NGUYEN LE(1959年、フランス、パリ生まれ)を知ったのは、2005年リリースのWALKING ON THE TIGER'S TAIL(ACT Music+Vision)を聴いたのが最初でした。その後PAOLO FRESU(1961年2月10日、イタリア、サルディーニャ島Bercidda生まれ。ということは、あのITALIAN TRUMPET SUMMITが開催された場所ですね。)の諸作品やHUONG THANH(vo)のリーダー作DRAGONFLY(ACT Music+Vision)などなどでNGUYEN LEの演奏を聴くことが出来たのですが、そのたびに思ったのは、この人、もの凄く個性的なギタリストだなあということです。妖艶な欄の花でさえヤキモチを焼きそうなほどの美しい曲を書き、絶品のギタープレイでため息を誘う。かと思うと、最近では慣れましたけれど、楽曲に独特の音階を用いていることとは別にして、「ありゃ?LEさんのギター、この曲にこんなヘンな音使いで弾いちゃっていいのか!?」と思うこともあったりして(^▽^;)(こう思うのは私だけ?)、出てくるフレーズもユニークで凄く面白い。NGUYEN LEのリーダー作を聴くのは本作を入れても2作目にしかならないのですが、それでも、独自の音楽世界を表現する、ユニークで、素晴らしい才能を持つアーティストだと感じています。
気心の知れたミュージシャンとともに自身のリーダー作を自宅のスタジオで録音するという長年の構想を本作で実現させたということだそうで、デジパックを開けますと、3人がダイナミックな動きとともに実に楽しそうに笑っているスナップショットがまず目に飛び込んできます。営業用ではない素の表情を見せてくれている3人は、きっと仲の良い友人でもあるのでしょうね。
さて、本作ではNGUYEN LEがDHAFER YOUSSEF(1967年チュニジア生まれ)とPAOLO FRESUのそれぞれとデュオしているのですが、全15曲のうち1曲だけがスタンダードのCHELSEA BRIDGE。あとは持ち寄りか共作のオリジナルがほとんどで、リズムパートは全て打ち込みによるものです。一時期はBJORKなんぞも聴いていましたので打ち込みにはさほど抵抗がないのですが、現在の私は人間が演奏するリズムを聴きたい。特に大好きなジャズという音楽に限っては。
しかしながら、本作のジャズ度は低く、どちらかといえば、エスニック、ワールドといった趣の、スパイスと花の香りでムンムンという音楽ですし、NGUYEN LEの場合は特別ということにしましょうか(笑) なぜなら、彼が打ち込みを多用する狙いは実験的な演奏にあるのではないですし、奇をてらっているのでもないでしょうから。それに、打ち込みだからといって決して本作が安っぽくなっている訳ではありません。ですからもちろん、NGUYEN LEは必然性に基づいて打ち込みを取り入れているのだと思いたい。つまり、それは彼の頭の中に響く音楽を具現化するためだと。打ち込みによるリズム、エレクトリックサウンド、サンプルなどを駆使するNGUYEN LEの手腕には只ならぬ才能と抜群のセンスを感じるので、こう思うことにしましょう。リズムトラックの音にはタブラ、ガムラン楽器、マリンバ、アフリカの太鼓類、シュケレといったアジア・アフリカのパーカッション類を連想させるものを多く使っています。
気心の知れたミュージシャンとともに自身のリーダー作を自宅のスタジオで録音するという長年の構想を本作で実現させたということだそうで、デジパックを開けますと、3人がダイナミックな動きとともに実に楽しそうに笑っているスナップショットがまず目に飛び込んできます。営業用ではない素の表情を見せてくれている3人は、きっと仲の良い友人でもあるのでしょうね。
