アラン・ドロン様の眉にくぎ付け | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

広島も桜です

 

昨年来、東京より遅い広島の桜も咲きました。

今日はいつもより行動範囲広く動いたので、

梅は見逃したけれど、桜は少し拝見。

毎日花曇りだったので、珍しい青空が背景に・・・

 

 

 

 

 

渋い色のパンジーは、ビストロの前で。(少し明るい色に写ったみたい)

 

 

『The Roads Not Taken(選ばなかったみち)』

(2022)

サリー・ポッター監督作品、イギリス・アメリカ

 

 

ハビエル・バルデム様、エル・ファニング様、ローラ・リニー様、

サルマ・ハエック様、ブランカ・カティッチ様他

 

 

ニューヨークに暮らす、メキシコ人移民の作家レオ。

認知症を患っている彼は、誰かの介助なしには日常生活を送ることができず、

ヘルパーや娘のモリーとの意思疎通を図るのも難しい状況に陥っていた。

そんなレオを病院に連れ出そうとアパートを訪れるモリーだが、

彼は娘を相手にせず、初恋の女性と出会った故郷のメキシコ、

作家活動に行き詰まって単身で訪れたギリシャでの日々を思い起こす。

(Yahoo!映画より引用)

 

 

あらすじを読んでも、この映画を心に感じるのは難しいかも。

拝見して、反芻して、じわじわと心に迫る映画、そんな気がします。

サリー・ポッター監督ご自身の体験が奥にあるのですね。

 

 

自身の弟を介護された経験をもとに、自ら脚本を執筆された

どれだけきつい心身的体験をされたかと思います。

人には選ばなかった道がどれだけあるか。

(いや、私は数えるほどですが)

 

 

 

 

その迷路に入り込んだ、作家の追体験、彼がその世界に居ることで、

現実に振り回される娘・・・

 

 

 

少しの電話でも、その間に父の姿が見えなくなる、

頑張って来た仕事も、人の手に渡ってしまう。

 

 

実力派俳優の方々が、サリー・ポター監督の元、

重い世界を綴って下さった一作。

 

 

 

 

 

何度か拝見したい作品でした。

 

『Les Seins de glace(愛人関係)』(1974)

この邦題、どうにかならんかったんか?

ジョルジュ・ロートネル監督作品、リチャード・マシスン原作、フランス

 

 

アラン・ドロン様、ミレーユ・ダルク様、クロード・ブラッスール様他

 

 

メロドラマ風の邦題だが、実際はサスペンス。

 ファム・ファタールであるミレーユ・ダルクを巡る男たちと連続殺人。

 実質的な主人公はクロード・ブラッスールだが、 ...

(Filmarksより引用)

 

 

フィリップ・サルド様が音楽を担当されていらして、

主題曲のメロディが耳に残る美しさ。

そして、ミレーユ・ダルク様はやはりファッショナブルですね。

↓ のっけの海岸のファーからやらかして下さってる。

 

 

少し唇があつい研ナオコ様って感じ?あの顔はお洒落さんが多い?

あまり作品を拝見するチャンスがなかったお方なので、

せめて『恋するガリア』くらいは拝見してみたいです。

謎の美人に恋する脚本家が、背後に居る敏腕弁護士に、

分かれさせよう、分かれさせようとされる、その背景には・・・

ってんで、主演は、脚本家。とってもおフランス的いいキャラ。

 

 

 

 

ですが、ドロン様映画ですんで、やはりミレーユ&ドロン映画?

サスペンスなので、こんなシーンもありますが。

 

 

刑事さんがまた、情熱いタイプだ。

 

 

私、この作品、先に原作拝読してたんです。

その本を手放してしまっているのが残念。

あらかた、原作に近いんだけど、ラストが全然違うの。

(完全ネタバレ)

 

 

 

あ~、そんな弁護士が心中なんてするかいな、な甘々ラストの映画。

峠に響く銃声がラストシーン。

 

 

そして、いい人の恋人はそれを見守ってEND。

 

 

原作は、発見された狂気のヒロインが、

連れて逃げた弁護士の頭を抱いてる、『桜の森の満開の下』状態。

未だに覚えているほど印象的でした。(正確な記憶かは保障外)

「最初の週に25万ドル相当の収益を上げてヒットした」そうですが、

アラン・ドロン様の生首抱いたミレーユ様も拝見したかったなあ。

それにしても、ドロン様・・・なかなかない眉の形・・・

 

 

お顔のアップが多かったんで、釘付けになっちゃいました。

 

 

このレコード、探したらあるかも?

パンフレットとレコードとDVD三点セットでメルカリ出品か?

