『La Chartreuse de Parme』
クリスチャン=ジャック監督作品、スタンダール原作、フランス・イタリア
ジェラール・フィリップ様、ルネ・フォール様、マリア・カザレス様他
1815年。ナポリでの勉学を終えた青年ファブリスは故郷パルムへ帰り、
育ての親である叔母サンセヴェリナ公爵夫人のもとへ身を寄せる。
サンセヴェリナ公爵夫人は、はつらつとした若者に成長したファブリスに心を奪われる。
一方、典獄の娘クレリアはエルネスト4世主催の夜会でファブリスに一目ぼれするが、
ファブリスは道化役者を殺して投獄されてしまう。
そこでクレリアの存在に気づいたファブリスは、
つらい幽閉生活の中で彼女と心を通わせていく。
やがて、サンセヴェリナ公爵夫人は反王党派の協力を得てファブリスを脱獄させるが…。
(映画.comより引用)
ちょっと感想を書くには、原作を読んでみてからがいいような気もする長大な一本。
調べてみたら、結構忠実な映画化らしい・・・いや、Wikipediaに
「陰謀と軍隊のエピソードを交えたロマンティック・スリラーのようだが、
スタンダールの鋭い人間観察と心理分析が冴えわたる傑作である。」とあるし、
奥深いものがあるやも。それをまあ52日で書き上げられたそうな。
それがまあ、色恋沙汰の上の、殺人何てなんてこたあない(時代もあるのか?)上、
ホンマ主人公、色恋のことしか考えてないので、恩ある人が路上で殺され、
横たわっていても、気づきもせんし。
しかも牢獄で、好きな女との伝言をしてくれたり、ずっと親切だった看守。
「パルムの僧院」は、最後の最後、のテロップに一行出てくるだけ~!!!
まあ、ファンファン様、首が長いし僧衣似合うけど。
ホンマ、中心は色恋なんですね。
マリア・カザレス様は、いつもながら大人の妖艶さ。
一方の穢れなき天使?クレリアはみどりはちょっと物足りなかったかな。
ダニエル・ダリュー様くらいの魅力が欲しかった。
そりゃまあ、三時間近い映画、それぞれ女性はファブリスにメロメロですが、
彼女たちをとりまく様々な人物達の魅力が人生模様を繰り広げる。
クレリアが結婚することになるクレサンジ侯なんて、
結婚式のその日に赴任先に赴き、毎日妻に手紙を送る続ける。
彼女が自発的に、「妻」となる気になり、彼の元に来るのを待つ男。
絶対こっちの方がいいよ、クレリアさん。
甥によろめいちゃう伯爵夫人も、最後はモスカ伯爵と結婚、彼との穏やかな生活へ。
特技は色事。
↑ 色目には向いてる ↓ 力仕事には向かない。
もうもう、とにかくジェラール・フィリップ様が、「仕方ないよねえ」な程、
お美しいので、彼の愚行に周囲が何だかんだ振り回されても・・・
「しかたないよねえ」ですわ。アホかお前は、ってシュチエーション満載だが。
何頭身なんだ?な長身にちっこい頭。
見つめられたら、きゅんっともなるだろう、美しい瞳。
しかし、要塞のような牢獄から脱獄する場面、もちろんスタントだと思ったら、
絶対に自分がすると、手を血まみれにさせて何メートルあるんや!?な
要塞から、綱一本で降りられるんですよね。しかも2テイク撮影したとか。
役柄と全く違う、生真面目なお方でございます。
とにかく、ファンファン様、『肉体の悪魔』とこちらで、
不動の人気を博されたんですね。それくらい、ラスト以外馬鹿ばかりの、
ファブリスの行動がどうでもよくなるほど、若き美男子でした。