そら     7話 | ほのぼのりんご日和。

ほのぼのりんご日和。

他愛もない日常の戯言。

結局、私の告白が聞こえてたのかどうか分からずに走って帰ってきてしまった。

どうすればいい?

ねぇ。誰か教えてよ・・・。

胸が痛い・・・。

ピリピリピリピリ・・・。

一人ベットの上でうずくまっているときだった。

もう9時、そんな時間に電話してくる人なんていないはずなのに・・・・。

誰?

「はい。」

『もしもし・・・・。夏空?俺だけど・・・・』

星那・・・・。あんた空気読めてない・・・・。

「何?」

心とは裏腹にとても低い声が出た。

「今度の土曜、遊園地行きたいなぁ~・・・。って。」

「で?」

「な、何怒ってんだよ。」

「だって・・・・。いや。なんでもない。」

告白の返事・・・。返してないくせに・・・。

「いや。夏空行かないかなぁ~・・・。って」

遊園地・・・・。

星那と・・・

遊園地遊園地遊園地遊園地

遊園地遊園地遊園地遊園地

遊園地遊園地遊園地遊園地

遊園地遊園地遊園地遊園地

遊園地遊園地遊園地遊園地  エンドレス・・・・・・・・

「いや。行きたくなかった?」

「行きます!行きますとも!行かせてください!!!!!!!」

思わず叫んでしまった・・・。

虚しい・・・私の声だけが部屋に響く。

「じゃあ。10:00に遊園地のアーケード前な!」

よっしゃ!!!!これで星那との初デートだぁ~~~~~~。

楽しみだなぁ~。

「あっ。待って!」

もう切るってゆうところで私は止めた。

「何?」

「あの・・・。ももはいいの?」

「え?だって新聞屋さんに貰ったチケット2枚しかないし・・」

「いや。そうじゃなくて。私でいいの?ももは星那の彼女だよ?」

当たり前のことを私は自分で言ったくせに、一人寂しくなった・・・。

「あぁ。実はね、ももなんだけど、本当は俺の彼女ってよりも幼馴染みたいなもんなんだ。前は彼女だって断言したけど、なんてゆうか・・・。その・・・・。ももが一人のとき、一番近くでそばに居たのが俺だったからももも、俺がそばにいるのが普通だと思ってるんだと思う。

それに今は桃より大切な人が俺にはできたから・・・。

え・・・・。

それって。それって。それって!!!

好きだってこと!?

「えw俺なんか外したっぽい?」

一人で慌てる、星那が可愛く見えた。

「ううん。じゃ10:00ねぇ~!!また土曜日ね。」

プツッ・・・・・。

でも、桃は星那のことが・・・・・。

神様・・・。よかったのですか?私たちは両思いになってよかったのですか?

「もも~!おはよう!」

翌日、私はできるだけ普通に接してみた。

大丈夫・・・・。

でももし、私たちのことがももにバレたら?

でも結局はももと星那は付き合ってないんでしょ?

じゃあ大丈夫なんじゃないのか・・・。

そんな色々な思いが頭の中を駆け巡った。

「あっ。夏空。」

土曜日。初めてのデートだってゆうのに私はどうしても楽しめない・・・。

どうそればいいの?

「おはよう!」

どっくんどっくんどっくん・・・。

「どうしたの?やっぱり俺と来たくなかったかぁ~」

星那・・。違うよ・・・。星那は悪くない・・・・。

全然悪くないんだよ・・・。悪いのは私・・・。

ごめんなさい・・・・。

「ごめんね・・・・・。違うの。」

ボロボロと涙が零れる。

「どうしたの?何があったの?」

心配そうに私を覗き込む。

私に何がなったのかな・・・。

この1ヶ月に。  私の未来は目で追えないくらいすごい早さで変わって行ったんだ・・・。

「私・・・・。ここに居ていいのか分からないよ・・・・。」

ぎゅっとスカートを強く握り、私は搾り出すように言った。

前を見るのが怖くて、星那が今どんな顔してるのか分からない。

「どうして?」

星那はすごく不思議そうに言った。

「・・・・だって、ももの方が先に星那と結ばれた・・・なのに私は横取りして今星那とデートしてる。こんなのももになんて言ったらいいか分かんないよ・・・・。だから・・・・・・だから、私今日、星那とデートはできないよ・・・」

必死の思いでそれだけを言い終わると立ち去ろうと星那に背を向けたそのとき。

「いいんじゃないの?」

ポツリと私の背中に言葉が降ってきた。

「え?」

あまりにも驚きすぎて、後ろを向いた。

「俺が・・・・。俺が桃より夏空を選んだだけじゃん。夏空が桃に文句言われる筋合いないよ。俺の勝手な考えだし・・・。それに・・・・えっと・・・あの・・・」

星那はどうやら私を引き止める野に必死みたい・・・。

なんか言葉に詰まってきてるし・・・。

私は星那の言葉が何よりうれしい。

花束よりも、ネックレスよりも、指輪よりも、ずっとずっとこっちの方がうれしいよ・・・・。

「・・・・・わかった。」

まだ乾ききっていない涙の後を隠すようにして拭いながら静かに・・・でも笑顔でそう答えた。

「行こうか!」

そっと私と星那の手が触れ合って、ぎゅっと強く繋いだ。

ふわふわと温かい大きな大きな星那の手・・・・。

私・・・よかったのかも・・・ここに来て。

それから私たちはすごくものすごーく定番中の定番を楽しんだ。

「もう、4時だよ~」

「つ、疲れた・・・・」

もう4時か・・・・。お別れだよ・・・・。

寂しいなぁ~。

「帰る?」

「アイス食べたい!」

少しでも長く長く星那と居たい・・・。

離れたくないよ・・・。

アイスショップの定員さんからチョコアイスを受け取りながらそんなことを考えていたときだった。

「え~。うそぉ~。」

「あはははは。それでさぁ~」

ぴくんと耳が動いた気がした。

この声は間違えなく桃だ・・・。

どうすればいいの?こっちに来ちゃうよ。

ぎゅっと星那のTシャツの裾を握り締めた。

「大丈夫だよ。」

星那はにっこり微笑んでそう言った。

でも。でも・・・・。

心配する私とは打って変わって、星那は桃の横を通り過ぎようとしていた。

「星那ぁ~・・・」

小さな声で星那を呼んでも何も言ってくれない。

チラッと前を見たときだった。

パチリと桃と目が合ってしまった。

どうしようもないくらいにそこの空気が凍りついた。

でも絶対に目は逸らさない。

逸らしたら負ける・・・。

じぃーっと桃を見つめていると、キッと睨まれ桃は目を逸らしてしまった。

どうしよう。

やっと・・・ここでできた。

初めての友達なのに・・・・。

仲が悪くなったりしたら私・・・・私・・・・

私の未来は、過去を無視して進み始めた。

神様・・・。

私は、恋・友情。どちらとも両立することはできないのですか?

私は、どちらを大切にすればいいのですか?