 

 

『日本の悲劇』(2012)

小林政広監督作品

同名のタイトルの映画がありますが、関係ないそうです。

 

 

仲代達也様、北村一輝様、大森暁美様、寺島しのぶ様

 

 

余命3か月の父親とその父の年金を頼りに生活する

うつ病の息子の悲劇を描く社会派ドラマ。

ガンと診断され封鎖した自室にこもった父の息子への思い、

何もできずに過ぎ行く日を暮らす息子の様子をつづる。

(Yahoo!映画より引用)

 

 

リストラされ、妻に捨てられ、うつ病の息子。

鬱の割に、掃除洗濯、マメで、

仏壇の母への供養もちゃんとしてる・・・

父子ともに、お参りの作法きっちり。

ちゃんと育てられた息子さんなんだろうなあ、と思ってしまう。

仕事がないだけで、本当に鬱???

家を出たのは息子で、嫁はサインした離婚届を渡してくれと持ってくる。

 

 

離婚した奥さんが、子供を連れて実家に帰っている、

その先が、東日本大震災で大きな被害が出た気仙沼の港近く。

という設定で、最後にクレジットでも被災者の方に捧げるというような、

文章が出てくるのですが、妻子が亡くなったようでもなく、

夫婦の離婚に、震災が影響したのかよくわからない?

 

 

何故震災を物語の引き合いに出されたのかよく解りませんでした。

しかし、とにかく、役者の皆さんの存在感がすごい。

特に仲代達也様のクローズアップも多用されていて、切なく、悲しく。

あの方の大きな目の、感情の表現は、いつもすごい。

 

 

末期の癌にかかっている自分は、もう、手術を繰り返したりしない。

と、妻の命日の翌日、自室の扉いっさいを釘で打ち付けてひきこもる。

 

 

毎朝、おはようと、声をかけろ。返事がなくなったら、

お前が仕事を見つけるまで、そのままにして、

自分の年金で生活しろ、してやれることはそれしかないと言い残し。

ある朝、息子が声をかけると、返事がない・・・

 

 

この映画自体が、年金の不正受給にインスパイアされているようです。

孫が生まれて、家族全員で喜び、記念写真を撮った幸福。

その寺島しのぶ様がご出演の場面はカラー。

 

 

 

そこには生命と幸福があった?お母さんも生きていた。

お父さんとお母さんの会話はユーモアがあり、

お酒の飲み過ぎの注意も、あたたかい。

 

 

他は、くっきりとした白黒での撮影。

確かに悲劇感が迫って来る101分でした。

悲劇だって喜劇だって、100%白黒つけられるものではない・・・

とはいえ、のどの奥に骨がつっかえたような感じがどうしようもない。

 

 

もう、ひたすら、仲代達也様の気迫、これでしょうか。

 

 

『French Exit

(フレンチ・イグジット さよならは言わずに)』

アザゼル・ジェイコブス監督作品、アイルランド・カナダ

 

 

ミシェル・ファイファー様、ルーカス・ヘッジズ様、ヴァレリー・マハフェイ様、

イモージェン・プーツ様、トレイシー・レッツ様(声)他

 

 

マンハッタンに住む60歳のフランシスは、

12年前に他界した夫の遺産で優雅な暮らしを送っていた。

彼女は全ての遺産を使い果たす前に自分は死んでしまうだろうと考えていたが、

計画通りにはいかず、既にお金が底を尽きかけていることを知る

そこで彼女は家財道具を売り払い、

息子マルコムと猫のフランクを連れてパリへ移住するが……。

(映画.comより引用)

 

 

シニカルコメディとかブラックコメディに分類されるみたい。

浮世離れしたヒロインに、ミシェル・ファイファー様、ハマってました。

最後のこれっきりの紙幣の束、どんどこ使っちゃう。

 

 

カフェでチップはずみ過ぎて、出すつもり無く書いた、

友人への手紙が、ギャルソンの親切で投函されちゃったりする。

ニューヨークで飼っていた黒猫も、ちゃんとパリに。

税関は、安定剤?で眠らせてお札と一緒にバッグに突っ込んで通過。

 

 

 

この黒猫が、ある日、ベッドで死んでいた夫の上に乗り、

顔を舐め続けていたという猫。

どうやら、猫の中には、夫の魂が入り込んでるらしい。

 

 

 

お巴里で、何らペースを変えることなく暮らす母と息子。

 

 

 

ギャルソンの態度が悪いカフェでの、この後のママの行動、

素晴らしい。薔薇に香水をどばどばかけて・・・(予告にあり)

 

 

 

フランスに渡る時、船で交霊者と知り合う息子。

彼女、がっつり父ちゃんを呼び出しちゃったりも。

やがて、最後の札束で、ご馳走を買い込んで来たフランシス。

 

 

旧知の友から、パリで知り合った相手、飛び込んで来た息子の元婚約者、

その元婚約者の今の婚約者、NYから飛んできた友とどんちゃん騒ぎ。

 

 

 

翌朝、早朝、いつものように優雅な足取りで、

石畳を歩いていく彼女。その後ろに従う黒猫。

 

 

これ、コメディなんだろうか???

セレブでもないし、夫の遺産もないけど、他人事じゃない話。

みどりには『日本の悲劇』より現実的なラストシーンでしたわ。