DIDIER LOCKWOOD(1956年2月11日、フランスのカレー生まれ)とMARCEL AZZOLA(1927年6月10日、フランスのパリ生まれ)が、MARTIN TAYLOR(1956年10月20日、イギリスのエセックス州ハーロウ生まれ)とJEAN-PHILIPPE VIRET(生年不詳、フランス)をフィーチャーして2005年11月と2006年1月に録音したワルツ集です。以前からなんとなく気になる存在だった本作をCD屋さんでたまたま見つけたので購入してみました。
DIDIER LOCKWOODの演奏はANDRE CECCARELLI / CARTE BLANCHEやMAGMA / LIVEで聴いたことがあるぐらい。MARCEL AZZOLAは名前聞くのも初めて。MARTIN TAYLORはイギリスのジャズギタリストという認識はあったものの演奏を聴くのはおそらく初めて。JEAN-PHILIPPE VIRETはSKETCHレーベルや澤野工房から出ているJEAN-PHILIPPE VIRET TRIOの諸作品で私にとってはお馴染みのベーシストです。VIRETが参加していなければおそらく手に取ることはなかった本作で、ほかの3人の素晴らしさを認識できたのは収穫だったなあと思っています。DIDIER LOCKWOODとMARTIN TAYLORの2人については、一度ちゃんと聴いてみたいと思っていたところでした。
アルバムタイトルは「ワルツ・クラブ」。4人がそれぞれ自分の楽器片手にマホガニーのカウンターにもたれ、ダークスーツにブラックタイという改まったいでたちでお酒の入ったグラスを前に談笑しているジャケの写真には、何やらヨーロッパの高級メンバーズクラブ的な雰囲気が漂っております。ですが、この「ワルツ・クラブ」へ入会するのに会員の推薦やバカ高い会員登録料などは要りません。なあに、ジーンズスタイルでも、風呂上りの団扇片手にパジャマ姿でも大丈夫(^▽^;) CDをプレイヤーにセットするだけで「ワルツクラブ」のドアは開かれて「さあどうぞ!」と招き入れられたら、一流ミュージシャンによる美しいメロディの優雅でお洒落なワルツの数々が聴き放題!
このCDはDIAPASON D'ORという賞を受賞しているらしく、シールドの上から金色のまあるいシールが貼ってありました。ちなみにMARCEL AZZOLAは2006年度のLES VICTOIRES DE LA MUSIQUEのジャズ部門でLES VICTOIRES D'HONNEUR(名誉賞)を受賞しています。
本作は全編アコースティック楽器による演奏でおそらくオーヴァーダビングはありません。全16曲のうち、DIDIER LOCKWOODが2曲。ほかの3人が一曲ずつ。そのほかにショパン、ドビュッシー、ヴェルディのクラシックナンバーから、SERGE GAINSBOURG、TOOTS THIELEMANSの曲、EDITH PIAFの歌唱で有名なPADAMやディズニー・アニメ“シンデレラ”のテーマなど聴き覚えのある親しみやすい曲のほか、ミュゼット曲など多彩な選曲ですが、作品としてのトータルな雰囲気は保たれています。小粋でオシャレで洗練されていて、フランスのエスプリを感じる室内楽的雰囲気になっているものの演奏に軟弱さは一切ありません。ジャズのフィーリングやトラッド風味があちこちにちりばめてあり、この4人の溌剌とした演奏はさすがの素晴らしさなのです。
1曲目、MARCEL AZZOLA作曲のDOUBLE SCOTCHを聴いたとたんに「これはいい!」と思いました。フランスのエスプリに溢れたミュゼットの趣。そして、なにより4人の躍動感みなぎる素晴らしい演奏が聴いていて楽しい。アコーディオン、ヴァイオリン、ギターのそれぞれのソロも実に軽やかに歌っています!
お気に入りは2曲目のショパン。陽気で軽快なムードのアンサンブルは優雅の極み。それに、DIDIER LOCKWOODがヴァイオリンで女性の「アーッハッハッハー!」という甲高い笑い声を再現していて実にユーモラス。ほかにも「あら、まあ!」とか「いやん、もう!」といった感嘆詞に聞こえるところもあって(笑)凄く面白いのです。
4曲目、DIMITRI NAIDITCH(ロシア生まれのピアニスト)作曲のVALSE NOSTALGIQUEは、ゆったりめで哀愁の漂う美しいメロディのミュゼット調。ギターの入らない3人のアンサンブルで、JEAN-PHILIPPE VIRETのアルコも実に安定感があっていいです。VIRETは本作のいろんな曲をお得意のアルコで演奏していますが、この人の場合はピッチが正確で安心して聴いていられるので、いちいちハラハラしなくても大丈夫(^◇^)
これもお気に入りの5曲目、ヴェルディ作曲のLA TRAVIATAは軽快で陽気なトラッド調。メリハリの効いた溌剌としたアンサンブルが素晴らしく、ヴァイオリン、アコーディオン、ギターの各ソロも最高。3分に満たない演奏ですが、実に聴き応えのある1曲。
これまたお気に入りの6曲目、TONY MURENAとJOSEPH COLOMBO作曲のINDIFFERENCEは軽快で哀愁漂うミュゼット。アコーディオンとヴァイオリンのデュオが息の合ったユニゾンの後、絶妙なからみのアンサンブルで聴き手を唸らせます。う~む、素晴らしいっ!
