BAPTISTE TROTIGNON, DAVID EL-MALEK / ・・・ | 晴れ時々ジャズ

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

BAPTISTE TROTIGNON(1974年、フランスのナント生まれ)とDAVID EL-MALEK(1970年、フランスのパンタン生まれ)の双頭リーダーによるカルテットです。注文してから届いたのが1年後なので、もう新譜とはいえませんが、この二人は注目すべきミュージシャンですし、聴いて良かったので書くことにしました。
全10曲オリジナルで、TROTIGNONとEL-MALEKが5曲ずつ書いています。この二人はなかなか良い曲を書くと思うのですが、本作でも、DAVID EL-MALEKの概ねハードバップスタイルの曲とBAPTISTE TROTIGNONの少々ダークでシリアスなスタイルの曲がうまく配分されています。4ビートにこだわらず現代感覚に溢れた演奏は4人のテクニックも申し分なく、全体を通して聴き応えがあります。
BAPTISTE TROTIGNONとDAVID EL-MALEKの二人はリーダー作も出していて馴染みのあるプレイヤーなのですが、ベーシストのDARRYL HALL(アメリカ人?)だけは名前を聞くのも初めてなんですね。DRE PALLEMAERTS(1964年、ベルギーのアントワープ生まれ)は、確か...持ってるCDのどれかに入っています(;^_^A
一番のお気に入りはBAPTISTE TROTIGNON作曲の5曲目、BRIBSという曲。高速4ビート主体ですが、単調にならず曲調とテンポに変化をつけスリリングに展開して行きます。BAPTISTE TROTIGNONのピアノソロが現代音楽みたいでなかなかに凄く、DARRYL HALLのウォーキングベースやDRE PALLEMAERTSのシンバルレガートも光っており、DAVID EL-MALEKのテナーソロも男前の吹きまくり。続くテナー抜きになったトリオの演奏も凄いのだ。
3曲目のBAPTISTE TROTIGNON作曲のSOUKHAは、重々しくシリアスな曲調から一転して静謐なバラード調へ変わると、明るい曇り空の下、砂浜で海風に当たっている気分。
8曲目の334という曲はBAPTISTE TROTIGNON作曲。ミステリアスで少々ダークなムードが良い。ゆったりとしたテンポの3拍子+3拍子+4拍子の繰り返しが私好みで...あっ! >┼○ バタッ...。そやから334っていうタイトルなんやね、今これ書いてて気ぃついたわ(笑)う~む、しかし、もうちょっと気の利いたタイトルをつけられないものか。作品名長すぎて記事書くときタイトル入らへんかったし(-_-;)
DAVID EL-MALEKの作曲では、4曲目のBASS ON TOPや7曲目のMONSIEUR DEGANDがかっこ良くて、この人らしい雰囲気が出ています。どちらかというと、私の好みはBAPTISTE TROTIGNONなんですけどね。

御用とお急ぎでないかたはDAVID EL-MALEKの↓HPへどうぞ。
                   http://www.davidelmalek.com/
BAPTISTE TROTIGNONのことを詳しく知りたいかたは↓ここをご覧ください。
                   http://www.christianpegand.com/uk/bt.html
DRE PALLEMAERTSのことを詳しく知りたいかたは↓ここをご覧くださいね。
                   http://www.bridgeboymusic.com/swing/pallemaerts.htm
*どうでもいいオマケ
BAPTISTE TROTIGNONの唸り声は、ERIC LEGNINIと同じでレベル3.です。ただしTROTIGNONさんの場合は、いつも「蜜蜂ブンブン」です。蜜蜂の羽音のようにお上品な唸り声。

■BAPTISTE TROTIGNON, DAVID EL-MALEK / TROTIGNON, EL-MALEK, HALL, PALLEMAERTS (Naive NV 803011)
BAPTISTE TROTIGNON (p)
DAVID EL-MALEK (ts, ss)
DARRYL HALL (b)
DRE PALLEMAERTS (ds)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)