FINの感動
自国日本に於いて、おそらくあと100年くらいは映画なんて駄目だろうよ?な、
終戦前後の昭和天皇にリアルにアプローチし、『太陽』をお見事に撮られた、
アレクサンドル・ソクーロフ監督作品、フランス・ドイツ・オランダ、88分。
ルイ=ド・ドゥ・ランクザン様、ヴィンセント・ネメス様、ベンヤミン・ウッツェラート様他
主となる視点が、第二次世界大戦、ナチスによるフランス占領下。
ルーヴル、ジャック・ジョジャール館長と、ドイツ軍ヴォルフ・メッテルニヒ伯爵の、
狐と狸、蛇とマングース、いや、美術品を守ろうとする姿勢は同じながら、
立場の異なる二人の対比。
ルーヴルに棲まう、
ナポレオン一世とドラクロアの自由の女神マリアンヌという、
フィルターを通しての美術品の数々の存在。
「フランスの文化財産」の美術品の色々とて、
他国から略奪して来たものの集積という面もある皮肉。
じっくり映し出されるミイラ様の印象は強かったあ。
トーンを落とした色調、当時のフィルムを再現するかのような映像。
ソクーロフ監督作品という先入観念もあるかも?ですが、
なかなか面白い作品で、「ドキュメンタリー」とも違う、
独自の世界だと思いました。
そして、感動!超資本主義の現在?12分くらいざらのエンドロールが・・・ない!
「FIN」でがっつり映画が終わる!!!
オープニングも同じくで、最近下手をすると四つくらい見せられる、
長々CGの配給会社ロゴを観なくていい!
これに、相当、感動したみどりです。
あのオープニング、映画の世界に入って行き辛くなるので、
大抵目をつぶってやり過ごしてるからなあ。
昔の、ライオンやら女神やらが、「うちに作品だよ~」と言ってくれてた、
そう大昔でもない時代が、どれだけ懐かしいことか・・・
映画とは関係ない感想かもしれないですが、
これをお見事にやってのけた監督には、愛を捧げる感想であります☆
あ~でも、結構ぼ~っと拝見したんで、レンタル期間内に、
今からもう一度拝見しとこうと思います。
もしかしたら、途中で意識なくしてたかもしれないし?