『ベル・エポックでもう一度(La Belle Époque)』(2019)拝見 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

お店の名前なのね

ニコラ・ブドス監督作品、フランス・ベルギー

 

 

ダニエル・オートゥイユ様、ファニー・アルダン様、ギヨーム・カネ様、

ピエール・アルディティ様、ドリヤ・ティリエ様他

 

 

大切な思い出を映画撮影セットで再現する

体験型サービスを巡る人間模様を描いたヒューマンドラマ。

世の中の変化についていけない元人気イラストレーターのヴィクトルは、

仕事を失い、妻からも見放されてしまう。息子はそんな父を元気づけようと、

友人アントワーヌが始めた“タイムトラベルサービス”をプレゼントすることに。

それは映画制作の技術を応用し、利用客の大切な過去を再現する体験型サービスだ。

ヴィクトルは「1974年5月16日のリヨン」をリクエスト。

指定されたセットを訪れると、そこには当時そのままのリヨンの街並みがあった。

(映画.comより引用)

 原題の「La Belle Époque」は劇中で再現されるリヨンのカフェの名前で、

フランス語で「よき時代」の意味。

(Wikipediaより引用)

 

 

どの世界も、最速で変化していってていると思うんですが、

芸術の世界のあらゆる分野のそれって、あり方を根本から変えてる現代?

 

 

 

妻と初めて出会った時代へと赴いたヴィクトルは、

そこでの出来事を鮮やかに手描きで描いていくんですよね。

それが美しい。オリジナルは手描きの一枚のみという躍動感好き。

 

 

どんどん増えて壁いっぱいに貼られて行く部屋も。温かい筆致。

 

 

ヴィクトルに飽き飽きって感じの妻。

ベッドインしながら、ヒーリングの映像を見てるほどのうんざり。

 

 

 

ヴィクトルを追い出した妻は即愛人と同棲。

 

 

 

ここら辺がとってもさばさば描かれてるし、

ファニー・アルダン様だからってのもあるものの、

「年配者の色ごと」って風にも見えない。

初め主人公がベル・エポックの時代を選ぶのかと思ったら、カフェの名前。

 

 

 

天井はスタジオの天井。セットを出るとロココ時代とかの衣装の

エキストラさんが歩いてる。エキストラさんは色々違う役もするし。

 

 

ヴィクトルの指定した店は、中はがっつり70年代。

そこから見える景色もまた・・・初めは「ふん」ってヴィクトルが、

一日でその「過去」にすっかり魅了される。

 

 

このインコは剥製。「昔は生きてた」ですが~

 

 

 

 

そこで契約を延期して過ごすヴィクトルに見えてくるもの、

ヴィクトルが消えた世界での妻に見えてくるもの。

 

 

 

 

虚と実の世界それぞれに、リアルな気持ちが交錯して人の心の揺れが。

 

 

 

 

ふんわり優しい気持ちになれる作品でした。

それにしてもおフランス、ジャンヌ・モロー様、ドヌーヴ様・・・

皺が増えようが何だろうが、現役感みなぎるパワーだわ。

 

 

このお二人と共演出来た若手さん、素晴らしい経験だったでしょうね☆