「しぶ茶なジャズ」(現在お休み中)のしぶちゃさんに推薦していただいたEGEAレーベル作品がたくさんありまして、そのなかから、私めが只今追跡中のGABRIELE MIRABASSI(イタリアのペルージャ生まれ)参加ということで本作を入手してみました。これは新譜ではありませんが大変に素晴らしい作品ですし、オラシオ
さんのご依頼もありましたので書くことにいたします。
本作は1998年録音、翌年リリース。全10曲のうち8曲目を除く9曲をSERGIO ASSAD(1952年12月26日、ブラジル、サンパウロ生まれ)が書いており、ジャズというよりもむしろ優雅な室内楽的雰囲気が全編を支配しています。美しいメロディを持つトラッド風味が基調といえばよいのでしょうか、ラテン的な明朗さのなかにもそこはかとなく哀愁が漂っており、それこそため息ものの美メロ曲が目白押しで、どこを切り取っても素晴らしいのひとこと。ジャズだのクラシックだのというジャンルを超えて、音楽を聴く楽しさと喜びに溢れた大変に魅力的な作品で、ここには聴き手を感動へと誘う“何か”が確実に存在します。
特にSERGIO ASSADについては名前さえも聞いたことがなかったため、なんの予備知識もないまま本作を聴いたのですが、聴いたとたん、いとも簡単にSERGIOさんの虜になってしまった私です。この人の卓越した作曲能力と演奏テクニックもさることながら、表現力豊かでニュアンスのあるギターのセンスには驚かされました。これほどまでに美しいギターの音色を私は聴いたことがあっただろうか?ああ、この人を絶賛しようにも、己がボキャブラリーの貧困さゆえにその言葉を見つけられない自分が情けない(;^_^A
本作は1998年録音、翌年リリース。全10曲のうち8曲目を除く9曲をSERGIO ASSAD(1952年12月26日、ブラジル、サンパウロ生まれ)が書いており、ジャズというよりもむしろ優雅な室内楽的雰囲気が全編を支配しています。美しいメロディを持つトラッド風味が基調といえばよいのでしょうか、ラテン的な明朗さのなかにもそこはかとなく哀愁が漂っており、それこそため息ものの美メロ曲が目白押しで、どこを切り取っても素晴らしいのひとこと。ジャズだのクラシックだのというジャンルを超えて、音楽を聴く楽しさと喜びに溢れた大変に魅力的な作品で、ここには聴き手を感動へと誘う“何か”が確実に存在します。
特にSERGIO ASSADについては名前さえも聞いたことがなかったため、なんの予備知識もないまま本作を聴いたのですが、聴いたとたん、いとも簡単にSERGIOさんの虜になってしまった私です。この人の卓越した作曲能力と演奏テクニックもさることながら、表現力豊かでニュアンスのあるギターのセンスには驚かされました。これほどまでに美しいギターの音色を私は聴いたことがあっただろうか?ああ、この人を絶賛しようにも、己がボキャブラリーの貧困さゆえにその言葉を見つけられない自分が情けない(;^_^A
ゴメンなさいねGABRIELE MIRABASSIさん、あなたを追いかけるつもりだったんだけど...。私、あなたとSERGIO ASSADさんの二股かけてもええかしらんと思っていたら、この人、SERGIO & ODAIR ASSADの兄弟で長く活躍しているらしい。ええい、このさい三股でもかめへんわ(笑)
いや冗談はこのぐらいにしておいて、本作におけるGABRIELE MIRABASSIのクラリネット1本とSERGIO ASSADのアコースティックギター1本(単位は本でいいのか?)だけで繰り広げられる非の打ち所がないほどの繊細さと美しさとヒューマニズムに満ちた演奏といったら、何度繰り返し聴いても最高!2人の美意識がすみずみにまで行き渡った傑作と呼んでもさしつかえないのではないでしょうか。
1曲目のUN ABBRACCIO A JOAOは気楽でインティメイトなムードのボサノヴァ風かと思いきや、即興が思いがけなくアグレッシヴでメリハリが効いている。う~む、なかなかやるなこの2人...と、ここまでは平常心で聴いていられました。
2曲目のMENINOは可愛らしいメロディを持つ、明るく柔らかな日差しとそよ風を感じるゆったりとした雰囲気の曲。始終ルバートで演奏され、2人の呼吸と歌心がぴったりと合っています。で、これを聴いたとたん、私はSERGIO ASSADの素晴らしいアコースティックギターにすっかり魅了され、何故だか分かりませんが早くもここで感動してしまった!こんなにさりげなくシンプルな演奏なのに、聴き手のハートをがっちりと掴んでしまうGABRIELE MIRABASSIとSERGIO ASSADのデュオは凄い。その後に続く演奏の数々も同様の意味で素晴らしいものばかりなのです。
