原因 | 筋肉ドクターの気まぐれ日記

筋肉ドクターの気まぐれ日記

Killing Timeに日記を書き候

よく患者さんで、ある症状があって原因が分からないのでと来られる方がおられる。

そういった方は、原因はどうあれ近々治りそうだと伝えても、不服そうな顔をする。

そういう方は原因を知りたいのであって治ることはどちらでも良いのでしょう。

 

しかし、そういった考え方は科学的では無い。

科学は全てが因果律であることを既に反証している。

同じ原因であっても結果がことなる複雑性、偶然というものがあることを証明しているし、あなたが生きている、この世があるといった、原因が無くても存在することを前提にしなければ、科学もクソも無い話もある。

なので、原因を知りたくても原因が無いものの方がもしかしたら多いのかもしれない。

同じところで同じ生活をしている人が違う病気を発症するなんてことはよくあることですし、そこに原因を求めても仕方が無い場合が多い。

 

また、動的平衡を保ちながら変わり続けるのが生物ですから、人間変わり続けるのが普通なわけです。

変な症状が出ることがあっても平衡状態が保てれば問題無いわけです。

変わり続ける以上、変に感じることがあるのが普通なわけです。逆に変化が無い方が不思議なわけです。

なので、予後の良いもの、良い結果が予想されるものに原因を求めて不安がっても仕方が無いと思うわけです。

 

原因も不確かなのに、適当にこうだからとか言う医療者の方が私は信用なりませんが、原因主義の方々はそういったカリスマ治療家のような人があなたの原因はこうだとか言われると、この人は凄いとか嵌っちゃうんでしょうね。

 

あなたが今痛いのは、昔こんなことをしたからだ、顔がこっち向いているからだ、体の姿勢がこうなっているからだ、知らない間に打ったから捻ったからだ(柔整師はこう言わないと保険が通らない)、親がこうだからだ、前世がこうだからだ、こんな食生活しているからだ、生まれた時の正座がこんなんだったから、生まれ年がこうだから、こんな環境に住んでいるからだとか、何とでも適当に言うことはできますからね。