8曲目、TOOTS THIELEMANS作曲のBLUESETTEは美しくロマンティックなメロディが印象的。4人のソロも聴き応えあり。
10曲目、MARTIN TAYLOR作曲のMUSETTE FOR A MAGPIEや、11曲目、SERGE GAINSBOURG作曲のLA JAVANAISEなどを聴いても、この4人のそれぞれがいかに素晴らしいプレイヤーであるかがよく分かる。とにかく絶妙のアンサンブルは聴き応え満点で素晴らしいのです。
15曲目のA DREAM IS A WISH YOUR HEART MAKES(ディズニー・アニメ“シンデレラ”のテーマ)は、DIDIER LOCKWOODのヴァイオリンが超高音で奏でるメロディや超絶技巧にびっくり。この曲に限らないのですが、LOCKWOODのヴァイオリンは実によく歌っているだけでなく、様々な場面で「おやっ?!」と思わせるテクニックを聴かせていて、それが実にセンスが良くて面白いので好感が持てました。また、初めて演奏を聴くMARTIN TAYLORは4人のうちでは最もジャズのフィーリングに溢れていると感じたのですが、ソロ、バッキングともに素晴らしいギタープレイを聴かせてくれるなあと思いました。
本作に汗ムンムンの男くさ~いバップフィーリングや不良っぽさは期待出来ませんけれど、16曲目が終わると隠しトラックがあるのです。で、この曲だけが「奥様(お嬢様)お手をどうぞ。」的な16曲とはちょっと雰囲気が違っている。3拍子系ですが、DIDIER LOCKWOODのヴァイオリンMARTIN TAYLORのギターはドスが効いて迫力満点で、4人のインタープレイも熱い!上品なお客様方がお帰りになった後、「さあ、ほんなら、いつものあれ、いっちょ思いっきり不良っぽくやったろかい!」てな感じになっているのです。ただ、残念ながら曲名が思い出せないっ!(;^_^A (分かれば追記します)
DIDIER LOCKWOODの演奏はANDRE CECCARELLI / CARTE BLANCHEやMAGMA / LIVEで聴いたことがあるぐらい。MARCEL AZZOLAは名前聞くのも初めて。MARTIN TAYLORはイギリスのジャズギタリストという認識はあったものの演奏を聴くのはおそらく初めて。JEAN-PHILIPPE VIRETはSKETCHレーベルや澤野工房から出ているJEAN-PHILIPPE VIRET TRIOの諸作品で私にとってはお馴染みのベーシストです。VIRETが参加していなければおそらく手に取ることはなかった本作で、ほかの3人の素晴らしさを認識できたのは収穫だったなあと思っています。DIDIER LOCKWOODとMARTIN TAYLORの2人については、一度ちゃんと聴いてみたいと思っていたところでした。
アルバムタイトルは「ワルツ・クラブ」。4人がそれぞれ自分の楽器片手にマホガニーのカウンターにもたれ、ダークスーツにブラックタイという改まったいでたちでお酒の入ったグラスを前に談笑しているジャケの写真には、何やらヨーロッパの高級メンバーズクラブ的な雰囲気が漂っております。ですが、この「ワルツ・クラブ」へ入会するのに会員の推薦やバカ高い会員登録料などは要りません。なあに、ジーンズスタイルでも、風呂上りの団扇片手にパジャマ姿でも大丈夫(^▽^;) CDをプレイヤーにセットするだけで「ワルツクラブ」のドアは開かれて「さあどうぞ!」と招き入れられたら、一流ミュージシャンによる美しいメロディの優雅でお洒落なワルツの数々が聴き放題!
このCDはDIAPASON D'ORという賞を受賞しているらしく、シールドの上から金色のまあるいシールが貼ってありました。ちなみにMARCEL AZZOLAは2006年度のLES VICTOIRES DE LA MUSIQUEのジャズ部門でLES VICTOIRES D'HONNEUR(名誉賞)を受賞しています。
本作は全編アコースティック楽器による演奏でおそらくオーヴァーダビングはありません。全16曲のうち、DIDIER LOCKWOODが2曲。ほかの3人が一曲ずつ。そのほかにショパン、ドビュッシー、ヴェルディのクラシックナンバーから、SERGE GAINSBOURG、TOOTS THIELEMANSの曲、EDITH PIAFの歌唱で有名なPADAMやディズニー・アニメ“シンデレラ”のテーマなど聴き覚えのある親しみやすい曲のほか、ミュゼット曲など多彩な選曲ですが、作品としてのトータルな雰囲気は保たれています。小粋でオシャレで洗練されていて、フランスのエスプリを感じる室内楽的雰囲気になっているものの演奏に軟弱さは一切ありません。ジャズのフィーリングやトラッド風味があちこちにちりばめてあり、この4人の溌剌とした演奏はさすがの素晴らしさなのです。
1曲目、MARCEL AZZOLA作曲のDOUBLE SCOTCHを聴いたとたんに「これはいい!」と思いました。フランスのエスプリに溢れたミュゼットの趣。そして、なにより4人の躍動感みなぎる素晴らしい演奏が聴いていて楽しい。アコーディオン、ヴァイオリン、ギターのそれぞれのソロも実に軽やかに歌っています!
