届いたドングリ | 晴れ時々ジャズ

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日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

とっくに届いていたドングリは、フランス産5個とスウェーデン産1個。1) 3) 4) だけ聴きました。

 


1) ADRIEN MOIGNARD / ALL THE WAY (FDM 46050 369572)

2) LAGRENE - LUC / SUMMERTIME (FDM 46050 369322)

3) DIEGO IMBERT QUARTET / A L'OMBRE DU SAULE PLEUREUR (Such Production SUCH 20090002)

4) SYLVAIN BEUF SEXTET / JOY (Such Production SUCH 20090003)

5) JEAN PIERRE COMO / REPERTOIRE (Futur Acoustic Production)

6) ZANUSSI FIVE / GHOST DANCE (Moserobie Music Production MMP CD 071)
 



1) 突然ですが、マヌーシュ・スウィングはお好き?私はさほどでもないですが、じぇんじぇん知らない若手ギタリストになんとなくピンとくるものがあって、ADRIEN MOIGNARD(1985年4月生まれ。読みはアドリアン・モワニャールでいいのか?)の初リーダー作(かな?)を聴いてみました。そしたら、あーた、楽しいのなんのって、心ウキウキ、目はハート、お顔ニンマリ。梅雨のジメジメさえも吹き飛ばす痛快なギターワークが素晴らしいじゃあーりませんか。彼のギターは独学だそうですが、テクニックも歌心もハイレベル。めくるめくような速弾きによって鮮やかに浮かび上がる華麗なフレーズの数々が凄いの。伝統的スタイルに留まらない現代感覚と豊かな音楽性、センス抜群な選曲とオリジナル曲、洗練されたアレンジ、と、どこをとっても文句なしの出来!というわけで、本作は今やすっかり私の愛聴盤。
 


気になるアナタは、ADRIEN MOIGNARDYouTubeへどうぞ。

http://www.myspace.com/adrienmoignard
 


ZAITI ACOUSTIC QUARTET名義のアルバムでもリードギターを弾いてるようです。

http://ensemblezaiti.com/
 


SELMER #607とは、オリジナルのセルマー・マカフェリ(シリアルナンバー607)というヴィンテージギターをかわりばんこで弾きまくるという企画で結成された次世代マヌーシュ・プレイヤー集団らしい。ADRIEN MOIGNARDは、ここでも演奏してるんですね。

http://www.selmer607.com/
 



3) は、気になるベーシストの初リーダー作ということで注目。ピアノ抜きの編成で、興味深い面々が参加してるのも嬉しい。こいつぁーちょっとした収穫でした。個人的にはALEX TASSEL(tp, flh)の演奏が聴けるという意味でも本作は貴重。DIEGO IMBERTは上記の4) 5) にも参加してて、いろんなとこで大活躍なのよん。
 



4) 聴いてからライヴ盤と判明。クレジットには書いてないですが、SYLVAIN BEUFはテナーサックスのほかにソプラノサックスも演奏してます。編成は3管入りセクステットで、個人的にはDENIS LELOUP(tb)が参加してるのが嬉しい。管は辣腕揃いだしリズム隊も文句なしで、タイトルに違わず楽しい雰囲気。謎のピアニストJean Yves Jungは、バッキングも上手くがっちりしたサポートでなかなか聴かせてくれます。明るく軽快な4ビート、楽しくノリノリなファンク調、しっとり美しいバラード、ちょっぴりアーシーだったり、気だるげなブルースだったり、ブーガルー調だったりと聴き手を飽きさせず、概ね分かりやすくスカッとした印象の1枚でした。

ココ↓で試聴できます。

http://www.seven-productions.com/fr/sylvainbeuf/
 



*どうでもいいオマケ(土中保存もええかげんにしときなさいよ!の巻)


実は、まだ封も切らずに土中保存しているドングリがまだ30個以上あります。さっさと聴いてしまえばよいものを、もう何年もほったらかしにされてる可哀そうなヤツがいたりします。これではいかんと、1個だけ選んで土中1年物(かな?)をほじくり出してみた。とはいえ、ながら聴きだけど。
 


LARS JANSSON TRIO / HOPE (Imogena Records IGCD 078)

LARS JANSSON (p)

LARS DANIELSSON (b)

ANDERS KJELLBERG (ds)
 


どちらかというと、緊張感溢れる刺激的な演奏が好みで、上っ面だけ美しい演奏にはすぐに飽きてしまう私ですが、本作は違う。ジャケットから連想する平和なイメージ(中ジャケでは人間の口からスペシウム光線出てるけどね)どおりの丁寧で品性ある演奏は、聴いててすごーく気持がちいいです。1曲目を除き全てLARS JANSSONのオリジナル。適度なリラックス感と音楽を聴く喜びの両方を聴き手にたっぷりと与えてくれる。アーティストの音楽に対する真摯な思いや真心が伝わるような、そして、そういう演奏を聴くことで幸せを分けてもらったような、そんな気持ちにさせてくれる貴重な一枚。

そういえば、土ん中に同じトリオがもう1個あったっけ!?と、今日ほじくり出して聴いてみた。これもながら聴きだけど。
 


LARS JANSSON TRIO / WITNESSING (Imogena Records IGCD 100)


うーむ、そうか~。なんじゃこれ?的などうにも訳わからんジャケのせいで絶対損してますわ、コレ。

この2枚は、作品に対峙して真剣に聴くもよし、ながら聴きにもよし。

土中からほじくり出したドングリがとても上等だったりすると、思いがけない人からテキなプレゼントを貰ったようで素直に嬉しいアーティチョークだった(単純なだけ)。