主題曲の強力さ
1963年、アンリ・ヴェルヌイユ監督作品のおフランス映画。
ジャン・ギャバン御大がアラン・ドロン様を従え、カジノ強盗を。
全体に流れ続ける、ミシェル・マーニュ様の主題曲の様々なアレンジ。
あのメロディが、映画の内容すべてを象徴しているよう。
練りに練られた、カンヌのカジノの地下金庫の強奪作戦。
高級ホテルに泊まりこみ、常連として自然な存在になる所から始めるプラン。
安物は身に着けるな、と、ギャバン御大がドロン様をにわか仕立ての金持ちに仕立てる。
ギャバン様も、運転手付きロールスに乗るもんね。準備万端。
計画も、ほぼ、予定通りに。昔懐かしの強盗です☆ハイテク、ないもんね☆
それにしても、計画上、ドロン様がひっかける踊り子も、
バーカウンターで話をする、裏では売春をしているマダムも、
しっかり見抜くもんね。「品がない男」。ドロン様の持ち味ですね。
「太陽がいっぱい」なんて、それで大成功。
モーリス・ロネ様は主役を獲られた形だったけど、ロネ様ならお金持ちの坊、自然。
真のエレガンスとか、気品が似合わない所が、お若くお顔が綺麗なドロン様の、
おフランス、フィルム・ノワールに、ぴったりはまる所ね。(今もってのはどうかと思うが。)
「味」は周囲のおフランス~な面々が担当。
あの、いぶし銀ジャン・ギャバン様。お声からしてずしんと迫力。ああいう方々ですね。
ラストシーンのプールサイド、新聞を手に、ギャバン様がオーダーされるのがカフェオレ。
ちゃんと、自分で入れられるように、セットされてくるんだあ。プールサイドでも。流石カンヌ。
そして、あの音楽は、この場面の為にあるのね♪という、最後のショット。
もうもう、完璧な作品。しかし、今回DVD、二枚入りで、カラー版がもう一枚。
あの映画、白と黒のシャープさが美しいし、サスペンスを盛り上げるのにカラー?着色?
それでも、冒頭だけ拝見して5分でめげました。
白黒に写真を焼いても美しいカラー作品は、本当に、素晴らしいフィルムと思うけど、
白黒で完成された映画を、着色?にしても、安くなるだけですなあ。
陰影の良さが失われるもの。
+は2枚、お二人それぞれの撮影場面を。