お気に入りは2曲目のショパン。陽気で軽快なムードのアンサンブルは優雅の極み。それに、DIDIER LOCKWOODがヴァイオリンで女性の「アーッハッハッハー!」という甲高い笑い声を再現していて実にユーモラス。ほかにも「あら、まあ!」とか「いやん、もう!」といった感嘆詞に聞こえるところもあって(笑)凄く面白いのです。
4曲目、DIMITRI NAIDITCH(ロシア生まれのピアニスト)作曲のVALSE NOSTALGIQUEは、ゆったりめで哀愁の漂う美しいメロディのミュゼット調。ギターの入らない3人のアンサンブルで、JEAN-PHILIPPE VIRETのアルコも実に安定感があっていいです。VIRETは本作のいろんな曲をお得意のアルコで演奏していますが、この人の場合はピッチが正確で安心して聴いていられるので、いちいちハラハラしなくても大丈夫(^◇^)
これもお気に入りの5曲目、ヴェルディ作曲のLA TRAVIATAは軽快で陽気なトラッド調。メリハリの効いた溌剌としたアンサンブルが素晴らしく、ヴァイオリン、アコーディオン、ギターの各ソロも最高。3分に満たない演奏ですが、実に聴き応えのある1曲。
これまたお気に入りの6曲目、TONY MURENAとJOSEPH COLOMBO作曲のINDIFFERENCEは軽快で哀愁漂うミュゼット。アコーディオンとヴァイオリンのデュオが息の合ったユニゾンの後、絶妙なからみのアンサンブルで聴き手を唸らせます。う~む、素晴らしいっ!
8曲目、TOOTS THIELEMANS作曲のBLUESETTEは美しくロマンティックなメロディが印象的。4人のソロも聴き応えあり。
10曲目、MARTIN TAYLOR作曲のMUSETTE FOR A MAGPIEや、11曲目、SERGE GAINSBOURG作曲のLA JAVANAISEなどを聴いても、この4人のそれぞれがいかに素晴らしいプレイヤーであるかがよく分かる。とにかく絶妙のアンサンブルは聴き応え満点で素晴らしいのです。
15曲目のA DREAM IS A WISH YOUR HEART MAKES(ディズニー・アニメ“シンデレラ”のテーマ)は、DIDIER LOCKWOODのヴァイオリンが超高音で奏でるメロディや超絶技巧にびっくり。この曲に限らないのですが、LOCKWOODのヴァイオリンは実によく歌っているだけでなく、様々な場面で「おやっ?!」と思わせるテクニックを聴かせていて、それが実にセンスが良くて面白いので好感が持てました。また、初めて演奏を聴くMARTIN TAYLORは4人のうちでは最もジャズのフィーリングに溢れていると感じたのですが、ソロ、バッキングともに素晴らしいギタープレイを聴かせてくれるなあと思いました。
本作に汗ムンムンの男くさ~いバップフィーリングや不良っぽさは期待出来ませんけれど、16曲目が終わると隠しトラックがあるのです。で、この曲だけが「奥様(お嬢様)お手をどうぞ。」的な16曲とはちょっと雰囲気が違っている。3拍子系ですが、DIDIER LOCKWOODのヴァイオリンMARTIN TAYLORのギターはドスが効いて迫力満点で、4人のインタープレイも熱い!上品なお客様方がお帰りになった後、「さあ、ほんなら、いつものあれ、いっちょ思いっきり不良っぽくやったろかい!」てな感じになっているのです。ただ、残念ながら曲名が思い出せないっ!(;^_^A (分かれば追記します)
御用とお急ぎでないかたはDIDIER LOCKWOODの↓HPへどうぞ。
MARTIN TAYLORのHPはこちら↓です。
http://www.martintaylor.com/
■DIDIER LOCKWOOD, MARCEL AZZOLA / WALTZ CLUB (Universal Music France 983765 9)
DIDIER LOCKWOOD (vn)
MARCEL AZZOLA (acc)
MARTIN TAYLOR (g)
JEAN-PHILIPPE VIRET (b)
入手先:JEUGIA京都三条本店
■DIDIER LOCKWOOD, MARCEL AZZOLA / WALTZ CLUB (Universal Music France 983765 9)
DIDIER LOCKWOOD (vn)
MARCEL AZZOLA (acc)
MARTIN TAYLOR (g)
JEAN-PHILIPPE VIRET (b)
入手先:JEUGIA京都三条本店