レントゲン | 筋肉ドクターの気まぐれ日記

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Killing Timeに日記を書き候

 

 

 

レントゲン撮ってもらえと言われたと受診される患者さんがいる。

 

誰に言われてかと聞くと、柔整師に、整体で、ケアマネに、保険会社に、警察に、親になど様々だが、医者じゃないことばかりだ。

 

レントゲンってのはX線ですから被曝するわけです。

特にCTは被曝量が多いことが知られています。

何でも広島原爆で微量線量の被曝でもがん発症が多かった量以上とか。

 

そうなんです。放射線被曝すると、がんのリスクや流産や免疫異常など、危険なものなんです。

 

で、そう言われたと来た人を診察すると、全然レントゲンを撮るような症状じゃないことが多かったりします。

検査ってのは特に侵襲的なものは、基本的に何か知りたいためにやるもんじゃなくて、その検査の如何によって治療方針が変わる場合などは必須になってきます。

検査結果によって対応が変わるのなら検査しなければなりません。

検査しようがしまいが治療が変わらないのなら調べるだけ無駄で、医療を肥やすためだけに行われているわけです。

 

なので、まともな医者なら無闇に検査しまくったりしないもんです。

それでもX線検査による被曝量は我が国は世界一だと聞きます。2位のアメリカの倍くらいだったかな。

唯一の被爆国が自ら進んで被曝していると揶揄されたりもしてるとか。

 

ですから、よく診察して必要な検査はして早く良い状態に戻すために医療をしている医師にとって、適当に素人がレントゲン撮った方が良いなどとリスクも知らずに言うのはどうかと思うのではないでしょうか。

その人の将来のがんリスクが上がることを承知で、責任をもって言ってるのでしょうか。

 

一度、幼稚園のバスが事故して、それを診た脳外科医が撮る必要がないと言っているのに、幼稚園の先生がヒステリックに私の責任で全員の頭部CTを撮ってくれって迫って、仕方なく撮っているのを見たことがあります。

私の子供なら、その先生にどう責任取ってもらおうかなってところですよ。

 

素人のレントゲン撮ったほうが良いは要注意です。

ちなみに他科でも医師に言われたと受診に来られた場合は、本当に必要なことしかありません。

プロの医師はそういう無責任なこと言わないですからね。