再掲・第三百六十八夜・「老い」の美 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
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2014年8月6日記事

今日、ちょうど『ジュリア』を再見しました。

 

 

 

バネッサ・レッドグレーヴ様、出番こそ少なかれ、お美しかったです。

 

 

メリル・ストリープ様の映画初出演でらしたんですね。素晴らしい作品でデビュー。

 

 

 

 

バネッサ様、記事内にあるジュディ・デンチ様とのコンビ、いつも素敵。

 

それぞれの美、時間

 

過ぎ行く時間を受け止め、美しく老いるということ。

それは、個人個人の考え方、人生によって、

目指すところも、現れるところも千差万別でしょう。

日本人の場合、お化粧教室で「どんな風なメイクがいいですか」と、

先生が質問すると、大多数が「若く見られたい」とお答えになるようです。

今、読んで下さっておられる方々は、どんな風にお答えでしょう?

主役級の女優さんで、映画界に生き残られる方の「老い」、

ほんの数名ですが、拝見させて頂きました。

 

 

Katharine Hepburn(キャサリン・ヘップバーン)様、

1907年5月12日~2003年6月29日、享年96歳。 



 

あ~、この方の場合、「老い」がどうのこうのというような些細な事?どうでもいい?

強烈な自我の赴くままに、生命力漲る、「私の道」を、

自然以外の何物でもなく、走りきられた美しさ。


 

Maggie Smithe(マギー・スミス)様、1934年12月28日~、現在79歳。

女優さんですし、元々お綺麗ですが、このお方のセンスの良さ、

年齢を重ねられるごとに、華やかさが増され、輝かれておられる気がします。 




 

このおばあちゃまぶりのかっこいいこと!!!

 

「The Best Exotic Marigold Hotel(マリーゴールド・ホテルで会いましょう)」(2012年)、

「余生」という時期に向かおうとしている人々の、お伽噺のようなお話で、

マギー・スミス様と、東西横綱でご出演?だった、

Judi Dench(ジュディ・デンチ)様、1934年12月9日~で、同じく現在79歳。 




 

この方の大活躍になると、歳降るごとに高騰しているような。

ご病気で、マリーゴールドあたりから、ご自分の視力でシナリオが読めない・・・

なんて、とても感じ取らせない気迫。

まだまだ、レッドカーペットのご常連。


 

Catherine Deneuve(カトリーヌ・ドヌーヴ)様、1943年10月22日~、現在70歳。

このお方の「老い」方は、この方ならでは?で、また、素敵。

お若い頃は、美しいと同時に、凍るような研ぎ澄まされた孤高感がおありだった気が。 


 

その陰の部分が、美しさを彩っていたのが、「インドシナ」あたりからか、

だんだんと、研ぎ澄まされた隙の無さから、好奇心旺盛な精力さに変化、  

人生の楽しさが発散される、拝見していて楽しい「老い」を展開して下さっておられる。

 

だいたい、役者という仕事につかれるような方々は、エネルギッシュなタイプが、

大多数だとは思います。それにしても、ドヌーヴ様の、楽しいおばあちゃまぶりは素敵。

 

 

Vivien Leigh(ヴィヴィアン・リー)様、1913年11月5日~1967年7月8日、享年53歳。

あまりに早いご逝去でらっしゃったので、「老い」と言うには早いご年齢・・・

絶世の美女とはこういう方を指して語られるのかという、美しさ。 



 

・・・なのですが、私、この方、激しい人生を、正気をなくすほどに苦しまれた、

その苦悩を越えた、晩年の和らいだ表情の美しさがとても好きです。


 

Marlene Dietrich(マレーネ・ディートリッヒ)様、

1901年12月27日~1992年5月6日、享年90歳。

老いの足音と共にご引退されたガルボ様とは違い、

映画界から、コンサート活動へと活動を移しつつ、

公で活躍できるぎりぎりまで、「マレーネ」でいらしたお方。 



 

このお方も、映画界が作り上げた驚異的な美しさを、ご自分の個性としながら、

信念を貫く人生が放つ美しさで、老いることをも美しく表現しきって、

「マレーネ」であり続けられる限り、歳々の美しさを拝見させて下さった。


 

 

Vanessa Redgrave(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)様、1937年1月30日~、現在77歳。

「老い」そのものが美しい。持って生まれたセンスの良さが、 

年齢と共に、皺のひとつまでかっこよさに。



 

惚れ惚れする老いっぷり。

 

草笛 光子様、1933年10月22日~、現在80歳。

日本のヴァネッサ様とたとえられることが可能なお方はこの方?

