こんにちは。
1週間ほど経ちましたが、静岡例大祭ありがとうございました。
前日入り、当日帰りの1泊日程でしたが、グルメも歴史も堪能して参りました。
では、恒例の全曲解説いきます。
1、NO LOSER, NO WINNER(今宵は飄逸なエゴイストLive ver)
歌:まいなすいょん
このような曲がタイトルチューンとして1曲目を務める。これを以てようやく円熟と自称できるのではないかと思っています。
クリーントーン&ディストーションの両ギターアンプ、そしてベースアンプは、新しいものを使っています。実に輪郭のはっきりした、より感情を伝える事の出来る音になったと思います。
歌詞、メロディ、ギターリフ、ソロ、全てがドラマティックで、私自身も心の満足を得られる作品です。
リフ、ソロ共にギタープレイ全般から、OZZY OSBOURNEやDioのヴァイブを感じます。
2、Masquerade(亡失のエモーション)
歌:Yu-ta
ラフを送った段階から、Yu-ta君が「今までと違うスタイルですが、凄くいい曲ですね!早く歌いたいです!」と言ってくれた曲。コード理論を駆使した耽美世界。
2番に登場する、「ペルソナの蜃気楼」という歌詞がお気に入りです。
力一辺倒で押すスタイルではなくなった、近年の彼の歌唱が、曲調と非常にマッチしていますね。
作曲当初、この”サビをワンワードで聴かせるスタイル”の楽曲には、Dummyさんが適任なんじゃないかと考えました。しかしそれだと耽美世界にならず、"大工の源さん"って感じになってしまうので。
発売直前まで、これが1曲目でした。
3、ムーン・アタック!(憑坐は夢と現の間に Necro-Fantasia)
歌:Dummy
出来上がった「NO LOSER~」をボスに聴かせた時、「良い曲だが、これが1曲目にはなり得ない」と言われまして、新たに1曲目候補を作りました。
それがこの曲です。
Star DustやSTAY INSIDERぐらいキーが高いのですが、C#ぐらいまで出しても全く怯まないDummyさんのパワー。間違いなくIRON ATTACK!で歌うようになってパワーアップしてますね。これは勇舞の時もそうでした。
曲のスタイル的には、何になるんでしょうか?あんまりジャンルとか詳しくないんですけど。自分の好きな音楽を作ると、たいていはジャンル不明です。まあアーティストの価値というのは、人と違うところにあるわけですから、それで正解なのだと思います。
4、Lights of deliverance (輝かしき弱肉強食の掟)
歌:Jinn
これも”1曲目に相応しい”と思って推薦した曲です。Jinnさんも「傑作」として推していました。
曲は、改めて聴くとびっくりするぐらいGAMMARAYっぽいですね。それが、GAMMARAYの何の曲かというのはわからない…というのが面白く、興味深いです。私の深層心理に焼き付いた原風景的GAMMARAY。
ギターは、カビネットの鳴りまでしっかり収録されています。ちょっと前のジャーマンメタルみたいな音ですね。
ソロ後にしか出てこない部分(Cメロというんでしょうか)のメロディが、特にお気に入りです。
5、Depths of void(地底に咲く薔薇)
あれですね。様式美系ギタリストが、1アルバムに1回ぐらいやる、バビロン系というか、カロン系というか。
中近東音階を使ったヘヴィなインスト。何度も登場する主題が、毎回違うというアドリブ感が良いです。
途中に入るBlack sabbath的なヘヴィリフのパート、その後のリード。このあたりの、弦にピックや指が擦れたノイズ(とは言わないのですが)もしっかり入っていて良いですね。音楽がデジタル化して以降、ミックス段階で消去される傾向のこうした音ですが、これらはアーティストが生きている証拠であると思います。
6、Flashing raid!(あなたの町の怪事件)
歌:中村拳一郎
拳ソング。いつもの調子で安心します。今回もいいぜ!みたいな。
拳さんはメタルを(というか音楽を)全く知らないので、私との共通項はアニメソングしかありません。なので、どの曲もアニソン風になります。そもそも私の曲は、総じてアニソン特撮風なのに。
ジャーマンメタルのアニソン風味ともいう。そもそもジャーマンメタルがアニソンっぽいのに。
ただし、ここでアニソンと呼ぶ様式は、'70~90年代のそれを指します。
この曲も、「これが1曲目ではどうか?」と提案しました。
収録は、2020年11月ぐらいです。拳さんは自身で所有するレコーディング環境が無いので、スタジオを借りて私と2人でレコーディングする(ノーマスクで同室に長時間)形になるのですが、感染拡大前になんとか収録でき、命拾いしました。
7、Snow assault(妖精大戦争)
もはや説明の必要は無いかと思いますが、「帰ってきたフライングアロウ」です。新日本の、その他の試合結果ですね。
ニュアンスの出し方、運指、音作りなど、めちゃくちゃ難しかったです。
Marshall 800(50W)に、BOSS DS-1でブーストしただけの音。良いシーンでは、Cry babyを半開きにして、ミッドブースターとして使用しています。踏み込んだ時に、ちょうど半開きで止まるよう、500円玉を4枚重ねて置いています。
ピックは、先端の尖った部分ではなく、丸い角を使って、若干ギザギザした滑り止め部分も当てる事で、独特のトーンを出すようにしています。
OVA「課長王子」思い出しますね!
8、憂鬱なスミレは閉じない夢を見る(各々の結末)
歌:まいなすいょん
「全曲 1曲目候補だった」という異例の本アルバムに於いて、作曲段階から「ラストに収録確定」だった曲。
3拍子の曲も、'80~90年代アニソンに多い様式ですね。主にシリアス系や劇場用の。
アコースティックギターでギターソロを弾くのは、しすぷれ以来じゃないでしょうか。まいなすいょん曰く、ソロ中、の「2:38~」あたり、そして「2:47~」が、「雨が降っているよう」だそうです。奇しくも、その後の歌詞で雨が降ります。全く同じ感性の下、見事に表現世界が合致し、グランドクロスのように傑作が生まれました。
エレクトリックギターも、情感たっぷりに演奏しました。歌唱は、敢えてビブラートを抑え目にし、子供の様に歌ったそうです。