楽器のなかで一番好きなのがウッドベース(ダブルベース、アコースティックベース、コントラバス...あなたのこと、一体なんとお呼びしたらええのやら?)でして、ジャズ聴いてても、ついついベースラインをず~っとたどっていってしまうんですね。これは長年音楽を聴いてきた私の癖みたいになっていて、メロディとは別のことろで鳴っている低音部を味わうために音楽を聴いているといっても過言ではありません。
ちなみに、このウッドベースの低音が醸し出す和声の妙と、変拍子や複合拍子、各楽器が構築するポリリズムなどの面白さは、私がジャズを聴く場合の2大関心事となっておりまして、現在ではありきたりの4ビートジャズではとうてい満足出来ない身体になってしまっている私です。(って、どんな身体やねん、それ?)
で、ジャズ聴いてる最中ベースラインをたどりつつ、心の中で以下のようなことを思たりなんかしてる訳ですね。
「うっ...参ったー、この音できよったかー。この響き、美味しすぎる!(ヨダレ)」とか、「ここのポルタメント、めっちゃ官能的やわ~(身悶え)」とか、「こういう一体何が言いたいのかよう分からんアドリブに限って長かったりするんよねぇ。はよ終わったらええのにぃ。」とか、「う~ん、これで音、合うてんのかいな。ありゃ?これこれ、どこへ行くんや、どこへ?はよ帰っておいでー、気色悪いから!おーい!!」てな具合で、ことウッドベースに関しましては、ド素人の私にもそれなりのこだわりがあるんでございます。(それ、たんに聴きながらツッコミ入れてるだけなんちゃうん?という声については、このさい無視することにする。)
そこで登場するのが、注目の若手ベーシストREMI VIGNOLOです。
「そんなやつ知らん。」というかたも多いかと存じますが、「お~、あいつかー!」とおっしゃるそこのアナタは、ぜひとも「日本低音愛好会関西支部」(勝手に支部長を名乗るアーティチョークが主催)の第一号会員になっていただきたい。
そう、注目の若手ベーシストといっても実は私が勝手に注目してるだけなんですけどね(^▽^;) しかし、だからといって俄にがっかりしないでいただきたい。いまやREMI VIGNOLOはそれこそいろんなアーティスト達から引っ張りだこで、けっこうたくさんのアルバムに参加しています。ライヴシーンにおいても、いろんな人に呼ばれているだけでなく自己のカルテットを率いて精力的に活動もしているようで、そのうちリーダー作出してくれへんかしらんと密かに期待してもいるんです。
REMI VIGNOLOの名前を初めて知ったのはANDRE CECCARELLI(ds)のリーダー作FROM THE HEART(Verve)です。このアルバムではVIGNOLOが最後の一曲(バラード)で地味~に演奏しているだけなので、このときは「ヴィグノロ?いやヴィニョーロか?ん~、けったいな苗字やなぁ。」と思ったぐらいで、別にどうということはなかったのです。
ところが、その後VIGNOLOの演奏を聴く機会が増えるにつれて、「こやつめ、只者ではないな!」と思うようになりました。(続く)