「へぇ~。じゃあなっちゃんと夏空は知り合いだったわけか~」
私・・・、何やってんだろう・・・。
自分が傷つくことくらい知ってるのに・・・。
馬鹿だ。大馬鹿だ・・・。
「なっちゃん。カッコいいでしょ?あっ。でも取っちゃだめだよ!」
「取らないよ!ももが悲しむことなんてしないしぃ~」
うん・・・。取らないよ。
多分・・・。ううん。絶対。
「あっ。ごめんねぇ~。今日用事あるんだぁ~。切るね。」
「うん。バイバイ~」
夏北から帰ってきて2週間。
今日は土曜日。 今まで言ってなかった、星那くんとのことを素直にももに打ち明けてしまった。
「馬鹿だろ・・・。」
もう、後戻りなんてできない。
「私もちょっと出るか・・・。」
片手にバックを持ち、
「ちょっと外出てきます~。」
「いってらっしゃい。」
今日は珍しく家に居た叔母さんに一言声をかけて家を出た。
何しようかなぁ~。
ブラブラと当てもなく街を歩く・・・。
最悪だよ・・・。
初めて好きになった人が彼女もちなんて・・・。
ふいにあっち側の歩道見た。
「あっ・・・・・・・・。・・・・・っ・・・・・・」
何も言えなかった。
ただ見て見ぬフリしたかった。
あんな・・・。
星那くんの楽しそうな顔見たくなかった。
私って運が悪いよね・・・。
よりによって、ももと星那くんがデートしてるとこ見ちゃうんだもん・・・・。
ポタポタと涙が落ちた・・・。
初めてだよ。涙が出たのなんて。
恋ってこんなに辛いもの?
ただ、好きな人の笑顔が自分に向けてもらえないくらいで?
・・・・・・辛いよ・・・・・・。
でも、もしもあの時・・・・。
星那くんと出会ってなかったら、今私は幸せだった・・・・・・・・?
もも・・・・・。
ももが羨ましいよ・・・・。
でも絶対親友の彼氏なんて取れない・・・。
「もぅ・・・。いやだよ・・・・。」
昨日の今日で星那くんのこと好きになったなんて、そんな都合のいい話ないよ・・・。
なんで私は、星那くんを好きになったのか・・・。
助けてよ・・・。苦しい・・。
その場には居れなかった・・・。
早くどこか遠い場所に行かなきゃ。
急いで・・・。
ドンッ。
「あっ。すみませ・・・・・」
急ぎ足で歩いていると、男の人にぶつかってしまった。
でも、私は振り返った男の人を見て正気では要られなかった・・・・。
「あ・・・・。なん・・・・・・で・・・・・?」
上手く言葉が出ない・・・。
「な・・・・つか・・・・・?」
あっちも驚いたような表情だった・・・。
「お父さん・・・。」
「こっ、ここで話すのもなんだし、店に入ろう・・。」
なんで私はよりによってこの人にぶつかったの?
今は・・・一番会いたくなかった・・・・。
「いらっしゃいませぇ~」
「お父さん・・・。私。いつかお父さんに会ったら言いたいことがあったの。」
「なんだ?」
今まで一番言いたかったこと。
これだけはなにがあっても言いたかった。
自分のため・・・。お母さんのために・・・。
「ねぇー。なんで・・・・・。なんで、お父さんはお母さんの何がいけなかったの?」
「は?」
私が今にも泣きそうになるのを堪えて言った言葉にお父さんは何を言ってるんだという感じでかえしてきた。
「だから!お母さんとなんで別れたのかって聞いてんだよ。聞こえねーのか?お母さんはねぇ、あんたが家出てってからもあんたのこと忘れたことなんてなかったよ。いつも向日葵見るとお父さんのこと言ってた・・・。」
目に涙をためて私は必死に言った・・・・。
でもね・・。コイツには通じないみたいだよ・・・。
私の思いもお母さんの優しい想いも・・・なにもかも・・・。
「何が悪かったって?俺には刺激が足りなかったんだよ。ただ愛されてるだけじゃ俺はつまらなかった。俺はもっともっと刺激が欲しかった。」
コイツは・・・・。ふざけてんのか?
刺激が欲しかった?だた愛されてるだけじゃつまらない?
お母さんが・・・・。
「お母さんがどれだけあんたみたいな奴を愛してたか知ってて言ってんの?」
店内には私の声だけが響いた。
「それでも親に対しての口調か!?」
アイツは負けじと言い返してきた。
「あんたなんかもう親でもなんでもないわよ!!!!」
私の中の何かが音を立てて崩れ落ちた。
もう死にたいや・・・・。
これは・・・きっと・・・。神様のイタズラだ・・・。