さて、本作ではNGUYEN LEがDHAFER YOUSSEF(1967年チュニジア生まれ)とPAOLO FRESUのそれぞれとデュオしているのですが、全15曲のうち1曲だけがスタンダードのCHELSEA BRIDGE。あとは持ち寄りか共作のオリジナルがほとんどで、リズムパートは全て打ち込みによるものです。一時期はBJORKなんぞも聴いていましたので打ち込みにはさほど抵抗がないのですが、現在の私は人間が演奏するリズムを聴きたい。特に大好きなジャズという音楽に限っては。
しかしながら、本作のジャズ度は低く、どちらかといえば、エスニック、ワールドといった趣の、スパイスと花の香りでムンムンという音楽ですし、NGUYEN LEの場合は特別ということにしましょうか(笑) なぜなら、彼が打ち込みを多用する狙いは実験的な演奏にあるのではないですし、奇をてらっているのでもないでしょうから。それに、打ち込みだからといって決して本作が安っぽくなっている訳ではありません。ですからもちろん、NGUYEN LEは必然性に基づいて打ち込みを取り入れているのだと思いたい。つまり、それは彼の頭の中に響く音楽を具現化するためだと。打ち込みによるリズム、エレクトリックサウンド、サンプルなどを駆使するNGUYEN LEの手腕には只ならぬ才能と抜群のセンスを感じるので、こう思うことにしましょう。リズムトラックの音にはタブラ、ガムラン楽器、マリンバ、アフリカの太鼓類、シュケレといったアジア・アフリカのパーカッション類を連想させるものを多く使っています。
本作は入念な編集作業とミキシングによって複雑で緻密なサウンドを創り込み、独自の音楽世界を創造することに成功しています。言葉で上手く表現できないのですが、未知で神秘な物への誘惑に捕らわれつつ、トランス状態へと導かれるような感覚があり、聴き手はイマジネーションの世界で遊べるといった感じになっています。
ただ、1曲目のSTRANIERIと12曲目のNEONの2曲だけは、あからさまな打ち込みによるものという感じがして、私の場合は身体が受け付けません(-_-;)
DHAFER YOUSSEF(1967年チュニジア生まれ)だけが私には全く馴染みの無いプレイヤーで、ウード(アラブ音楽圏で使われるフレットレスで12弦の撥弦楽器)の音を意識して聴くのもおそらく初めてです。NGUYEN LEに負けず劣らずの超絶さで演奏されるウードの響きは、なんともいえない雰囲気を醸し出していて素晴らしいのですが、凄いと思ったのが彼のヴォーカル(というよりヴォイス)。神秘的な響きでよく通るヴォイスは、深く豊かな低音から高級シャンパングラスがパリーン!と割れそうなほどのハイトーンまで、信じられないほどの広い声域なのです!
以下、お気に入りの曲について簡単に書きます。
ただ、1曲目のSTRANIERIと12曲目のNEONの2曲だけは、あからさまな打ち込みによるものという感じがして、私の場合は身体が受け付けません(-_-;)
DHAFER YOUSSEF(1967年チュニジア生まれ)だけが私には全く馴染みの無いプレイヤーで、ウード(アラブ音楽圏で使われるフレットレスで12弦の撥弦楽器)の音を意識して聴くのもおそらく初めてです。NGUYEN LEに負けず劣らずの超絶さで演奏されるウードの響きは、なんともいえない雰囲気を醸し出していて素晴らしいのですが、凄いと思ったのが彼のヴォーカル(というよりヴォイス)。神秘的な響きでよく通るヴォイスは、深く豊かな低音から高級シャンパングラスがパリーン!と割れそうなほどのハイトーンまで、信じられないほどの広い声域なのです!
