《原文バージョン》
私は転身して、動物と友に棲むことが出来ると思う。
彼らはいかにも温和で、しかも自足している。
私は立ち停り、いつまでも、いつまでも彼らに眺め入る。
彼等はその境遇について、不安を感じたり愚痴をこぼさない。
彼等は夜の闇の中に眠りやらず、その罪業のために嘆きもしない。
彼等は神への努めを議論して私を悩ませはしない。
ただの一疋(一匹)でも不平不満を言わない。
ただの一疋でも所有欲のために狂気のようになってはいない。
ただの一疋でも他のものに対し、また数千年の前に生きていた同類のものの前に膝を屈したりはしない。
全地球を通じて、尊敬されるべきもの、または不幸だと言われるものは、ただの一匹もいないのだ。
かくして、彼等は私と彼らのとの関係を明らかにし、そこで私は彼らを亨け入れる(受け入れ)。
彼等は私自身の形見を私のところへ持ってきて、それが彼らの所有であるいことをはっきり表示するのだ。
彼等はどこで一体そうした形見を手に入れたのであろう。
あの方面を私が遠い昔に通り過ぎて、うかつにもそれらの形見を落として来たのではなかろうか。
私自信、その時も、今も、そして永遠に前進移動してゆく。
常に多く蒐め(集め)、多く示しながら、しかも非常な速度をもって、永遠にして、万物を創造するもの、そして彼らのうちにそれらの同類を見出す。
私の記念の品を手にする者に対してのみ、偏することなく、ここで私の愛するものを見分け出し、今こそ彼と兄弟のように仲良く連れ立ってゆく。
私の愛撫に応える、一頭の牡馬の素晴らしい美しさと、精悍(せいかん)さ、前額のきりっとした頭、耳と耳との間広く、四肢は光沢よく、柔靭(じゅうじん)に、尻尾は長く地を掃くばかり。
悪戯っ気たっぷりな、閃く涼しい眼、恰好よい耳は靱かに動く。
私が蹠(せき)で胴体を締めつけると、鼻孔を膨らまして喜び、一周して戻って来ると、彼のよく発達した四肢は歓びに奮えている。
私の牡馬よ、私はただの一寸の間お前に乗るだけだ。
そして直ぐ暇をとらせる。
私自信お前を追い越して駈けるのに、何でお前が歩調を必要としよう。
私は立っていようが、坐って(座って)いようが、
お前よりもさらに迅く駈けられるのだ。
(古い漢字は一応調べてますがもしかしたら間違ってる点があるかもです。そこはご容赦をば)
- ホイットマン詩集 (世界の詩 27)/ホイットマン
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
- ホイットマン詩集―対訳 (岩波文庫―アメリカ詩人選)/ホイットマン
- ¥588
Amazon.co.jp
《犬式 a.k.a Dogggystyleの歌より》
私は身を動物に変えあのいつも穏やかで独立独歩の動物たちと共に生きられればと思う。
私は足を停め、長い間いつまでも動物たちを見つめる。
動物たちは自分達の在るがままの現在に愚痴を零ぼさず、また骨を折ってあくせくもしない。
動物たちは暗闇の中で目を開いたまま横になって何かを罪に哭くこともない。
動物たちは、神に対する義務について討論して私をうんざりさせもしない。
一匹として満足せぬは無く、一匹として蓄財に熱中するあまり狂乱状態になるものも居ない。
一匹として他にひざまずかず、また数万年を生きながらえてきた種族の流儀に盲従するものも居ない。
そしてこの地上の何処にも一匹として社会的地位のあるものはなく、また不幸をかこもつものも居ないのだ。- Life Is Beatfull/犬式
- ¥2,940
Amazon.co.jp
- ウォルト・ホイットマン Wiki
いつも政治の話とか大麻の話ばかりだと疲れてしまうよね。これからはたまに著名人やらメモ帳から気に入ってる詩をブログに書いていこうかと思ってます。
- Life Is Beatfull/犬式
『つもり違い十ヶ条』の記事を半年ほど前にあげたんだけど、じわりじわりと人気が出てきたので詩もいいかなって。
リブミンはいつもペンとメモ帳を装備してるんだけど読者のみなさんはどうなのだろう?
例えば偶然すごい事を閃いてしまうことってありますよね。あとでメモしておけばいいやって思って忘れ去ってしまって後からヤキモキしたりとか誰にでもありますよね。
そういうのは何か損してるし、それなら前もってメモする準備をしておけば何か得をするかもしれませんよね。
それに日常の中で心の琴線に触れるような出来事なんかも日記にしたりメモにつけておけば後から思い返したり話のネタになったりもするし、こまめにメモする事を身につける事って良い事はあっても悪いことはないですよね。
詩を書いたり、ちょっとしたスケッチをしてみたり、人の癖をメモってみたりすると後から面白い話に展開することだってあるかもしれないしね。
宮沢賢治やアインシュタインのような有名な人もメモする癖があったなんて言われてるし、もしかしたらメモすると凡人から昇格できてしまうのかもしれないね。
それに10年前のメモ帳を読み返してみたりすると新しい発見もあるかもしれないし、逆に10年後の自分に言葉を残すのも面白いですよね。
《10年前のメモ帳より~ ヘッセの言葉》
このまま変わり者であり続けなさい。詩人の才に恵まれていないとしても、初めからそれを欠陥と見てはなりません。
できる限り己が本性に誠実であり続けることです。
そうすれば、あなたが立っている地点がすでに、人生の中であなたの本性が満たされるべき場所となるのです。
’53・11・2 ヘルマン・ヘッセ
リブミンはこういった哲学とか自己啓発の言葉が好きで集めてます。時にはそのような言葉を紡ぐ時さえあります。一つの趣味のようなものです。
これから時々このブログにも載せていこうかと思っています(´∀`*)
ヘッセの本は図書館に行けば借りられると思います。犬式(ドギースタイル)の歌は数曲だけ右の動画プレイヤーにあるので試しに聞いてみてね!