『偽れる正装』(1951)拝見 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
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偽った盛装を脱ぐ時

 

新藤兼人脚本吉村公三郎監督作品、日本、102分

 

 

京マチ子様、藤田泰子様、柳恵美子様、滝花久子様、 村田知英子様

小林圭樹様、菅井一郎様、殿山泰司.様、進藤英太郎様、河津清三郎様他

 

 

溝口健二監督の、戦前期の代表作『祇園の姉妹』へのオマージュ作品。

・・・というと、そちらも拝見したくなる・・・

 

 

脚本、監督『安城家の舞踏会』と同じコンビ。

どちらもとしたところがあって好きだな。

祇園芸者君蝶は売れっ子。頭の回転も速く、男性を手玉に取っていく

 

 

の妙子は、姉とは反対に、市の職員をしている、真面目な娘。

 

 

は、かつての有名な芸者だが、染色会社の社長に囲われ

二人の子をもうけ、今は、小さな置屋を営んでいる。

そこには、本妻の息子がしばしば、金の無心に来る。

家を抵当に入れてまで、工面してやる母。

そんな中起きる、借金の返済問題

妹と同じ職場で、結婚を約束した男の実家が有名料亭で、

「格式が違う」と母親に一蹴されたり。

 

 

君蝶に入れ込んで職場で横領した男が仕事を失い、

君蝶に新しい仕事を始めるから用立てろと言いに来たり。

様々なドラマが、「戦争で焼けなかった町」京都の因習の中、

繰り広げられていく。

 

 

 

気性も激しく、花街の中で、才覚を発揮。

妹をコケにした男の母からは、旦那手玉に取って、

借金返済と、意趣返しの同時決行。

しかし、男に甘え、抱きつきながら、その瞳に、

虚しげな?表情を漂わせる君蝶は、

京マチ子様の美貌もあり、インパクト強

は、曖昧だった彼氏と、遂に、東京へ出奔することに。

 

 

京都を出て、東京に来なさいよ、仕事なら紹介してあげる」って、

友達がいるから、ぼんぼん二人でも、安心

 

 

 

逆恨みの横領男に、包丁で刺され、負傷した君蝶も、芸者を辞め、

新しい道に進み出そうとしているところで映画は終わります。

 

 

それぞれが、自分の道一心に歩んでいく人生と、

京都の街並み屋根瓦が印象に残りました。

当初、山田五十鈴様で企画され、

京マチ子様に落ち着いたというキャスティング

 

 

このお二人、誰かにシフトするならこの人よねえ、なお二人な気が。

今回も、昔の録音の割れた?音で、台詞が聞き取りにくく、

その上、隣の幼稚園の子供たちの元気いっぱいの声

 

 

ますます、台詞が聞き取りづらく、

解ったような解らないような・・・で拝見していて、

それじゃあ勿体ないと、ヘッドフォン大音量でつけてみたら、

台詞が聞き取れました。よかった~。

 

 

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