以下、お気に入りの曲について簡単に書きます。
3曲目のDHAFER YOUSSEFとのデュオによるMUQQAMは、NGUYEN LEのギターもアコースティックで打ち込みのリズムトラックはありません。ペルシャの音階を用いているそうで、微分音を多用しているせいかどうなのか、不思議な音になっています。
4曲目のPAOLO FRESUとのデュオによるMALI IWAはパプア人による合唱を逆再生したものをサンプルに用いているとのことで、ポリリズム全開なパーカッションも面白い。
5曲目のDHAFER YOUSSEFとのデュオ、ZAFRAN(香辛料のサフランという意味だそうです)は、NGUYEN LEのチョーキングを多用した超絶技巧によるハジケてるギターソロが聴きもの!あのヘンテコリンな音もいっぱい出てきて面白いのです。
7曲目のDHAFER YOUSSEFとのデュオ、KITHARAは、NGUYEN LEのギターもアコースティック(Vietnamese Guitar)で打ち込みのリズムトラックはありません。エンディングは聴き覚えのあるメロディなのですが、思い出せません(T_T) (思い出したら追記することにします)
9曲目のDHAFER YOUSSEFとのデュオ、SAFINAは、少々陰鬱なムード。なんといってもDHAFER YOUSSEFのシャウトするハイトーンヴォイスが驚異的!いや~、びっくり。
4曲目のPAOLO FRESUとのデュオによるMALI IWAはパプア人による合唱を逆再生したものをサンプルに用いているとのことで、ポリリズム全開なパーカッションも面白い。
5曲目のDHAFER YOUSSEFとのデュオ、ZAFRAN(香辛料のサフランという意味だそうです)は、NGUYEN LEのチョーキングを多用した超絶技巧によるハジケてるギターソロが聴きもの!あのヘンテコリンな音もいっぱい出てきて面白いのです。
7曲目のDHAFER YOUSSEFとのデュオ、KITHARAは、NGUYEN LEのギターもアコースティック(Vietnamese Guitar)で打ち込みのリズムトラックはありません。エンディングは聴き覚えのあるメロディなのですが、思い出せません(T_T) (思い出したら追記することにします)
9曲目のDHAFER YOUSSEFとのデュオ、SAFINAは、少々陰鬱なムード。なんといってもDHAFER YOUSSEFのシャウトするハイトーンヴォイスが驚異的!いや~、びっくり。
一人のミュージシャンに興味を持った場合、どんな音楽を聴いてきたのか、特に成年に達するまでの幼少期から最も感受性豊かな時期までに聴いていた音楽は何かということや、演奏している音楽とは別に普段どんな音楽を好んで聴いているのか知りたいと思うことはありませんか?つまりその人の根っこは何で出来ているかということが知りたいということです。NGUYEN LEの創造する音楽には彼の根っこの部分を強く感じるような気がして、私はそういうところでもNGUYEN LEのことを気に入っているのかもしれません。
御用とお急ぎでないかたはNGUYEN LEの↓HPをご覧ください。
御用とお急ぎでないかたはNGUYEN LEの↓HPをご覧ください。
http://www.nguyen-le.com/
PAOLO FRESUのHPは↓こちら。
http://www.paolofresu.it/
PAOLO FRESUを紹介する↓こんなページもありました。
http://www.ijm.it/fresu.html
DHAFER YOUSSEFのバイオグラフィーを読みましたが、彼は若い頃に大変苦労したようです。そんな逆境にも負けない音楽への情熱によって、ミュージシャンになるという夢を実現させた人だったのですね。
DHAFER YOUSSEFのHPは↓こちらです。
http://www.dhaferyoussef.com/
■NGUYEN LE / HOMESCAPE (ACT Music+Vision ACT 9444-2)
NGUYEN LE (acoustic, fretless, synthesizer, e-bow and vietnamese guitars; computer programming &
PAOLO FRESUのHPは↓こちら。
http://www.paolofresu.it/
PAOLO FRESUを紹介する↓こんなページもありました。
http://www.ijm.it/fresu.html
DHAFER YOUSSEFのバイオグラフィーを読みましたが、彼は若い頃に大変苦労したようです。そんな逆境にも負けない音楽への情熱によって、ミュージシャンになるという夢を実現させた人だったのですね。
DHAFER YOUSSEFのHPは↓こちらです。
http://www.dhaferyoussef.com/
■NGUYEN LE / HOMESCAPE (ACT Music+Vision ACT 9444-2)
NGUYEN LE (acoustic, fretless, synthesizer, e-bow and vietnamese guitars; computer programming &
electronics)
PAOLO FRESU (tp, flh & electronics)
DHAFER YOUSSEF (oud, vocals & electronics)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)
PAOLO FRESU (tp, flh & electronics)
DHAFER YOUSSEF (oud, vocals & electronics)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)