『11'09''01 September 11(11'09''01/セプテンバー11)』拝見 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

11篇のオムニバス

 

 

サミラ・マフマルバフ(イラン)、クロード・ルルーシュ(フランス)、ユーセフ・シャヒーン(エジプト)

ダニス・タノヴィッチ(ボスニア・ヘルツェビナ)、イドリッサ・ウエドラオゴ(ブルキナファソ)

ケン・ローチ(イギリス)、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(メキシコ)

アモス・ギタイ(イスラエル)、ミーラー・ナーイル(インド)、ショーン・ペン(アメリカ)

今村昌平(日本)の、11名の監督による、「11分9秒01」の作品のオムニバス。2002年。

 

 

9.11、をテーマに、世界中の監督が、それぞれの映像を紡ぎだしています。

個人的に、印象に残ったのは、一作目の、イランの女性監督、サミラ・マフマル監督の、

アメリカと戦争が始まる!と、シェルター?を作るための、煉瓦を、村をあげて、

せっせと作っている住民の中を、女性教師が、「学校に来なさい」と呼んで歩く。

「核爆弾が落ちたら、煉瓦なんて意味ないわ」。

で、ちびっこたちが学校に集まる。

 

 

先生は、9.11の被害者への黙とうを捧げさせようとするが、

子供たちは、そもそも、何が起こったかなんてわかってない。

 

 

煉瓦を作るための井戸を掘るのに、人が二人死んだか、一人は怪我なのかが話題

 

 

先生は、子供たちを、煉瓦を焼く高い煙突の下に連れて行き、

こんな高さのビルだったんだ、と、そこで黙とうを促す。

がたなびき続ける煙突は、まるで、本当に飛行機が激突したビルのよう。

子供たちの、日常会話は、とどまることなく・・・

もう一作、イニャリトウ監督の、直球の一篇。

殆どが、何も映らない真っ暗な画面の中、時折、ビルから飛び降りる人たちの映像が、

テレビを撮影したような荒い映像で映し出される。そして崩れ落ちるビル。

 

 

音声は、世界中の、9.11の時の、報道の声と音楽のみ。

 

 

他にも、息子犯人と間違われる母の話。

 

 

ビン・ラディンを見つけた、と思った少年たちが、懸賞金目的に、つけまわす話。

 

 

同日、エルサレムで起きた、自爆テロ現場から伝えようとする女性アナウンサーが、

「それどころではない」という、放送局の返事が理解できず、レポートを続ける話。

 

 

 

9.11の10倍の被害者が出た、チリでのクーデター後押しをしたのはアメリカ

・・・と、描くのは、ケン・ローチ監督。

今村正平監督は、第二次世界大戦時の話を描いていて、反戦映画でした。

 

 

 

なんといっても、134分に11篇ですので、目まぐるしいです。

その目まぐるしさが、世界中の、さまざまな視点の、

事件の捉え方を物語って居るようでした。

 

 

 

 

 

世界は、それぞれの考え、思想、言い分を持っている。

それが、第3次世界大戦という形にならないことを祈るばかりです。

既に、世界中で、諍い戦争は、続いているのですから・・・