3曲目のGRUMARIはちょっぴりブラジル的なムードもある清新で軽快な曲。アコースティックギターのシンコペーションが面白いアクセントになっていて、聴いていると妙に気持よくてついつい演奏にのめり込んでしまいます。GABRIELE MIRABASSIの抑制の効いたクラリネットは柔らかく流れるような音色を放ち、ちょっぴり情熱のこもったSERGIO ASSADのアコースティックギターは複雑で優美なレース編を透かし見るような趣。それらがダイナミックに絡み合って聴き手を楽しく高揚した気分に誘ってくれます。
4曲目、タイトル曲のVIOLETAS AZUISはなんともいえず優美なメロディが印象的。まるで二人で弾いているんじゃないかと思えるようなSERGIO ASSADのアコースティックギターにうっとりと聴き惚れてしまいます。
5曲目のCHAMPは、3拍子+3拍子+2拍子の緊張感のあるフレーズで始まり、その後も変拍子を多用した曲調の変化とメリハリが面白く、起承転結のあるストーリーを感じる展開になっていてイマジネーションが刺激されます。中間部の即興ではけっこうドラマティックに盛り上がり、クラリネットがまるで馬のいななきみたいに聞えたり、葬送行進曲みたいなメロディも飛び出してユーモラスな感じも。
え~、突然で恐縮ですが、ここで皆様にひとつ質問を。
世界で最高の歌(歌唱)ってなんでしょう?(みなさんも考えてくださいね)
20世紀最高のソプラノ歌手、マリア・カラスの歌うアリアでしょうか?それとも、あなたのお気に入りの歌手が歌うラヴソング?
世界で最高の歌は、赤ちゃんがお母さんに抱っこされながら聴く「子守唄」だと私は思っています。(←「お父さんやおじいちゃんにだって子守唄は歌えるぞ!」というかた。ごもっともです。)
1曲目のUN ABBRACCIO A JOAOは気楽でインティメイトなムードのボサノヴァ風かと思いきや、即興が思いがけなくアグレッシヴでメリハリが効いている。う~む、なかなかやるなこの2人...と、ここまでは平常心で聴いていられました。
2曲目のMENINOは可愛らしいメロディを持つ、明るく柔らかな日差しとそよ風を感じるゆったりとした雰囲気の曲。始終ルバートで演奏され、2人の呼吸と歌心がぴったりと合っています。で、これを聴いたとたん、私はSERGIO ASSADの素晴らしいアコースティックギターにすっかり魅了され、何故だか分かりませんが早くもここで感動してしまった!こんなにさりげなくシンプルな演奏なのに、聴き手のハートをがっちりと掴んでしまうGABRIELE MIRABASSIとSERGIO ASSADのデュオは凄い。その後に続く演奏の数々も同様の意味で素晴らしいものばかりなのです。
3曲目のGRUMARIはちょっぴりブラジル的なムードもある清新で軽快な曲。アコースティックギターのシンコペーションが面白いアクセントになっていて、聴いていると妙に気持よくてついつい演奏にのめり込んでしまいます。GABRIELE MIRABASSIの抑制の効いたクラリネットは柔らかく流れるような音色を放ち、ちょっぴり情熱のこもったSERGIO ASSADのアコースティックギターは複雑で優美なレース編を透かし見るような趣。それらがダイナミックに絡み合って聴き手を楽しく高揚した気分に誘ってくれます。
4曲目、タイトル曲のVIOLETAS AZUISはなんともいえず優美なメロディが印象的。まるで二人で弾いているんじゃないかと思えるようなSERGIO ASSADのアコースティックギターにうっとりと聴き惚れてしまいます。
5曲目のCHAMPは、3拍子+3拍子+2拍子の緊張感のあるフレーズで始まり、その後も変拍子を多用した曲調の変化とメリハリが面白く、起承転結のあるストーリーを感じる展開になっていてイマジネーションが刺激されます。中間部の即興ではけっこうドラマティックに盛り上がり、クラリネットがまるで馬のいななきみたいに聞えたり、葬送行進曲みたいなメロディも飛び出してユーモラスな感じも。
え~、突然で恐縮ですが、ここで皆様にひとつ質問を。
世界で最高の歌(歌唱)ってなんでしょう?(みなさんも考えてくださいね)
20世紀最高のソプラノ歌手、マリア・カラスの歌うアリアでしょうか?それとも、あなたのお気に入りの歌手が歌うラヴソング?
