ED NEUMEISTER QUARTET / REFLECTION | 晴れ時々ジャズ

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日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

ドラマーのJOHN HOLLENBECK以外は全く知らない人たちですが、試聴のうえ入手してみました。
本作は、ヴェテランのトロンボーン奏者で作曲家のED NEUMEISTERのリーダー作。2001年スイスのチューリッヒで、2003年ウィーンで録音、2006年にリリースされています。全8曲オリジナルで、ED NEUMEISTERが5曲、他の3人が1曲ずつ作曲しています。ED NEUMEISTERはアメリカ生まれのようですがドイツ人ということらしいので、カテゴリはドイツのジャズにしています(違っていましたらご指摘いただけるとありがたいです)。

1曲目のTREESは、概ね12/8拍子の、爽やかで気楽な雰囲気を持ちながらも、タイトでテンションを失わないアンサンブルが聴き応えあり。ED NEUMEISTERのアドリブソロやFRITZ PAUERのピアノが光る。
3曲目のOSMOSISは、かっこいい4ビートでエキサイティング。4者のインタープレイが◎。
5曲目のREFLECTIONは、インテンポになるまでの静謐で幻想的なムードにまず心奪われる。13/8拍子ながら自然に聴こえて、どこか牧歌的な美しさのあるアンサンブルにに心癒される。ED NEUMEISTERの安定感あるロングトーンを生かしたソロ、JOHN HOLLENBECKの繊細な技が冴えるドラムス&パーカッションなど聴きどころは多い。
6曲目のYANAGUMIは、スウィングする高速4ビートとゆったりした変拍子が繰り返され、息のあったアンサンブルを聴かせてくれる。

演奏は、けっこうレベルが高く洗練されていて聴き応えは満点です。ED NEUMEISTERのトロンボーンは、メリハリが効いていると同時にとても暖かい感じ。本作には情景描写を感じる美しい曲や心象風景を表現するような内省的な曲もあって、品性と優しい雰囲気を持つ息の合ったアンサンブルにじっくり耳を傾けていると実に心休まるものがあります。痛快でノリの良いハードバップ曲などでもトゲトゲせかせかしたところはありません。何かしらアーティストの良心を感じさせてくれる作品だなあと思い、とても好感が持てました。
本作で特に耳を奪われるのがJOHN HOLLENBECKの表現力豊かなドラムスとパーカッションで、全編にわたって多彩な技と繊細な音の数々で楽しませてくれます。JOHN HOLLENBECKは、リーダー作も出しているようなので今度聴いてみよっと。それから、FRITZ PAUERのピアノも、ソロ、バッキングともに光るものがあって、時々「おっ!」と注目させられました。
これは繰り返し聴いても飽きないステキな作品です。水生植物をあしらったジャケットデザイン がまた綺麗なんですよ~。
御用とお急ぎでないかたは各アーティストのHPへどうぞ。ED NEUMEISTERのHPで本作の試聴も出来まっせ。

ED NEUMEISTER(1952年9月1日、カンザス州生まれ)
http://www.edneumeister.com/

FRITZ PAUER(1943年10月14日、オーストリアのウィーン生まれ)
    http://fritzpauer.info/

JOHN HOLLENBECK
    http://www.johnhollenbeck.com/

DREW GRESS(1959年、ニュージャージー州の生まれ)
    http://www.drewgress.com/

■ED NEUMEISTER QUARTET / REFLECTION (ArtistShare 0058)
FRITZ PAUER (p)
JOHN HOLLENBECK (ds, perc)
DREW GRESS (b)
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