FLORIAN ROSS QUINTET / HOME & SOME OTHER PLACE | 晴れ時々ジャズ

晴れ時々ジャズ

日々の雑感とともに、フランスを中心に最新の欧州ジャズについて書いています。

FLORIAN ROSSの前作BLINDS & SHADES(Intuition)が素晴らしく良かったので新作を購入してみました。今回はSTEPHANE HUCHARDの参加ということもあり、私としては大変興味深く聴きました。
全曲ROSSのオリジナル。ストレートアヘッドなハードバップスタイルの曲などはいつものROSSらしい躍動感溢れるかっこ良さです。ただ分かりやすいフレーズがあまりありませんし、全体の印象はとっつきにくい感じがするかもしれません。官能的なところ、ユーモア、明るさが足りない(もともと期待してないけど)代わり、常に未来志向で、インテリジェンスに溢れた斬新で個性的な曲を書けるのがこの人の優れたところだと思います。
部分的にアブストラクトでフリーな表現があり、崩壊寸前のところでかろうじて楽曲として成り立っているような曲、テナーサックスのサブ・トーンやトランペットのブリリリ...という音(少々えげつない)などを聴くと一瞬ひるみますが慣れてしまえば大丈夫。可愛らしいメロディや哀愁に満ちて落ち着いた雰囲気の曲もありますので、あるていど聴きこんでしまえばこっちのもんです。
そう、かくいう私も当初はこのアルバムのつかみどころのない印象に少々苦労いたしまして、「これ、はよ紹介せな古ぅなってしまうがな!」とあせりつつ何度もくり返し聴き込んだ挙句、ご紹介が今頃になってしまいました。
御用とお急ぎでないかたはFLORIAN ROSSのホームページ↓へどうぞ。
                        http://www.florianross.de/
■FLORIAN ROSS QUINTET / HOME & SOME OTHER PLACE (Intuition INT 33812)
FLORIAN ROSS (p)
CLAUS STOTTER (tp, flh)
MATTHIAS ERLEWEIN (ts)
DIETMAR FUHR (b)
STEPHANE HUCHARD (ds)

入手先:キャットフィッシュレコード(通販)