世界で最高の歌は、赤ちゃんがお母さんに抱っこされながら聴く「子守唄」だと私は思っています。(←「お父さんやおじいちゃんにだって子守唄は歌えるぞ!」というかた。ごもっともです。)
なぜこのようなことに言及したかと申しますと、
6曲目、タイトル曲のVELHO RETRAOを聴いて真っ先に「あ、これは子守唄だ。」と思ったからなんです。これ以上はないほどの素朴で美しいメロディに優しさがいっぱい込められています。別に超絶技巧やドラマティックな展開がある訳ではありません。音数が少なく、技巧を凝らさず、決して飾らない、ごくゆったりとした演奏だからこそ細心の心配りと繊細さが要求されるのではないかと思うのですが、2人の演奏にはそういった努力の跡が微塵も感じられず実にさりげないのです。この1曲を聴くだけでも、本作と出会うことが出来て良かった。生きていて幸せ!と思えてしまうという、なんとも感動的な曲。聴くたびごとに、ただただ心を打たれて涙してしまいます。
7曲目のHOPSCOTCHは「石蹴り遊び」という意味です。軽快な3拍子で楽しげなムード、明るい太陽の光を感じます。子供たちの無邪気な歓声や笑い声が聞えてきそう。あ、嬉しそうな犬の鳴き声も混じってますね、きっと。実はタイトルの意味を辞書で調べるまでは、そよ風に吹かれながら午後の木漏れ日の下でおしゃべりのはずむ楽しいティータイム(近くで子供と犬が遊んでいる)っていうのを勝手に想像していたんですけどね(^▽^;)
と、きりがないので曲の印象を書くのはこのへんにしておきますが、本作に収められている曲に駄作なんてひとつもありません!この後にも胸キュン(←しぶちゃ語拝借)な曲は続きます。丸ごと一枚じっくりと鑑賞すれば、あなたもきっとGABRIELE MIRABASSI & SERGIO ASSADのデュオの虜に。私が上に書いたいろいろな事なんてどうでもいいことです。聴けば分かるその美しい音楽の世界。
いやはや、素晴らしい傑作を推薦していただきました。しぶちゃさん、本当にありがとうございました!
6曲目、タイトル曲のVELHO RETRAOを聴いて真っ先に「あ、これは子守唄だ。」と思ったからなんです。これ以上はないほどの素朴で美しいメロディに優しさがいっぱい込められています。別に超絶技巧やドラマティックな展開がある訳ではありません。音数が少なく、技巧を凝らさず、決して飾らない、ごくゆったりとした演奏だからこそ細心の心配りと繊細さが要求されるのではないかと思うのですが、2人の演奏にはそういった努力の跡が微塵も感じられず実にさりげないのです。この1曲を聴くだけでも、本作と出会うことが出来て良かった。生きていて幸せ!と思えてしまうという、なんとも感動的な曲。聴くたびごとに、ただただ心を打たれて涙してしまいます。
7曲目のHOPSCOTCHは「石蹴り遊び」という意味です。軽快な3拍子で楽しげなムード、明るい太陽の光を感じます。子供たちの無邪気な歓声や笑い声が聞えてきそう。あ、嬉しそうな犬の鳴き声も混じってますね、きっと。実はタイトルの意味を辞書で調べるまでは、そよ風に吹かれながら午後の木漏れ日の下でおしゃべりのはずむ楽しいティータイム(近くで子供と犬が遊んでいる)っていうのを勝手に想像していたんですけどね(^▽^;)
と、きりがないので曲の印象を書くのはこのへんにしておきますが、本作に収められている曲に駄作なんてひとつもありません!この後にも胸キュン(←しぶちゃ語拝借)な曲は続きます。丸ごと一枚じっくりと鑑賞すれば、あなたもきっとGABRIELE MIRABASSI & SERGIO ASSADのデュオの虜に。私が上に書いたいろいろな事なんてどうでもいいことです。聴けば分かるその美しい音楽の世界。
いやはや、素晴らしい傑作を推薦していただきました。しぶちゃさん、本当にありがとうございました!
御用とお急ぎでないかたはEgea Recordsの↓HPをご覧ください。
http://www.egeamusic.com/
■GABRIELE MIRABASSI & SERGIO ASSAD / VELHO RETRATO (Egea Records SCA 068)
GABRIELE MIRABASSI (cl)
SERGIO ASSAD (g)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)