まだ会えなかった頃のちび空
涙を抑える習慣が身についてから、涙が簡単には流れない。
毎日でも泣ければ心が温まるのに。
今でも、居るはずの空が、その場所に居ないことに馴れない。
記憶にはその優しくしなやかな身体、微かに呼びかけるような声。
でも、彼女はもう、目には見えない。
でも涙は出なくて、呆然と時を過ごしている気が。
空の生まれたお家での日々の写真が入った18年前のCDから、
写真を何とかプリントしてもらえました。
ひとり小柄で情けなさそうな表情なのが空。
参考写真。うちに来ての空。
きょうだいといると見分けがつきやすい。
しかし、単体だと、やはりきょうだい、どれが空?悩む。瞳が頼りないのが空。
上の二枚、下が空?
こちらはどちらも姉妹?
空だとしたら右?
うちに来ることが決まってから、その日を待ち続け、
寝室のドアに向けて「そこから入っておいで、待ってるよ空」と呼びかけた。
やって来た当日の夜、そのドアから自分で入って来て、
ベッドに飛び乗り、同じ長枕に並んで寝てくれた空。
夜中に枕から落ちて「みぎゃっ」と言った夜は忘れられない。
でも、あの日にはもう戻れない。
昔のお客様のお身内の方のお家の、
ご夫婦にゃんこ(写真で見るだけでラブラブなのがわかる)の、
三回目?の赤ちゃん3にゃんの1にゃんが空。
お父ちゃん似で、お父ちゃんに可愛がられたとか。
↓ これは引き伸ばした陰に居るのが空だと思う・・・
「一番身体が大きくて、一番白い子」は、早くに新しいお家が決まった。
子猫が可愛いと子供さんが喜ぶからと、避妊しないでいらした。
貰い手さんが見つからなくなったとのことで、
当時の上司が、1にゃん迎えることに。
みどりに当然、オファーはあったのですが、
当時、長毛猫さんは瑠璃さんだけ、次に迎える子は、
今でいう里親探しにゃんこさんと思っていたみどり、初めは渋りました。
しかし、引き取り手がないと、ペットショップに売りに出すとのことで、
写真を見せられてしまったら駄目ですね。うちに迎えることに。
生後二か月で、職場に連れてきてもらった空。
上司が先に会いに行って、決めていた子はしっかりした体格。
空のキャリーを開くと、潰れた濡れ雑巾みたいな、
頼りないにゃんこが、ぺた~っと中で眠ってました。
私は帰宅が遅い日だったので、お客様ご夫妻が、
先にみどりの家に行って、空と帰りを待っていてくださった。
寝転がった旦那様の胸の上ですうすう眠ってた空。
小さくて壊れそうで、この子はもう一月、お母さんといた方がよかったのでは?
と思うような子で、でも、それなりに元気だったのが、
病院で勧められた強いワクチン注射の後、ものを食べられなくなり弱ってしまった。
その時、調べまくって診て頂いた先生が、うちの3にゃんのホームドクター。
女赤ひげ先生のような先生、今年の夏、病院を閉められる。
その先生が辞められたら、なんと心細いことか。
でも、その前に逝ってしまったりするなんて。
しかも、明らかに、先生の所へ行くのは辛いだけ、という、
いきなりの昏睡から一日半という速さでの突然の去り方。
その日の一年前の同じ時期までの写真・・・
メンズは、昨日あたりから、ようやくふたりでの生活を受け入れたみたい。
青くんは体調も崩したり、明らかに緊張してた。
月はあれだけ甘;つたれてたのが、覇権争い気分?離れていた。
それが正気に戻って、兄ちゃんに詫びを入れ、
青くんも穏やかな日々を取り戻したのか。
この冬から春、かつてないっくらい、3にゃんが引っ付いてました。
空と青くんの間に割って入るのが月。
みどりの心には、ずっと空の気配があって、
この空いた穴は、消えることはなくて、穴の存在に馴れる時間が必要。
空は人生の、一番波瀾万丈な時を18年寄り添ってくれた伴侶。
限りなく想いがあふれるばかり・・・
今年は、木々の緑や花、空の色が目に染みて行けません。
去年の今頃作った?偽トトロ。