前記事の映画の後だけに
1998年、ゲイリー・ロス監督作品。(アメリカ)
トビー・マクグワイア様&リース・ウィザースプーン様という、
ある種強烈な双子の高校生。
兄は50年代の白黒テレビドラマにハマって、トリビア万全なオタク。
妹は、見た目と恋が全て~な、アーパー娘。
この二人が、チャンネル争いの結果、兄の好きなドラマの中に取り込まれちゃう。
何もかもが絵に描いたような、作り物アットホーム。モノクロームの世界。
パパはウィリアム・H・メイシー様、ママはジョアン・アレン様という間違いなさで、
50年代の「理想ハッピー家庭」を演じて下さる。
脚本通りに動いてる「登場人物」たちだから、自分から感情を持って行動してはいない。
そこへ異分子の双子が入り込んでしまうのだから、それこそ「異色」。
ふたりと関わるうちに、街の人々の中に「自分の感情」が芽生える。
それは、恋であったり、創作意欲だったり。
妹が、うろ覚えの本の内容を話した事から、中は全部白紙だった図書館の本が、
全部、本物の本に変わり、図書館に人が殺到する。
妹自身も、始めて最後まで本をちゃんと読んだと「チャタレイ夫人の恋人」読破。
モノクロームの世界は、目覚めてしまった所から、カラーへと変化していく。
最後には、オールカラー。
お兄ちゃんは元の世界に戻れ、
「き~っ!やってらんないわ」だった妹は、ちゃっかりその世界に馴染んで、
「こっちの世界でないと、大学なんて行けないと思うから」って残っちゃう。逞しい。
ジャンルでいえば、ファンタジー映画なんですが、
異分子を排除しようと、暴動や焚書、集会が行われるあたり、
昨日からの流れで、ニンゲンの集団の怖さも感じる一編でありました。
+1枚は、鮮やかに赤くなる、最初の一輪の薔薇を。