人間以外の戦争犠牲者 | Another Studio Jurassic Emotion

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管理人のIROMONO-MANが日々思ったことを色々綴るblogです。ただし、絶望的にくだらない内容ですのでご注意ください・・・。

 本日、終戦記念日ということで大阪府岸和田市にある「きしわだ自然資料館」で「ゾウのいない動物園~動物園は平和なり~」という講演会が行われ、それを聞きに行ってきました。

 内容は、戦争と動物園に関することが中心で、あの「かわいそうなゾウ」で有名な上野動物園の3頭のゾウ、トンキー・ワンリー・ジョンの悲劇の話についてもありました。第二次世界大戦中、空襲で檻が破壊されて逃げ出して人を襲ったりする危険性があるという理由で、上野動物園にあの悪名高い「猛獣処分」の命令が出ました(講演会では軍の命令ではなく都の命令であるというようなことが述べられていたような気がします。)。そんな中でライオン、トラ、ヒョウ、クマ等が毒殺や絞殺で殺されました。トンキー達ゾウも「猛獣処分」の対象でした。処分方法として、例えば毒入りジャガイモが使われました。しかし、ゾウはそれを見破って食べませんでした。しかし、長い絶食の為、ゾウ達は結局餓死してしまいました。そんな「かわいそうなゾウ」のアニメも上映されまして、その中でトンキーが、まだ平和だったころ芸をしてその褒美としてエサを与えられていたためか、芸をしてエサをねだるシーンが印象に残りました。

 家族同然に大切に育ててきた動物たち。それを殺さねばならなくなった動物園関係者たちの心境はまさに極限状態だったでしょう。戦争という人間たちの所業のために、何の関係もなくもの言えぬ動物たちが犠牲になっていったのです。

 さらにこの猛獣処分の後、慰霊祭が行われたそうです。これで殺された動物たちは「お国のために殉じた」などと言われたそうですが、これは今となってはおこがましい詭弁にしか聞こえません。

 それどころか、上野動物園以外でも猛獣処分は行われました。理由もやはり「空襲で逃げ出す危険性」・・・・・。

 熊本市動物園では「エリー」というゾウを電流を流したプールで感電死させようとしたらエリーはそれを見破ってかプールに入ろうとせず、最終的にはエリーの大好物のイモを先につけた電極をくわえさせて電流を・・・・・。

 このような悲劇が第二次世界大戦中の日本で繰り返されたのです・・・・・。

 

 猛獣処分以外でも、戦前の人気チンパンジー「リタ」が軍服を着せられて戦意高揚に利用されたりなんてこともあったそうです。

以前にも述べましたが、ネットサーフィンをしていると、太平洋戦争を古い呼び名である大東亜戦争と称して、聖戦であるとか正しい戦争であるかというような主張のサイトがいろいろあります。これらのサイトでは日本軍は戦争中虐殺などの非道はやっていないとも主張していることもあります。しかし、猛獣処分は明らかに事実です。日本の戦争を「聖戦」とか「正しい戦争」とか主張している人々は猛獣処分の事実をどう思っているのでしょうか。何気に気になります。