「ありがとう」など、バイプレーヤーでご出演されていらしても、

そのセンスの良さは、すごいなあ、かっこいいなあ・・・と思ったものでした。 




 

年月を重ねられるにつれ、ますますかっこよくなられ、ため息。

 

佐久間 良子様、1939年2月24日~、現在75歳。  

面白いことに、このお方の老い方というのが、誠に順当な感じ。




 

年齢、経験と共に、花開いていかれ、「やっぱり女優さんだから、お綺麗ね」  

・・・というあたりに落ち着かれておられる。ある意味、極めて人間的? 

 

その佐久間様と並ばれたこのお方。

 

山田 五十鈴様、1917年2月5日~2012年7月9日、享年95歳。

こちらは、佐久間様とは真反対?年齢なんて、あって無きが如く、 

生涯、金太郎飴状態「山田五十鈴」様の美しさ。

 

 

これ程に平安朝のあのお化粧が似合うお方は限られる。

そんな日本美人の高い高い山脈。  

美の上に「芸」が作り上げた、追随を許さないこの方ならではの美しさ。

 

岸 惠子様、1932年8月11日~、あと数日で82歳。

このお方も、ある意味金太郎飴。五十鈴様が「芸」ならば、  

岸様は「プライド」の美?



 

この、外巻きカールと独自の口紅のひき方のメイクは、驚くほど普遍。 

時代も年齢も関係ない、有無を言わせぬ「岸恵子」という生き方。

 

Susan Sarandon(スーザン・サランドン)様、1946年10月4日~現在67歳。

このお方も金太郎飴。というか、始めから年齢不詳のまま、ずっと年齢不詳?

近々、我が家の近所の、老舗映画館が幕を閉じますが、

その最終上映が「ロッキー・ボラー・ショー」。既に「歴史」?



 

ウォルター・マッソー様から、真田広之様まで、相手役が移り変われど、がっつり「女優」。

派手とか、超美人とかとは違う気がするんですが、この自然に老いてはいるが、

基本変わらない加減は、バケモノ級?さすが「ロッキー・ホラー・ショー」。


 

Dominique Sanda(ドミニク・サンダ)様。 

「ほ~ら、知的でしょ、美しいでしょ?私」と言われても「はは~っ」というしかないような美人。



 

心底美人の場合、本気でプライドのある「美しい老い方」とは、

その年齢ごとに、年齢に適した美しさである事ではないか?と考えさせられる、

サンダ様の老い方。


 

女優さんの老いの話になると、「あんな魔女みたいになっちゃって」と、よく言われる、

Brigitte Bardot(ブリジット・バルドー)様、1934年9月28日~、現在79歳。

確かに、アメリカのM.M様に対してB.B様と崇められたコケティッシュさは、

とんでもないくらい可愛い。


 

しかし、M.M様と違って、人生、わが道を満喫するお方。

どんな方向へ行っても、過激に刺激的。 




お化粧がきつすぎる時は確かに、魔女っぽいけど、骨格的に、まあナチュラルかなあ?

人生で一番「綺麗」とか「可愛い」とか言われた時の、

お化粧やファッションを引きずると、痛いことになることがあるんですよね。

プーチン大統領とも仲良しさんだそうで、「獰猛」なタイプがお好き???

ゴールインとかして下さったら楽しいんですが、プー様?

 

Olivia Hussey(オリヴィア・ハッセー)様、1951年4月17日~、現在63歳。 

「薔薇はどんな名で呼ぼうと薔薇」から、「君は薔薇より美しい」まで・・・



Olivia Hussey

 

「マザー・テレサ」キャンペーンでご来日された折、あ、かっこよく老化されてる、

と思って、今回、お写真探させて頂きました。そうしたら、「髪形が変わらない人」だった。

髪形を絶対に変えない人って、ちょっと難しい所がある気がしますけど、

言葉を変えて言うと、「信念」とも?いやあ、五輪真弓様でも、お切りになられたけどなあ。


 

お名前が出たので、五輪 真弓様、急きょ追加。1951年1月24日~、現在63歳。

おお、ご年齢もオリビア様と同じでいらっしゃるではありませんか。 



 

うん、この位の柔軟性が欲しいかな?超ロングは、ある程度の年齢になると痛さがあるし。

その人なりの、時間の受け止め方を感じる、五輪様のジャケット3枚でした。


Bette Davis

 

Bette Davis(ベティ・デイヴィス)様、1908年4月5日~1989年10月6日、享年81歳。

冒頭がキャサリン・ヘップバーン様、中盤にディートリッヒ様となると、ラストに、 

負けないお方というと、限られる。


 

男性の、歳を取ったら、中身がストレートに出るというのもしんどい。

しかし、ベティ様のお顔を拝見させて頂いていると、結局、女性も同じなのね、です。

「女優」というと、やはり若さの美しさが求められやすいですが、

それを乗り越えて、役者として残っていく方々は、「自身」であることで、

勝負出来る方々で、それこそが「美」なのではないでしょうか。