『お遊さま 』(1951)拝見 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
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久々谷崎潤一郎先生ご登場

 

谷崎潤一郎原作溝口健二監督作品、日本、89分

 

 

田中絹代様、乙羽信子様、堀雄二様、柳永二郎様、

進藤英太郎様、松浦築枝様

 

 

 

谷崎翁原作って『お遊さま』って知らないなあ・・・

と思ったら、 『蘆刈』原作でした。

 

 

 

 

田中絹代様&乙羽信子様を続けて拝見してしまった。

もう、谷崎翁らしい、奴隷にして~的な作品。

でも、原作とはかなり変更されてるかな。

いい家のお坊ちゃん、なかなかお見合いまとまらない

 

 

今日も、お見合い。どうせ、毎度の結果かと思いきや、

現れたお見合い行列先頭の女性の、

並外れた存在感、美しさ。「やった!」これで決まりだ!

 

 

いやいや、お見合いする娘さん先頭を歩いてるわけないでしょ。

 

 

 

 

かくして、未亡人お遊さまに恋い焦がれてしまう。

しかし、そういう流れでは、お遊さまに結婚を申し出ることは出来ない。

 

 

それを察している娘は、青年に恋心を抱きつつも、

自分も大好きなお遊さまと青年と共に過ごすために結婚。

 

 

 

「夫婦」にはならず、二人でお遊さまと三人の、

幸福「お仕えする」日々を送るが・・・

 

 

乙羽信子様、前回に続き、かわいらしいです。

 

 

 

それにしても、そうでなくてはこの映画が成り立たない、

お遊さまの、谷崎翁好みの華やか品と風格ある美しさ

 

 

堪能させて頂きました。

 

 

そして消えゆきつつあった日本文化の美しさも。

 

 

でも、溝口監督は、こういう妖しい世界より、

どこかに説教臭さがある『雨月物語』『西鶴一代女』が、らしい気が。

谷崎翁「正しい道を説く」似合わないもの。

 

 

 

 

それにしても、この作品での「お遊さま」、

谷崎松子夫人に似てる気がする・・・