そら     8話 | ほのぼのりんご日和。

ほのぼのりんご日和。

他愛もない日常の戯言。

「お、おはよう・・・・・・-」

静かな教室。

私が入ってくるといつもこうなる。

これはかれこれ二日前。

桃になんて話そうかと考えていた頃だった。

普通に教室に入ったのにみんな話すのをやめてどこかへ行ってしまう。

最初は何がなんだか分からなかった。

・・・・・・・でも。

ガチャ・・・。

私はなんとなくトイレに入った。

そして私が個室から出てきて、手を洗っているとき。

「あぁ~・・・・。どいてどいてぇ~。」

一人のクラスメイトがホースとブラシを持ってこっちに来た。

「え?」

何が起こるのか理解できない私に、その子は言った。

「え?言ってなかったっけ?今日のこの時間はトイレの掃除するから立ち入り禁止だって。てか掃除の邪魔・・・・・・・」

え。そんなこと一度も聞いてない・・・・。

「ごめんなさ・・・・・」

ビシャッ

「あぁ~ごめんごめん。そんなとこにいるからかかっちゃったじゃん。何やってんのよ。」

水でびしょびしょの制服は肌に張り付いて離れない。

「ごめんなさい。私、係りの話聞いてなかったみたい。悪いけど、先生には保健室だって伝えてて。」

そう言って私は、トイレから出た。

「人の彼氏取った奴が言う言葉かよっ!何が悪いけどよ。まぢ迷惑だっての。絶対先生にも言ってやんなぁ~い。」

「ふぅ。大変なことになっちゃった。」

まさかトイレで水をかけられるとは・・・・。

本当、人の話はしっかり聞こう・・・。

「天音~。ここか?」

そう言いながら先生は保健室に入ってきた。

「あら。天音さんなら、制服びしょびしょにしてきたわよ。何があったのかしら。」

真沙美先生に事情を説明していなかったために先生は不思議そうに首をかしげた。

「ちょっと失礼します。」

そう言って先生は私の座っているいすの向かい側に座って言った。

「天音ぇ~。制服がぬれたのなら、一言くらい先生に言って保健室に来いよ。先生心配したじゃないか。みんなに聞いたら朝は来てたって言うし。今度からは言ってから保健室に来いよ。」

あれ。何で先生に伝わってないいの?

あの子言ってくれたんじゃないの?

そう思いながらも、俯きながら

「ごめんなさい・・・」

と言った。

分かればいいんだと言いながら先生は、職員室に行った。

「それじゃあ。私も教室に戻ります。」

そう言って、保健室に出たときだった。

「?」

後ろから何やら視線を感じた。

後ろを振向いても、みんな私のことなんか見ていない。

私に何かついているのかと自分を見回していると。

「てかありえない。なんであんな奴がこの学校に居るのよ。しかも同級生ってもう最悪じゃね?人の彼氏取るとか脳みそ入ってんの?」

どこからそんなことが聞こえてきた。

まさか私じゃないよね。

だって、桃は誰にも言ってないはずだもの。

きちんと話し合いをするまでは、みんなには秘密にしておいてくれるはずだもの・・・。

だってだって・・・私たちは友達だもん・・・。


私が教室に入ってとたん、騒がしかった教室は一気に静まり返った。

「あの・・・。沙織ちゃん?」

たしかあの子は沙織ちゃんだったはず・・・。

そう思って、辺りを見回すと、沙織ちゃんは、桃たちの所に居た。

「沙織ちゃん~」

そう言って近付くと、桃と話していた友達がみんな私の前から居なくなって残ったのは桃と沙織ちゃんだけだった。

「もう。沙織ちゃん。なんでさっきのこと先生に言ってくれなかったの?」

私がそう言ったときだった。

桃が急に私の前に出てきてこう言った。

「ちょっとやめてくれない?あたしの友達なんだから話しかけないで。」

そう言ってあの時のようにキッと私を睨む桃。

でも私は桃が何を言ってるのか理解できなかった。

「え?」

私がそう聞き返すと桃の後ろにいた沙織ちゃん俯き気味に吐き捨てるようにこう言った。

「人の彼氏取っておいて、よく面と向かって話しかけられるよね。こうゆうのを馬鹿ってゆうのかな?

天音夏空ちゃん?」

そういい終わると桃と沙織ちゃんはクスクス笑いながら教室から去っていった。

ここから、私は人生のすべてを後悔した。

星那と出会ったこと、桃と仲良くなったこと・・・・・。

でも一番後悔したのは私という人間が生まれてきたことを何より後悔した・・・・。