再掲・第二百七夜・ジャック=アンリ・ラルティーグ様 | 時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

2012年10月3日記事

 

 

徹底的にリッチな階層の一族様。

でも、いつも明るく楽しそうで、美しく微笑ましい。

 

 

 

 

そんな身内写真の数々が、幸福をくれる、

ラルティーグ様のお写真、ほっと出来て好きです。

 

 

人生を見る目が、好奇心と楽しさで充ちてる。

 

 

 

いや、人生、縁のない世界なんですけどね。

お写真、足したので、記載した年と違ってるのが混じってるかも。

ごめんなさい。

 

家族・時間・カメラ・愛・記憶

 

パリ郊外の、裕福な家に生まれた少年は、

6歳で初めてカメラのシャッターを切り、

8歳で父から、自分専用のカメラを与えられる。

「これですべてを写真に撮ることができる。すべて。すべてを!」

生涯、20万枚に及ぶ、写真と日記の始まり。

1894年6月13日クールブヴォア~1986年9月12日ニース

Jacques-Henri Lartigue


 

生涯4人の主な女性の3人目、ココの写真。

ココの目がカメラをまっすぐに見ている。

ラルティーグ様が、生涯、カメラを通して、時間を刻み続けたように。


 

ブーローニュの森で1903年に、パパによって撮影された、

「おばあちゃん、ママン、僕と2台の愛機9×12版カメラ、

兄のジスー」膨大な写真と共に残る、膨大な日記。


 

↓ は1905年のもの。ラルティーグ様のお身内は、

皆さま、カメラ馴れするしかないですね。


 

一部のみ、手元にあるので、わかるものには、

ラルティーグ様御自身の記録を添えつつ、

69歳で大々的に「カメラマン」と呼ばれるようになるまで、

職業は画家であり、カメラは「アマチュア」だった、

ラルティーグ様のお写真を拝見させて頂こうと思います。


 

 

1904年、ベルク、ノール=パ・ド・カレ地方

シモーヌ様(パパのいとこの長女)を撮った最初の一連の作品の1枚。


 

1912年

A.C.F.(フランス自動車クラブ)グランプリ・レース


 

1923年、サン・モーリッツ

シモーヌ様とシャルル・サブレ様。(後にふたりは結婚)

 

シモーヌは本物のスケーターだ。腰に手をまわしターンする時も、

彼女となら転ぶ心配はない。サブレと組んで、フランス選手権

ペアー第2位に輝いてからというもの、彼女は注目の的。

ましてやとても美しい。

 

 


 

1911年



 

1915年8月19日、パリ

リリアン・ミュールとミネット。

 

ブーローニュの森では、新しく登場した娘の話しでもちきりだ。

「リリアン・ミュールをご覧になった?」

見たとも!可愛くて、とびきりの美人。


 

こちらも有名な一枚。社交界の花形。

 

1911年。1910年から、ラルティーグ様は、

ブーローニュでのエレガントな服装の人々を、

散歩がてら撮り始めておられます。









 

1919年、ラルティーグ様、ビビ様とご結婚。

 

ビビが横目で僕を見る。ここからは、背後にいる真剣な面持ちの

着飾った人々は見えない。白い包みの中のビビ、

喜びがヴェールのそこかしろから溢れ出そうだ。


 

1920年1月、シャモニー

ビビ様。新婚旅行。オテル・デ・ザルプ。


 

同。

鏡に映るラルティーグ様と浴槽のビビ様。


 

同。


             時は止まる君は美しい-1920

 

1920年。

 


 

 



 

1922年、パリ。

ビビ様とナニ様に抱かれる、御長男、ダニ様。


 

1922年







 

1925年


 

1926年

 

 

 

1927年8月

大西洋を臨む「処女の岩礁」に立つサラ・ビアリッツ。

 

 

1928年、マルセイユ、プロヴァンス=コート・ダジュール地方

ビビ様。

 

1928年


 

1929年


              時は止まる君は美しい-1930
 

1930年

 

ビビとの愛情と優しい友情関係は、ステレオスコープで覗いた

愛と似ている。立体感はあるけれど固まって、もう決して動かない

 

 

 

1930年、ルネ様。

ラルティーグ様はこの年の1月、衝撃的に彼を魅了する、

ルーマニアのモデル、ルネ様と知り合い、恋に落ちられます。

 

ビビはピエール・Dと別れない。

嬉しそうに彼女がそれを伝えに来たのだ!

彼女の決心は堅い。僕たちふたりの友情は残る。ダニは彼女と暮らす。

・・・・・・すべては僕の幸せがレールの上を走り出せるよう

動いているというなら、どうしてここで車輪に

棒切れを突っ込むことなどできよう。


 

 

 

1930年8月、シブール、アキテーヌ地方

ルネ様。

 

確かなのは、上の部屋に彼女がいるということ、

僕を待っていて、愛を呼ぶ声がしたらすぐに

僕は彼女に会いに行けるということ!

彼女とは?・・・・・・もちろんルネ!

彼女こそ正真正銘の女性。彼女は僕が出会った

初めての女性かもしれない。


 

1930年9月、ピアリッツ、アキテーヌ地方

ルネ様。




 

1930年3月20日、パリ

13年間、彼女とは笑って過ごすのが当然だったから、

いまこうして立っている裁判所の悲劇的、

あるいは単に汚く冷たい廊下から、一刻も早く立ち去る策を

みつけたかった。いわば「和解」だ。でも、ビビの答えは変わらない。

答えはピエールで、ジャックでないことはわかっていた。(略)

プラットホームを笑いながら行く二人連れが、話し合いの末

別れたばかりの夫婦だなんて誰に想像できただろう。

腕を組んで歩く二人は互いの愛情を知っている。

でも互いに愛し合う術は知らないのだ。


                  時は止まる君は美しい

 

1931年5月、パリ

ルネ様。


 

同。

                時は止まる君は美しい-1931

 

1931年。

 

1932年

 

1941年




 

1942年1月12日

突然、背中で声がする。「こんにちは、ムッシュー。

わたしがフロレットです。」

・・・・・振り向くと目の前には、昨日の夜、ひとりバーのすみに

腰かけていた若い女性で、僕が「これは面白い、ヴァンプの手をした

田舎娘だ」と気付いた人物が立っている。

小さな艶のあるリンゴのような顔には、ピンク色の頬と、

産湯から出たばかりの赤ん坊と同じ生まれたままの唇。

仔犬のような髪。野に咲く花のような簡素さ。

なのになぜ、長く細い手のつめは

漆のように赤く染められているのだろう。

            時は止まる君は美しい-1944

 

1944年


 


 

 

 

1944年1月、パリ

マンテラを被るフロレット。


 

1945年8月28日、パリ16区の区役所で二人は結婚。

その日の午後、デュフルノア通り4番地の自宅でささやかなパーティー。


 

1944年、パリ

ダニとその息子ヴァンサン。






 

 

 

1955年、ヴァロリス?

パブロ・ピカソ。

同年、ジャン・ディマージュ協会がパリのギャルリー・ドルセイにて

ブラッサイ様、ドアノー様、マン・レイ様、ラルティーグ様の

作品を集めた合同写真展を企画。




 

ラルティーグ様。


               時は止まる君は美しい

 

ラルティーグ様、シャーロット・ランプリング様。


              時は止まる君は美しい

 

最後に、印象深い水際での写真の数々を並べて・・・









 

 

 

 

1927年、ビビ様。


 

ラルティーグ様の眼は、レンズを通して愛を伝えてくれます。