命の流れ
クロード・ルルーシュ監督作品。(フランス)185分
お若いリシャール・ボーランジェ様がご出演でらした。
昨日の「コック」から、二連続でお会いしました。
ジョルジュ・ドン様、ロベール・オッセン様、ニコール・ガルシア様、ジェームズ・カーン様、
ジェラルディン・チャップリン様、ダニエル・オルブリフスキ様、ジャン・クロード・ブリアリ様他
「人生には2つか3つのドラマしかない。
しかし、それは何度も繰り返されるのだ。
その度毎に、初めてのような残酷さで。」
と、冒頭にある通りの作品。
第二次世界大戦前夜から、モスクワ、パリ、ベルリン、ニューヨークを拠点に、
主に二代に渡る、4つの家族が描かれていく。
ヘルベルト・フォン・カラヤン様、グレン・ミラー様、ルドルフ・ヌレエフ様、エディット・ピアフ様
といった、有名芸術家がモデルになっている部分も。
幸福、愛、子供、戦争、別離、死別、再会、苦悩・・・人生の色々。
ヒトラーの前で演奏したことで、戦後、反発を受けた点、カラヤン様をモデルとした音楽家が、
すべからく、雑事はすべて美しき愛妻に任せ、芸術に没頭されておられます。
駄菓子菓子、戦時中、パリでの軍楽隊長を務めている時、ちゃっかり浮気してるところや、
グレン・ミラー様をモデルとしたミュージシャンが、愛妻の事故死の後、
あっという間に若くてきれいな方とご再婚・・・というあたりに、浮気者というより、
人間の生命力の強さを感じてしまうのに、初見の公開時での拝見から、
自分も歳をとったなあ~と、妙な感慨を覚えました。
過酷な戦争という状況の中、親を無くしたり、生き別れたり、自分が知らない子供が生まれていたり。
その家族たちの友人たちを含め、多くの人の人生が絡み合い、
ラスト、エッフェル塔を中心に行われる、1981年ユニセフ・チャリティ・コンサートに、
それぞれの時間が集結していく。
冒頭に掲げられた言葉が、ちょうど、そのコンサートを挟んだくらいの時期を生きて来た自分に、
今、また、世界中がきな臭くなっている状態を想わせられました。
「あの戦いでどれだけのものが失われたか」という悔いの時代に育ちながら、
「正しいことの為には戦いも必要」という時代に立ち返る運命を生きることになるのでしょうか。
長い時間を間に、久々に再見する1981年の映画、感じるものは多かったです。
つかの間の恵まれた時代に、人生の多くを過ごすことが出来たのかもしれない。
それにしても、何度拝見しても、ジョルジュ・ドン様のボレロは圧巻・・・
踊りだけを拝見すると、女性が踊られるのが割と好きなのですが、
この映画は、もう、特別ですね。ドン様ありき。