『Das weiße Band(白いリボン)』(2009) | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

「ネタバレ」とは何ぞや・・・の一本

 

ミヒャエル・ハネケ監督作品、オーストリア・ドイツ・フランス・イタリア、144分

 

 

クリスチャン・フリーデル様、エルンスト・ヤコビ様、レオニー・ベネシュ様

ウルリッヒ・トゥクル様、ブルクハルト・クラウスナー様、ライナー・ボック様他

1913年、第一次世界大戦前年の、ドイツの小村を舞台とした作品。

上記程度の予備知識?のみで拝見したこの映画。

予想全く違うとんでもない展開を観せて下さいました。

今月は、戦争などの人の争いについて考える・・・が根底にあり、

戦争前の何らかの考察が成されるかと思っての拝見。

 

 

 

深い深い所では、そういう面も感じないでもありませんが、

もう、イングマル・ベルイマン監督再び?という感じ。

 

 

水・音楽・無音・子供への聖職者の折檻・・・

しかも、静謐としたモノクロームで描かれるので、

気分はますますベルイマン監督時のような緊迫感

 

 

 

医者が、帰宅時、通り道に仕掛けてあった細い針金で、

落馬して、大けがを負うのを始まりに、

事故?腐った床板から落ちて死亡する者有り、

領主への不満から、そのキャベツ畑をざく切りにしちゃう男有り。

 

 

 

放火事件有り、失明しそうな怪我を負う子有り。

 

 

時間に遅れただけで、で子供を懲罰する神父、

「穢れを知らない人間」になる為、腕に巻かれる白いリボン

妻の生前から愛人関係だった、病院の手伝いも家事もする、

隣のおばさんを、けんもほろろに捨てる医者。

次には、深夜診察室、年端も行かない娘に「何してた!」な行いを。

 

 

手すりの上を歩き、落ちなかったことで、

「神様は僕を殺したくないんだ」という牧師の息子。

てんこ盛りに、様々な出来事が続く。

 

 

 

サラエボ事件が起き、不幸な時代が始まって終わりますが、

この村、前奏曲だけで充分不穏

ネタバレ・・・というか、ネタバレもない。

 

 

「犯人が分かったわ!」と言ったはそのまま行方不明だし。

ベルイマン監督の世界から、デヴッド・リンチ監督の世界へ

 

 

最後の、音楽もない、無音のエンドロールが〆。

絶望感漂うようでいて、いや、そう簡単に解釈していいのか?

な、「解らん」くえない一作。144分でありました・・・

おそらく名作?

 

 

カンヌ、ゴールデングローブ、アカデミー等、受賞ノミネートで総なめ。

「これが理解出来なかったらバカ」という風評でもあったか?

 

 

しかし、うん、確かに「おそらく名作」・・・