「夢」の存在だけを許した人生「エンジェル」 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。


完全主義者?オゾン監督の、英国映画?


日本人監督が、フランスで撮影した映画を拝見したばかり。
今度は、その「おフランス」の現代の「巨匠」?
2007年、Francois Ozon(フランソワ・オゾン)監督が、
英国で、実在した女流作家をモデルとした、
英語の作品を拝見いたしました。


フランスと英国と言うのが、また、相いれないという話も、
最近したばかりで、あの「オゾン節」のオゾン監督の英国?と、
びっくりしましたが、お国柄と言うより、キャラクターが、
いやはやびっくりな、見たことないタイプの映画?
以外にもハマっていたという、驚きの作品でありました。


1900年代初頭の英国を舞台に、食料品店の娘だった少女の時から、
自分がこうと決めた事のみを「真実」として生き、
発行人の「シャンパンは栓抜きでは開けないんです」という、
エレガントな?校正も、すべて却下。
私の描く世界は、一字一句、変えません!


そんなエンジェルの夢の脳内世界のロマンス小説がバカ売れ。
望み通りに、全てを自分内創造で描いた小説で成功する、エンジェル。




少女時代に「自分の家はこういう家」と、見ていた、
豪邸、「パラダイス」が、売りに出されていることを知り購入。


作文で書いた「私の家」の通り、玄関には孔雀さんが~。
趣味はハープよ~。




エンジェルを崇拝し、秘書となる
ノラの、美しい兄に一目惚れ。








暗い絵を描く
エスメに、ハーレク*ンなエンジェルがずかっと乗り込み、
自分主導で、結婚までしちゃう。






あまりの強引な魅力に、自己中エスメすらが、巻き込まれるって勢い?




手前勝手っていうと、ニンゲンなんて皆そうかもしれないけど、
エンジェルのそれは、素晴らしく突き抜けてて、唖然と見てるしかないですわ。







戦争が起きようが、なんだろうが、エンジェルの世界は変わらない。


彼女を取り巻く世界がどう変化しようと。
エスメは、戦争の休暇に、家に帰らず他の女性の元へ。





やがて、戦地で片足を失った後、自殺・・・
夫のこれ程の変化にも、我を貫き続けるしか、生き方のいない女性。



エンジェルが、エスメにひた隠しにしていた、留守中の流産。
皮肉なことに、「パラダイス」にかつて住んでいた少女が、
エスメの浮気相手で、彼女は、エスメを彷彿とさせる息子を生んでいる。
命の灯が消えていくエンジェル。


彼女の墓の前で、発行人のセオ・ギルブライトは、ノラに、
エンジェルの伝記を書くように勧める・・・
エンジェルにRomola Garai(ロモーラ・ガライ)様、
エスメにMichael Fassbender(マイケル・ファスベンダー)様。


でもって、発行人の夫妻、夫にSam Neill(サム・ニール)様、
妻、ハーマイオニーにCharlotte Rampling(シャーロット・ランプリング)様。
現実を一切受け付けない、自画自賛、我が道を行くエンジェルを、
温かく見守り続けるセオ、「ピアノ・レッスン」で、
妻ホリー・ハンター様を、ハーヴェイ・カイテル様に寝取られた、
そんな哀しい旦那さんから、
ランプリング様と、
見事に釣り合う、大人~な、ジェントルマンにおなりであります。




彼女の未熟な安っぽさを軽蔑しつつ、
そんなエンジェルを、嫌いではない、というハーマイオニー。




ハーマイオニーの視点が、「ああ~、解るわあ、このあほんだら」と思いつつ、
妙な磁力があるから、嫌いきれず、否定しきれないその気持ち。
気持だけエンジェルに似てる人を、かつて知ってました。


彼女と似てる~!!!!と、特に成功するまでのエンジェル、被ったあ。
女優さんの目が、見つめている「現実」も、すべて「望む姿」でしかない、
そんな瞳が、強烈で、目を背けたいようで、見てしまう。
そんな人だったな・・・彼女も。(過去形なだけに、今はお付き合いない。)
しかし、ヒトのことをとやかく言う前に、エンジェル、
大型犬を溺愛し、にゃんこたちに囲まれて生活してる。


彼らとは、つうかあの仲?って・・・え?そこだけ私も同じか???
エスメはいなかったけど。
成功もしなかったけど。


って、混濁したような記事になっちゃいました。
いやはや、「こんな映画観たことない」な一作。
オゾン監督って、のっけが「駄目だあ」の出会いだったんですけど、
あの若さゆえの美意識の追求しすぎ?の肩の力が、上手いこと抜けられた?




エンジェルが車に乗ったり、ハネムーンでベニスにてゴンドラに乗ったり、
そんな場面の背景が、お見事に「はめ込み」影像。




全てを手にしながら、それは、現実ではない主人公を現わしていて、
切なかったことですわ。


モデルとなった作家さんの作品には興味ないけど、
ノラなる人物が書いた伝記があるなら、読んでみたい気がしました。
↑ これは解らなかったけど、モデルとなったお方を調べてびっくり、
前言撤回。お作に興味が・・・「マリー・コレリ様」←詳しくは?こちらにて


2007年、Francois Ozon(フランソワ・オゾン)監督作品、
イギリス、ベルギー、フランス制作国、「ANGEL(エンジェル)」


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