黒猫ちゃん育児日記 9月29日(火曜日) | 晴れ時々ジャズ

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日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

今日は、朝一番に黒猫ちゃんを動物病院へ連れて行くと決めていた。
フリースを敷いてベッドにしているプラカゴに黒猫ちゃんをそっと入れて、段ボールで蓋をして養生テープで止める。ニャオニャオいうカゴをぶら下げながら歩いて15分程で動物病院へ到着すると、待合室中にニャオニャオが響き渡る。受付を済ませ、里親探しをしたい旨伝えて待合室の奥まった場所で診察を待つ。しかしなかなかニャオニャオが止まらない。

しばらくすると、飼い猫の避妊手術のため来院したという女性に声をかけられた。女性は、カゴの中に被毛が黒で里親募集の子猫がいることを知ると、うちの子どもが黒い子猫を飼いたいと言うので探していたと言った。女性は子どもに見せたいのでスマホで写真を撮らせてくれと頼み、この黒猫ちゃんのウィルス検査の結果が陰性であればぜひ里親になりたいと申し出てくれた。

なるべく早く子猫の健康状態を知りたいと思ったので午前のピアノのレッスンを休んで動物病院へ来たのだが、来院を午後にしていたらここでこの女性には会えなかっただろう。早くも里親が決まりそうである。ただし、検査の結果が陰性であれば里親さんにもらわれていき、陽性であればうちで世話することになる。黒猫ちゃんにとってはまずは結果が陰性で、猫に嫉妬する人間がいない猫好きの家庭に望まれてもらわれていくのが一番の幸せであろう。
女性と互いの電話番号や住所を交換して別れ、呼ばれたので診察室に入る。

最初に獣医師の I 先生に聞かれたので、黒猫ちゃんを保護した時の様子を詳しく伝える。
いよいよ診察となり、黒猫ちゃんをカゴから出して診察台に乗せる。

I 先生、なんだか嬉しそうに「ちっちゃいなー」と言う。
体重測定をすると403グラムだった。
私「生まれてどのくらいですか?」
I 先生「一か月くらいですね。推定8月29日生まれ。男の子ですよ」
私「まだ赤ちゃんなんですね」
I 先生「何を食べさせていますか?」
私「子猫用のカリカリをお湯でふやかして冷ましてから与えています。分量と回数はフードの箱に書いてあるのを参考にして」
I 先生「歯は生えていますか?」
私「はい、シャーッ!と言ったときに見えました」
I 先生「様子を見て食べられるようなら、ふやかさずに与えても大丈夫です」

体全体を触診し、眼や耳や口の中を調べ、熱を測り、被毛を櫛でといて顕微鏡で調べる。聴診器で心臓の音を聴く。
結果、怪我や奇形もなく、黒猫ちゃんの健康状態は良好。被毛にノミやダニの卵などは見つからなかったが、フロントラインという駆除剤をスプレーしてもらう。

I 先生「何か質問がありますか?」
私「猫に食べさせてはいけないものはありますか?」
I 先生「葱、玉葱、ニンニク、ゆり根などです。観葉植物は置いていますか?」
私「はい、ダイニングキッチンに」
I 先生「観葉植物にも毒がありますので、食べてしまわないように気をつけてあげてください。猫用フード以外は与えないほうがいいですよ」
私「はい、わかりました」
I 先生「今はまだ小さいし少し痩せていますので、一か月後に採血してウィルス検査をしましょう。寄生虫の駆除もその時に」

黒猫ちゃんの健康状態に問題がなくてほっとした。

動物病院を出てニャオニャオが止まらないカゴをぶら下げて歩いているとたくさんの人とすれ違い、そのたびにニヤリとされたり、ウフフと笑われたり、離れた場所から首を伸ばしてキョロキョロ探す女性がいたりと、いろんな反応があって面白かった。

帰宅するとちょうど黒猫ちゃんのご飯の時間だ。食後は、トイレ、毛づくろい。しかし毛づくろいで3本足になったとたんよろけてこけそうになるのが可笑しい。その後、黒猫ちゃんの安眠を妨げないようドアをしっかり閉めてそっとしておく。



午後3時頃、妹が黒猫ちゃんに会い来た。
子猫専用部屋の床で二人して三角座り(体育座り?)でおしゃべりしていると、黒猫ちゃんが私の後ろにぴったりとくっついてきた。「お姉ちゃんと仲良くなりたいんとちゃう?」と妹。そのうち子猫が私の脚の三角の下にやってきた。手でそっと頭を撫でると頭をぐっと持ち上げたので、耳の後ろも撫でてやる。黒猫ちゃんと触れ合った時間は短かったのだが、私のことを安心できる人間と思ってくれたのだろうか?