MeTaL-O-PHoNe / MeTaL-O-PHoNe | 晴れ時々ジャズ

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日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

MeTaL-O-PHoNeは、ヴィブラフォン&パーカッション、ドラム、ウッドベースのトリオ。この編成に惹かれたのと試聴で気に入ったのとで入手。Elie Durisは、Emiko Minakuchi Trioのセカンドアルバムに参加していたドラマーで、腕は確かだったと記憶しています。


本作は2009年10月にフランスのTheatre de Neversにて録音され、翌年10月にCoax Recordsからリリースされています。12曲全てMeTaL-O-PHoNeのオリジナル。録音は良好です。


特にリーダーを決めず力関係がほぼ正三角形をなしているトリオの演奏はそれはそれは素晴らしくて、各人のアドリブソロも音楽的センスが良い。ジャズにミニマルミュージックやヘヴィ/メタルを大胆に取り入れており、強烈なリズムと刺激的な金属音がとってもエキサイティング。曲調はダークで無調で時に激しく、時に瞑想的でミステリアス。ヴィブラフォン&パーカッション、ウッドベース、ドラムの3パートが入念に構築されているのと、ミニマルミュージックの手法を多用しつつも展開が読めない作りなのとで、楽曲はいずれも聴き応え満点です。


Benjamin Flamentは、ヴィブラフォンにディストーションやディレイをかけたり、音板にチェーン(かな?)のような小道具をセットして音を変化させたり、シンギングボウルなどのパーカッションでガムランに似た演奏をしたりと、ヘヴィ/メタルからアンビエントまでの金属音を幅広くしかもとことん追及してるなという感じ。
Joachim Florentのウッドベースは、超高音から低音までよく響く安定した音が出ており、アルコでもピッキングでもかなり高度な演奏を披露。それはそれは美しいベースソロに惚れ惚れと聴き入ってしまう。
「何でも叩けるぜ!」といった感じのElie Durisは、MeTaL-O-PHoNeの構築的でヘヴィ/メタルな音楽性にぴったりのドラマー。手数が多いうえにシンバルを多用しますが、かなりパワフルな場面でもうるさいと感じることが無く、私などは聴いていて快感すら覚えます。


それから、今年の9月には同レーベルよりMeTaL-O-PHoNeのセカンドアルバムが出るもよう。こいつぁー今から楽しみです。


このページで本作の試聴(アルバム全部)ができます。
http://metalophone.bandcamp.com/


こちらでは、今年9月に出る新譜 KRONOS より2曲が試聴可能。
https://soundcloud.com/#metalophone


Benjamin Flamentのホームページ。
http://www.benjaminflament.com/


Elie Durisのプロフィールはこちらで。
http://www.nemomusic.com/index.php/en/unveiling-en/622-elie-duris-en


YouTubeもいかが?
http://www.youtube.com/watch?v=6i_r6b_tX9Q


■ MeTaL-O-PHoNe / MeTaL-O-PHoNe (Coax Records COA 002 MET 1)
Benjamin Flament (vib, perc)
Joachim Florent (b)
Elie Duris (ds)


入手先:CDMANIAC(通販)