2015年5月30日記事
品のよいセンスの良さと知性、そして苦痛
ブログをしてなかったら、「The Pink Panther(ピンクの豹)(1963年)の、
クルーゾー警部の奥さん・・・という、知識と、たまに目にする、
知的美女のお写真のイメージしかなかったかもしれない・・・
Capucine(キャプシーヌ)様、1928年1月6日~1990年3月17日、享年62歳。
この2枚のお写真、キャプシーヌ様の少し柔らかいお顔が好きで、巻頭に載せさせて頂きました。
プライベートのお姿を垣間見るようなスナップ。
花の位置を変えただけの4枚のお写真の印象深さ。
皆さまはどのキャプシーヌ様がお好きでしょう。
プライバシーをあまり語らないお方で、マスコミに対しても、正直に攻撃的な言葉を、
口にされていらしたかたのようです。「アメリカの男性は、アメリカの女性をスポイルしている」
という主張は有名なようで、時代的にも反感を買い、女優として、好調なスタートだったのが、
ハリウッドでの活躍の難しさから、ヨーロッパと行ったり来たりと、困難なものが。
初期のマリリン様に同じことが起きたように、強力な後ろ盾だった方の急逝も痛手となり、
最終的には、ハリウッドを去ることに。
見た目、キャラクター、人生、まるで違うお三方。
キャプシーヌ様、ロミー・シュナイダー様、マリリン・モンロー様に「人生」の共通点を、
何処かしら感じるみどりです。そして、このお三人、ちょっとづつ関わりがある。
モデルをされていらした、キャプシーヌ様を、ハリウッドにスカウトした、上記、後援者。
プロデューサーのチャールズ・フェルドマン様のヒット作に、「七年目の浮気」が。
キャプシーヌ様を呼び寄せ、自宅に住まわせた時、奥様は、離婚はせずに、
荷物を纏めてニューヨークへ去られ、その後の女主人役はキャプシーヌ様が勤められてます。
キャプシーヌ様と共演男優とが恋仲になることを避けるために、フェルドナン様、共演役は、
海外から呼びたがったようですが、1960年「Song Without End(わが恋は終りぬ)」で、
いきなり、Derek Bogaerde(ダーク・ボガード)様と恋に落ちてしまわれる。
で、ボガード様は、次作でローマに撮影で追い払われてしまわれた。
自伝に「結婚することを望んだ唯一の女性」と記しておられます。
1962年から所有され、終の棲家となられた、スイス、ローザンヌの高級アパートメントも、
フェルドマン様のプレゼント。親友のオードリー・ヘップバーン様も居住していた時期がある、
アパートメント。ダーク・ボガート様が訪れたことはないとご本人が名言してますが、
交際していらしたと言われるWilliam Holden(ウィリアム・ホールデン)様は、
エレベーターで、オードリー様と何度か遭遇されておられるそうで、映画みたいなお話。
1965年にオードリー様が最終的にご購入されたご自宅も、20㎞ほどしか離れておらず、
70年代、80年代と、キャプシーヌ様、週に2回は、オードリー様の所へ通われてらしたとか。
マスコミに嫌われた、知的美女。レズビアン説、トランスセクシャル説が根強く語られたり、
同時代に、同じ名前のゲイ・ダンサーがいらしたための、混合と言われたり・・・
それにしても、ご本人にそういう噂、彼氏は、ダーク・ボガート様、ウィリアム・ホールデン様・・・
というと、「う~ん、バイセクシャル仲間?」と思ってしまったりもせんでもない。
ホールデン様は、ご遺産も、交際があった女優さん達に遺贈しておられ、
キャプシーヌ様、その三名のお一人。
正直であったことで、映画界から嫌われ、悲劇的な人生を送られた女優さんに、
1930年代~40年代に活躍された、フランシス・ファーマー様がおられますが、
この方の場合、いや、自己主張と我儘は違わないか?という、疑問もないでもない。
しかし、その結果としての人間関係の破たんからの薬物中毒の治療、という名目で、
強制収容された、精神医療施設での出来事は、看護人による性的暴行、
ネズミにかじられたり、腐った食べ物を食べさせられる環境、冷水風呂療法での、
溺れかける事故、立て続けのインシュリン投与や電気ショック療法、
近隣にあった、軍事施設の軍人への売春強要・・・等が、生き延び、本人が語られています。
何を言っても、若くして失ったキャリアは取り戻せない。
時代が過ぎ、やはり強制収容された、マリリン・モンロー様は、何とか、病院を出たいという、
悲痛なまでの外部への働きかけで、退院出来たものの、精神分析への依存は変わらず、
大量の薬物への中毒は彼女を死に追いやった。
重度の鬱症を長く患い、8階から投身自殺を遂げられたキャプシーヌ様。
この方の苦しみが、どのようなものであったのか、最期に何を考えられたのか、
知る由もありません。62歳。その先の時間への希望も夢もなくされての死?
ロミー・シュナイダー様の死は、自殺か同課は解りません。
空になったバルビツールの瓶とワインの空瓶が残されただけ。
モンロー様と同じく、確実な自殺ではなくとも、死を遠ざけない、緩慢な自殺のような気も。
それほどの苦しみある人生。でも、キャプシーヌ様の毅然とした美しさは揺るがない。
命を賭けるほどに「キャプシーヌ(キンレンカ)」は咲き誇った。