提訴を準備している。」
(「被告ら」とは、横山壽一ハラスメント調査委員長および知原信行弁護士)

現状をお尋ねします(確認事項は以前と同じですが、現状です)。

1、横山ハラスメント調査委員長(当時。現在はどうか不明)は、
  現在も「私への訴訟を準備中」なのでしょうか?
  それとも、「訴訟準備中でなくなった」のでしょうか?

2、上記の「私への訴訟を準備中」という状態は、
  後任の総括相談員やハラスメント調査委員長へ引き継がれてきたのでしょうか?
  それとも、後任の方々は無関係なのでしょうか?

     医学系准教授・小川和宏


<ここからは、総合相談室から小川への返信、今年12月2日>

差出人: 総合相談室 <●●●@adm.kanazawa-u.ac.jp>
件名: Re: 横山壽一ハラスメント調査委員長らによる私への提訴について
日時: 2015年12月2日 17:16:27 JST
宛先: 小川 和宏 <●●●@med.kanazawa-u.ac.jp>

小川 先生

総括相談員宛てにお送りいただいたメールの件ですが、総合相談室からご返答いたします。

総合相談室がお答えできることはありません。
                   以上

                     総合相談室一同
<引用ここまで>

 総合相談室とは、金沢大学内のハラスメント調査や種々の相談、および公益通報などの窓口であり、現在も、被告およびハラスメント調査委員長だった横山壽一教授が室員の1人です。

●総合相談室メンバー
http://www.adm.kanazawa-u.ac.jp/ad_jinji/sogosodan/staff.html

●総合相談室トップページ
http://www.adm.kanazawa-u.ac.jp/ad_jinji/sogosodan/index.html

 学生・生徒の自殺が1000人を超えた年もあるというデータを内閣府が公表し、金沢大学の学生だけでも昨年度の1年間に4名の尊い命が失われた状況です(既遂が確認された人数が4名)。
 総合相談室やご担当の方々には、本来の期待される役割を果たして頂きたいと切望します。

●内閣府公表の自殺データ
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2015/pdf/honbun/pdf/1-2-4.pdf
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2014/pdf/honbun/pdf/1-1-1.pdf

●ハラスメント調査委員長が提訴準備中を撤回か否かのメール151202
横山提訴相談室151202
●産婦人科無断人体実験告発者(ハラスメント被害者)への口封じ書面
(2010年2月28日、テレビ朝日系「サンデープロジェクト」が詳細を報道)


横山打出通知書黒JPG