待望のカトリーヌ・フロ様新作拝見・「偉大なるマルグリット」 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
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ズレた歌姫の偉大なる人生

 

2015年、Xavier Giannoli(グザヴィエ・ジャノリ)監督作品、

「MARGUERITE (偉大なるマルグリット)」

 

 

DVD発売により、ようやく拝見。

昨年出会い、みどりのマドンナのお一人となられた、

Catherine Frot(カトリーヌ・フロ)様主演で、1920年代、おフランスの貴族夫人役。

 

 

サロン音楽会を自宅の館で催す所から始まります。

音楽愛好家ってことは、いいパトロネスでもあるんですね。

 

 

しかし、音楽会は好調に進むのに、待てども夫が帰って来ない。

 

 

 

 

そして、いよいよクライマックス。マダム、マルグリットが「夜の女王のアリア」を。

 

 

車の故障をねつ造し、遅れて帰ったAndre Marcon(アンドレ・マルコン)様扮する夫。

拍手ぎりぎりに到着。マナーに即し、お作法拍手の渦、マルグリットの笑顔。

いやはや、この夫人、本人だけが知らない、周知の見事な音痴なのだ。

 

 

ここら辺までが情報として知っていた本作。

全編を観終えて、想像では、フロ様お似合の軽快なコメディかと思ってました。

しかし、かなり違ってました。いや、コメディ的要素はセンス良くちりばめられていますが。

夫は、妻の友人と浮気中。

 

 

妻は、人前で唄う幸福に目覚めてしまい、

遂には、パリの劇場にてリサイタルを開く決意を。

 

 

 

プロの歌手等が雇われ、特訓開始。

 

 

 

 

人柄で、使用人たちにも愛されているマルグリット。

 

 

困ったと思いながら温かく見守る人達あり、

心の中であざ笑いながら見ている人達あり・・・

運転手から、奥様の趣味のオペラコスプレ写真の撮影などこなす

Denis Mpunga(デニス・ムプンガ)様扮するスーパー召使が、

写真を現像しながら、愛情と痛みを心に秘める場面はこちらも心が痛みます。

 

 

ある日、ふと夫の机の引き出しを開けたマダム、プレゼントの箱発見。

こっそり開けた中には美しい赤いスカーフが。纏ってポーズをとるマダム。

そして、ある夜目にするのは、そのスカーフを身に着けた友人と夫の姿。

それは、夫から彼女へのお別れのプレゼント。

 

 

特訓の日々の後、迎えるリサイタル。

 

 

 

嗚呼・・・特訓はしたものの・・・でも少しはまし?

 

 

唄い始めてすぐに、痛めた喉が極限に至って舞台に倒れるマルグリット。

そのまま入院、喉の出血は収まるけれど、精神的な病に。

治療の一環として、医師は、マルグリットの歌唱を蓄音機に録音し、

自分の声を直に聴かせることを決定する。

 

 

それをやめさせようと、車を走らせる夫。いつもは、自分で故障した振りする場所で、

車が本当に火を噴いてしまう。

結婚を決め、仕事を辞めると決めたスーパー召使が、

病院で即席に用意されたステージでマダムに扇を渡し、最後のカメラを設置。

 

 

蓄音機に針がおろされる。始めて自分の声を聴くマルグリット。

ヒッチハイクでようやく駆けつける夫。

倒れるマルグリット、抱きとめる夫、切られるシャッターが捕えたのは、

夫婦の「ピエタ」のような姿・・・ 

想像していたジャンルの作品ではないあたり、よくあるマーケティングとのズレ。

 

 

複雑な気持ちで拝見出来て、心に残る一作でした。

庭で飼っている孔雀についてのマルグリットの話、孔雀は彼女かもしれない。

 

 

 

同じ実在の人物から着想を得た、あちらはもっと伝記的な作品が、

アメリカではメリル・ストリープ様×ヒュー・グラント様で、

制作されたから、そちらも拝見してみたいものです。

 

 

 

本物のご本人の録音は、何と、本物はデヴィッド・ボウイ様が

「お気に入りのアルバム 25選」に選んでらっしゃる!

音の外し方の微妙さはおフランス版の方がプロフェッショナル?

しかし・・・「偉大なるマルグリット」舞台化、三田佳子様!!!???

 

 

こ・・・これは・・・いや「Wの悲劇」は好きでしたが・・・ね☆

 

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