もうそろそろ、夜も明ける・・・。
結局、昨日はあのまま、ぼーっと遠くを見つめたまま。
「荷物。まとめに帰ろうかな。」
もう今日で、あの家ともお別れだってゆうのにあたしったらなんでここに来たんだか・・・。
「ふぅ~」
ため息しか出ない。
「空は広いなぁ~」
ふいにそんな言葉を口にしたときだった
「今日は来てんだね。」
男の子の声がして直感的に後ろを見た。
「横だよ」
くすくす笑うその子の言葉で横を向くと、私の隣に男の子が座っていた。
「誰ですか。」
常識的に考えて最初は普通こんな質問するだろう。
「う~んとね。星那(せいな) 。」
顔を歪ませながらう~んと何回も唸った挙句に出てきたのがこれ。
「は?誰もあなたの名前なんて聞いてないです。」
「え。あ、ごめん。」
頭を掻きながらニカッと笑った。
「で。どうして私のことを知ってるんですか?」
あまり誰とも交友関係を持ちたがらない私のにとってこれは最も不思議だった。
「そういえば、今日はお母さんは一緒じゃないんだね。いつもここにくるときはお母さんと一緒なのに。もしかして家出?」
「なぜ、そこまで私ことを知っているの?」
ふっと笑って彼は言い始めた。
「初めてここに来たのは4歳のころだったかな?深い林を抜けると、小さい女の子とお母さんらしき女の人が二人で空を見上げてるのを木の木陰から見てた。
それからとゆうもの俺はここでお昼寝をするのが日課になった。
君たちが帰るのを待ってね。」
そんなに前から・・・。
「”空ってなんでこんなに大きんだろ~”」
それって。あたしが・・・。
「不思議と俺もそれが気になって、この10年間ずっと答えを探した。」
遠くを見つめながら彼は静かに言った。
「でも結局答えは見つからないまま。」
「わ、私、天音夏空。」
さっきでは絶対に言わなかったような言葉を口走っていた。
「空久保星那(そらくぼせいな)」
星那くん。かぁ~・・。不思議な人だな。
「俺ね。探して探して、ヒントが見つかったんだ。」
「ヒント?」
「うん。人は、出会い別れを繰り返して生きるでしょ?一期一会も大切だけど、それじゃ寂しすぎる。
だから空は、別れても人々がどこかで繋がっていられるように大きく広くなったんだよ。」
人と繋がれるように・・・。
「そうかもね。」
もしかしたらこの空のおかげでお母さんとも繋がっていられるのかな。
そうだとうれしい。
「私のお母さんねぇ~。昨日死んじゃったの・・・。」
坂の下の街を見下ろしながら静かに言った。
「え。あん「癌だった」」
星那くんの言葉をさえぎって私は言った。
「あたし、今日この町から出るの。小さい頃からお世話になってた叔母さんの家に居候することになったの。」
「じゃぁ・・・。」
「そう。もうここのくることもない。星那くんと会うこともなくなっちゃうんだよね。これはちょっと寂しいかな・・・。」
「夏空ちゃん?」
後ろから叔母さんの声がした。
「もう行かなきゃ。今日会ったばっかりなのにね。」
「今日会えたんだから、また逢えるよ。だって俺たちはこの空で繋がってるんだから。」
星那くんは何を考えてそう言ったのか分からないけど眩しそうに空を見上げていた。
「そうだといいなぁ~」
「またね。」
「バイバイ。夏空ちゃん。」
ニッコリと笑って手を振る星那くんを背に歩きながら
「ありがとう!」
と大声で叫んだ。
きっとこのときから私の未来は変わったんだよね。
不幸の積み重ねから手を差し伸べてくれたのは貴方だった