夜なき夜115・「白痴」「北の蛍」(追加有) | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

雪です寒いです


冬になり、むち打ちが辛いみどり。 

でも、どうしても行かねばならない所があり、

延ばし延ばししてても、温かくなるわけでもないし・・・と、本日出かけました。

・・・ら、「えええええええええっ!?」の、いきなりの大雪。

タクシーさんで、一応、行っては来れたものの、「行った」「帰った」でした。



頭の中には、この、原節子様が雪景色に佇まれるお姿と、

年末、紅白歌合戦で、ホラー映画みたいなお顔(ボトックス?)になっちゃった、

森進一様の名曲「北の蛍」がぐるんぐるん。 




1951年、黒澤明監督作品「白痴」。 

カット前の完成作品の上映時間4時間25分・・・を松竹様がまずは3時間2分に切っちゃった。

しかし、封切ったものの不評(信じられん~、しかし、常識外の上映時間ではある)で、

遂に、2時間46分にまで短縮。

黒澤監督、「これ以上切りたければ、フィルムを縦に切れ!」と激怒されたそうであります。



以前も記事にしようとしたけれど、写真があまりない。

「蜘蛛の巣城」(1957年)と並び、茫然として拝見した黒澤監督作品なのになあ。

邦画はだいたい、写真が集めにくいけれど。 





とにかく、小津安二郎監督作品のイメージが強かったので、

この映画での、ファムファタール的原節子様にはびっくりしました。

元々、ごっつい?いや、洋風?なお顔立ちでらっしゃるから、

ドストエフスキー原作の、黒澤明監督が描き出す、どこか無国籍さを孕んだ風景に、

とても映えていらっしゃった。久我美子様、のお嬢さまだけど意志が強いところもよかったし、

三船敏郎様、森雅之様の狂気に陥って行かれる様も圧倒的。 



ドストエフスキーだしなあ。実際に拝見したら、一気には見通せないかもしれない。

いや、確実に寝るような気がする、4時間25分のオリジナル全長版。

どうやら、1本だけ、「個人」所蔵で現存しているらしい。 

色々と、問題が存在するようで、黒澤プロですら、そこらへんに触れられたくないそうな。

いやはや、駄目な国です、日本。文化財として、国が保存に動かないと。



映画館から「フィルム」が消え去ろうとしている今、この時を逃したら、永遠に闇の中だわあ。

100%、そうなるでしょうけどね。もったいないというか、哀しいというか。

一旦、記事をアップした後、海外版のタイトルを発見することが出来ました。

そうしたら、写真が見つけられる・・・ってのも、自国文化なのに・・・ 





↑ クリッックしてご覧頂けたら、動画になります。



海外版のタイトルが解れば、後は根気次第で、鮮明な写真が、かなり見つけられます。

それだけ多くの方々が、作品を大切に愛して下さっているのが、有難い。 




それでも、今回、冬祭りの場面の写真が見つからなかったのが残念。

すさまじい映像美の場面でしたので。







あ~、もう、日本の文化遺産でも、アメリカに管理して頂いた方がいいのでは? 

と思えてきてしまいます。オリジナル版!今なら現存する!しかし、1本だけだぞ!

フィルムは劣化するんだぞ!?




日本では「持ち出し拒否」の、このマントの場面も、あちらでは、これだけ鮮明な写真が、

公開されていました。




1984年、五社英夫監督作品「北の蛍」。 

こちらは、北海道の開拓時代を舞台としていて、「白痴」よりもっと寒い風景が広がってます。




「鬼龍院花子の生涯」と同じく、岩下志麻様、仲代達也様というど迫力ペアに、

ナレーションが夏目雅子様・・・な割に、こちらも、フィルム現存しとるんか、おいっ、

という程、拝見するチャンスがないなあ・・・




森進一様の歌われる、切なくともスケールの大きい主題歌はYouTubeで拝見できます。



家の中に居て、エアコンをつけていても、手がかじかむ今日。 

(節電?いや、貧乏の為、設定温度が低いだけの事ともいう。)

皆様、北国の、「寒い」映画はいかがでしょうか?


おまけ:寒い邦画「ハチ公物語」(1984年)



同じく仲代達也様主演。

天の日も雪の日も、教授を迎えに行くハチ公様。


おまけ2:寒い邦画「雪国」(1957年)   



島村と駒子に、池辺良様と渡仏前の岸恵子様。

岸恵子様が、「もし、池辺さんに口説かれていたら、フランスへ行かなかったと思う」

・・・みたいなことをお書きになられてましたね。


おまけ:3寒い邦画「八甲田山」(1977年) 



高倉健様、緒方拳様、丹波哲郎様、三国連太郎様・・・亡き昭和の名優の方々が、

実際に凍えつつの、実話が如きロケーション展開。しかし、未見。 

↓ で記事にさせて頂いた時、で、結局テーマは何なんだろうか?と気になる作品。

http://ameblo.jp/irusutyuu/entry-11517077211.html

今、リメイクしたら、オールCG、アナ雪でしょうね。


先日の「ドクトル・ジバゴ」どうも、そうでしたが、寒すぎると、映画を想い出して逃避している私?

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