再掲『Die Ehe der Maria Braun(マリア・ブラウンの結婚)』(1978)拝見 | 時は止まる君は美しい

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2019年11月29日記事

最近何度かアクセス頂いておりました。

ううむ、今は全くやめたあらすじ記事だあ。

懐かしいなあ。

幸 せ

 

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品、西ドイツ、120分

 

 

 

ハンナ・シグラ様、イヴァン・デニ様、ジョージ・バード様、ゴットフリード・ジョン様、

ギゼラ・ウーレン様、ハーク・ボーム様、ギュンター・ランプレヒト様、クラウス・ホルム様

 

 

『ローラ』(1981)、『ベロニカ・フォスのあこがれ』(1982)と併せ、

ファスビンダー監督の、「西ドイツ三部作」と呼ばれる。

 

 

1982年、遺作となる『ケレル』編集中、

コカインの多量接種により、37歳にして早逝される直前に完成した三部作。

第二次世界大戦後期、爆撃されるベルリンで、

マリアとヘルマンは略式結婚式を上げる。

 

 

しかし「半日と一夜」の結婚生活の後、ヘルマンは戦場へと向かう。 

 

 

 

そして終戦。戦争が終わっても、夫の生死も解らないまま、

生活は、日々の食糧にも事欠く状態。

 

 

マリアは、友人のベティと、踊り子としてアメリカ兵相手生活費を稼ぐ。

 

 

 

 

やがて、ベティの夫が帰還すると共に、彼から、夫が戦死したと聞かされるマリア。

ダンスホールで知り合った黒人兵ビルと、親しくなるマリア。

 

 

 

穏やかな生活、やがて妊娠

 

 

そこへ、戦死したはずのヘルマンが帰還する。

マリアを守る為、ヘルマンとつかみ合いとなりるビル。

劣勢なヘルマン。マリアは酒瓶でビルを撲殺してしまう。

 

 

彼女を裁く公判で、自分が殺した、彼女じゃないと声をあげるヘルマン

結局、彼が刑に服することとなり、マリアは彼の出所を待つ。

ヘルマンと共に暮らせる日の為、自立して働く決意の元、

またもや出会う、マリアを愛すことになるフランス人実業家、オズワルド。

 

 

 

マリアは、彼の秘書兼恋人となり、やがて、商売に才を見せていく。

ヘルマンにも、偽りなく、報告をして。

 

 

やがては、一軒家を購入するまでになるマリア。

しかし、母と同居することはない。そこは一人になれる場所。

 

 

成功していくにつれ、かつての笑い家族愛消え

心を閉ざした、皮肉な女になっていくマリア。

 

 

ベティも、夫との生活が終わりを告げる。

それでも、マリアが昔のような表情を見せるのは、ベティとその元夫一緒の時。

週末になると、面会の為に、黙って姿を消すマリア。

 

 

 

オズワルドは、秘密裏にヘルマンと会い、ある約束をする。

ヘルマンは、その後釈放の身となるが、マリアの元へすぐには帰らず

カナダにわたり、一人前の男になったら帰って来ると、書置きを残す。

きていれば、一年一本、赤い薔薇を贈ると。

1954年、ヘルマンの帰還

 

 

マリアは、一挙に明るさを取り戻し、結婚生活二日目が始まると、

どこか冷めきった風の夫をよそに、心を弾ませる

 

 

 

 

それと同時の、実は身体を壊していたオズワルドの死

遺言には、すべての財産半分マリアに、

もう半分を、ヘルマンに、と書かれていた。

いつも、煙草の火を、キッチンのガスコンロでつけるマリア。

 

 

遺言を伝えに来た二人が、表門に付いた時、

前に火をつけた時、おそらくわざと、をしていなかったコンロで、

マリアが煙草に火をつける。同時に起きる爆発無理心中なのか?

マリア・ブラウンの結婚は、離れ離れのまま、

善良な二人の男の人生を巻き込み、一日半のまま終わる。

強い決意がないと、食べ物を手に入れるのも大変な時代。

 

 

幸福平凡な市民のカップルが、

戦争という現実に翻弄され、消えていく。

戦争がなければ、もしかしたら結婚もなかったかも?

それでも、幸福な結婚を奪った、戦争

 

 

「本当に大切なもの」守る為に、心からマリアを想う男性達が、

に巻き込まれることに。そして、マリアとヘルマンも・・・