再掲・第二百六十九夜・『黒い瞳』 | 時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

2012年12月24日記事

 

 

封切の時に映画館で拝見したのに、

その映画館は遠い昔になくなり、

マルチェロ様もお亡くなりになり・・・

「帰って来るよ」という台詞はそのまま本当に。

大好きな映画がいっぱいのマルチェロ様の映画の中でも、

5本の指に入る一作?

 

 

ロシアの霧・帰って来ない男


時は止まる君は美しい

 

雪になるか?ともいわれたものの、寒いながら晴れたイヴ。

それにしても、クリスマス、何故「イヴ」で完結しちゃう感じなのか?

本番は25日ですよね?産後のマリア様に、

ゆっくりお休みいただく為か???

時は止まる君は美しい

 

昨夜、友人宅の豪華クリスマスパーティに呼んでもらい、

今日は、休日、昔録画してあったDVDで映画を観ました。

当時の画面サイズなのでワイドで無いのが残念な所。

しかし、それもまた「懐かしい」?

時は止まる君は美しい


時は止まる君は美しい

 

1987年、ニキータ・ミハルコフ監督作品『Oci Ciornie(黒い瞳)』

原作は、アントン・チェーホフの様の短編小説。


時は止まる君は美しい


時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

 

マルチェロ・マストロヤンニ様、エレナ・ソフォーノワ様、

シルヴァーナ・マンガーノ様、マルト・ケラー様ご出演。


時は止まる君は美しい

 

新婚旅行の船旅に来た初老の男性が、喉が渇いて食堂へ。

そこにいた男と坐り込み、話をくことになる。

 


 

お金持ちの妻と結婚して、子供にも恵まれ、

「道化は一生道化、金持ちの妻がいて良かったよ」

母の辛辣な言葉も、母娘には冗談になっている。

 


贅沢な「中村主水」?



時は止まる君は美しい

 

「ベニスに死す」のような上流階級夫人の優雅な衣装の、

シルヴァーナ・マンガーノ様。しかし、監督が違うと、

描かれるニュアンスは見事に違う。

神格化された母、女神から、生き、笑い、悩む「妻」へ。




 

一家の家計が窮地に陥っている事を知らないまま湯治場に赴く男。

そこで出会う、ロシア人の「仔犬を連れた奥さん」。

時は止まる君は美しい


時は止まる君は美しい

 

仔犬が寝ている部屋での奥さんとの情事。


時は止まる君は美しい


 

夢のような時間。


時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい


時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

そして、置き手紙を遺して去る「奥さん」。
口実を設けて、仕事としてロシアへと向かう男。

情事は、恋になっている。


時は止まる君は美しい

 


時は止まる君は美しい

 

「奥さん」を追い求めて行ったロシア。

再会した子犬は、男を覚えている。




 

もう、離れない。


時は止まる君は美しい


 

「すぐに帰って来るよ」と、男の声が響く広い広い荒野

 

幸福な時間。「すぐに帰って来るよ」

 

時は止まる君は美しい

 

「それでどうなったのだね」という、新婚旅行の男の問い。


 

帰宅したら倒産していた家。家の整理をしていて、

ロシア語で内容は解らないけれど、香水の香りがする

「奥さん」の手紙を見つけた妻の「本当のことを話して」

妻と別れる為に帰って来た男が妻を見つめる。

 

 

 

「何もあるわけないじゃないか」。妻が土産の中に見つけた、

ロシアのレコードの曲に合わせて、おどけて踊る男。


時は止まる君は美しい

 

「忘れたよ、彼女も忘れているよ、

あれからもう、何年もたつ。犬も死んだだろう。そんなものさ人生は」

「そんなことはない。私はずっと妻に何度もプロポーズし続けて来た。

妻はやっと承諾してくれた。愛してはいないが貞節は守ると。

そんな屈辱的な結婚でも私は幸せだ。平凡なつまらない男だが」

どちらの男の目も哀しい真剣さをたたえている。

「私にあるのは、母が歌ってくれた子守唄と、

初夜が明けた朝の妻の顔と、ロシアの霧だけだ」


時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

 

話しは、そのまま男たちの心の中にしまい込まれるのかもしれない。

甲板には陽が降り注いでいる。


時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

 

 

湯治場セットにて、マルチェロ・マストロヤンニ様。


時は止まる君は美しい

 

 

映画とは関係ないけど、シルヴァーナ・マンガーノ様。


時は止まる君は美しい-マンガーノ

 

LIFE印の写真はかっちょいいなあ。

この映画は公開時に映画館で拝見したので、もう20年どころではない、

時が流れました。当時より、男性のどちら側もの抱く哀しさが、

切々と感じられるような気がします。

それにしても、マストロヤンニ様「帰って来ない男」似合いすぎ?

時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

 

「おまけ」と言ってしまうには存在感ありすぎる写真?参考資料?

「ひまわり」。マストロヤンニ様「帰って来なかった男」Vol.1