CHRISTOPHE WALLEMME / NAMASTE | 晴れ時々ジャズ

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日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

CHRISTOPHE WALLEMME(1964年パリ生まれ)は、モーリシャス人の母とフランス人の父を持ち、一時期インドにも滞在していたことがあるそうで、本作に見られるインド音楽への傾倒は、彼のそういう生い立ちからきているようです。前作TIME ZONEのワールドミュージック的趣向は、PRYSMの音楽性とは随分違っていたので意外に感じたのですが、これで納得しました。
本作は、2006年に録音、リリースされたCHRISTOPHE WALLEMMEの2作目です。参加ミュージシャンのうちSTEPHANE GUILLAUME、MININO GARAY(アルゼンチン出身のパーカッション奏者)、NELSON VERAS以外は知らないのですが、STEPHANE GALLANDはどっかで名前見たような...。
全11曲のうち10曲がCHRISTOPHE WALLEMME作曲で、インド色が濃厚に打ち出された曲が多めですが、かっこいいフュージョンふうの曲もあります。とにかく全編に渡ってリズムがタイトでもの凄く躍動感があり、音楽を聴いているという実感に浸れて楽しいです。本作ではインドの民族楽器を含めてたくさんの楽器が用いられており、曲あるいは場面によって編成も変わりますが、各人の演奏スキルは高く、緻密でよく計算されたアンサンブルはまとまりも良いので、気持よく演奏にのめり込むことが出来ます。
3曲目のNAMASTEは、カホンやガタム(インドの民族打楽器で、見た目はただの素焼きの壷なのですね)などのパーカッションを効かせたインド色濃厚なナンバーで、管楽器による掛け合いが素晴らしい。
5曲目はTANDOORI GROOVEというタイトルからして凄いですが(笑)、演奏のほうも負けずに凄い。芳醇、重厚かつ躍動感漲るサウンドは、ゴージャス極まる「踊るマハラジャ」的エンタテインメントの世界(笑)ブレイクの後、おそらくこの曲で用いられていると思われるタブラ、カンジーラ、ガタムによる超人的なアンサンブル(何であんなに早く叩けるのか!?)が聴きもの。
7曲目のREFLECTIONは、もともとPRYSMで演奏されていた曲ですが、こちらもかっこよさでは負けておりませんで、ダイナミックな演奏は聴き応え満点!こちらはインド色はありません。
9曲目のTROUBLE TIMEもかっこええですな!7曲目と同様にインド色はほとんど無くフュージョンぽい演奏。MATTHIEU DONARIERのテナーソロがなかなかに健闘しており、手数の多いSTEPHANE GALLANDのドラムスも光る。
このほかにリラックスして聴けるゆったりめの曲もあり、全体を通して質の高い聴き応えのあるアルバムに仕上がっていると思います。
本作でお気に入りの曲は7と9。初めて演奏を聴いて個人的に注目したのは、ギターのEMMANUEL CODJIA、ドラムスのSTEPHANE GALLANDですね。

御用とお急ぎでない方はCHRISTOPHE WALLEMMEのホームページへどうぞ。
         http://www.christophewallemme.com/

■CHRISTOPHE WALLEMME / NAMASTE (Bee Jazz BEE 016)
CHRISTOPHE WALLEMME (b)
EMMANUEL CODJIA (el-g)
STEPHANE EDOUARD (dholak, ghatam, indian percussions)
STEPHANE GALLAND (ds)
STEPHANE GUILLAUME (ss, fl, bcl, handclapping)
guests
MATTHIEU DONARIER (ts, ss)
PRABHU EDOUARD (tabla, kanjira)
MINNO GARAY (cajon, caxixi, handclapping, vo)
THOMAS DE POURQUERY (as, ss)
NELSON VERAS (g)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)