そら     10話 | ほのぼのりんご日和。

ほのぼのりんご日和。

他愛もない日常の戯言。

「おはよう。」

久々に早く起きてしまった。

「ふぁ~」

背伸びをしながら欠伸を一つ。

今日の朝ごはんなんにしようかな・・・。

制服に着替えながらそんなことを考えているとリビングにある家電がなった。

「あ~。はいはいはいはい~」

ピリピリピリ・・・・-。

リビングには、ものすごい大きな音がなっていた。

「はい・・。もしもし・・。」

こんな朝早くに誰だろう。

「あっ。夏空?桃だよ。」

不審に思いながら取った電話は桃からのものだった。

「どうしたの?こんな時間に。しかも家電って。」

そう私が聞くと桃は平然と言った。

「用事があったからよ。」

と、言い終わった後、ふぅーと息を吐いて言った。

「家電にかけてきたのは普通言わなくても分かるとこでしょ。」

「え?」

そう聞き返すと桃は電話の向こうであぁ~と小さく言うと吐き捨てるように言った。

「だって普通、友達でもない人のケータイには電話しないでしょ?」

どっくん!と私の心臓は音を立てた。

どうゆうこと?

‘友達でもない人’って?

あ、たしの・・・こと・・・・?

「ねぇ~。そんなことよりさぁ~天音さんっ。今日学校来るでしょ?まぁ当たり前だよねっ!誰かにいじめられてるわけでもないし?彼氏も来てるんだし?・・・・・・・てか絶対来いよ。

あはははははと笑いながら桃は電話を切った。

何?

何をしようとしているの?

あぁ。行きたくないよ・・・。

でも今日こそ行かなくてどうするのよっ。

もうしかしたら星那について話し合おうってことなのかもしれないし・・・。

「おはよぉ。天音さんっ。」

にっこりと微笑む桃は今何を考えているの?

何も言わずに無言で席についた。

その後に来たのは、星那だった。

「おっはよぉ!」

いつもより早い登校。

星那も桃に何か言われたのかなと考えていると

「夏空?どうしたんだよ。顔怖いぞ。」

そう言いながら、いつもと変わらない様子で私の前に座った星那。

「いや・・・。なんでもないよぉ~。」

何も知らない星那には何も知られてくはない・・。

この問題は私が作ってしまったものだから・・。

だから・・・。だから星那には迷惑をかけたくない。

「おい!ホームルーム始めるぞ~」

そう考えていたとき、先生が教室に入ってきた。

キーンコーンカーンコーン・・・・・。

長かった、午前中が終わった。

「う~ん!疲れたなぁ」

そう言いながら欠伸をしていた私に星那が後ろから言った。

「なぁ。夏空。桃がお前のこと呼んでたぞ。」

「え?桃が?うん。わかった。今行く。」

桃が私を呼ぶなんて絶対なんかある。

そう。何か・・・。

例えば・・・・私たちを別れさせるとか・・・そんなんこと・・・。

ううん。

そんなことないよね?

そうだよね?

ノロノロと重い足を運び桃の席に踏みよった。

「あっ。天音さんっ。待ってたよ?まずは、ご飯でも食べようか。お腹空いたでしょ?」

そう笑顔で話す桃の裏には何が隠されているの?

何を考えているの?

「あ・・・。うん・・。」

それから私たちは朝のことなんて何もなかったかのように普通に話して普通にご飯を食べて・・・・。

「ごちそう様でした!」

桃がお弁当を食べ終わったその時だった。

「星那ぁ~!」

大声で桃は星那を呼んだ。

何?

なんなの?何が始まろうとしているの?

「桃?どうした?」

桃が叫んでちょっとしてから、星那が現れた。

「星那・・・。」

桃が突然悲しそうな顔をして言い出した。

「桃!?」

今にも泣き出しそうな桃を見て星那は慌てだした。

まぁ、普通はそうなんだけどね・・・。

「どうしてなの?なんで!?」

桃は顔を両手に当てて、泣きながらそう叫んだ。

しーんと静まり返る教室。

さっきまでの楽しいお昼休みとは一転して、とても張り詰めた空気になった。

私は、ただただ桃と星那の会話を、星那の後ろで聞いているだけだった。

「星那・・・。どうして?なんであたしじゃなくて、あんな奴選んだのよ!

そう言って桃は後ろにいる私を指差して言った。

どうすることもできずにただ私は桃を見つめた。

「何よ!人の彼氏取っておいて何?その目は!こんな姿のあたしに同情してるんでしょ!」

キッと私を睨みつける桃はまさに、猛獣。

「桃?お前は一体何がしたいんだ?夏空を、いじめて何が楽しんだ?」

星那はなだめるように桃に言った。

「星那・・・。誰が最初に星那を好きになったの!?誰でもない・・・あたしだよ!なのに・・・。なのに・・・。だから、あたしは星那を取り戻すために、夏空をいじめたの!」

星那にそう強く言い放つ桃はとても悲しそうだった。

「じゃあ桃。俺は何をすればいいんだ?」

星那も悲しそうな目で桃に言った。

だめ・・・。

直感的にそう思った。

桃がうっすらと笑みを浮かべたのが分かった。

「星那がもう一度あたしと付き合ってくれれば、もう夏空をいじめない。

それって・・・。

交換条件?

なんでそんなことをしようとするの?

桃は一体何を考えていたの?

「わ・・・・・「だめっ!」

きっと星那は‘分かった’と言おうとしたんだ・・・。

でもそんなの絶対いやだ・・・。

「夏空・・・。」

不安そうな目で星那は言った・・。

何?なんでそんな目をするの?

星那は私のことが好きなんじゃないの?

「夏空。星那が困ってるじゃない。往生際が悪いわよ!」

桃がそう言った後星那はこう言った。

「夏空・・・。俺は夏空のことが大大だぁ~い好き!だから。もうこれ以上夏空が傷つかないために俺は桃のところに行ってくる。」

私のところに近付いて星那は言った。

「私はあのくらいじゃ傷つかない!星那がいないほうがもっと辛いよ!」

目にたまった涙は少しずつ零れていく。

「俺が辛いの!最後くらいは、俺の我が儘を聞けよっ。」

星那・・・。

「もういいかしら?お別れの挨拶は!」

にっこり微笑みながら桃は言った。

「ああ。」

そう言った後、星那は私の方に向き直り、こう告げた。

「夏空。俺と別れてください。」

星那・・・この人はきちんと私のことを考えてくれてる。

だから私も貴方のためを思います。

「はい。別れましょう。」

目には涙が溜まっていても・・・私は笑顔で答えた。

「桃・・・。こんな俺だけど、付き合ってください。」

星那は私の答えを聞いた後桃のほうを向いてこう言った。

「はいっ!喜んで!」

とてもうれしそうな桃を見てここで初めて桃の気持ちが分かった気がした。

結局・・・。星那の告白は別れ話になっていまった・・・。

あぁ。神様。

私の答えは間違っていませんよね?

これでよかったのですよね?

そうきっとこれでよかったんだよ・・・。