いそしぎ と
コルコバード を復習した。
二曲とも、
静かなボサノバでゆっくり歌いたい。
師匠からは、
「慌てずに、
もったいぶって歌いましょう。
情熱的な声は、
そう簡単に聴かせてあげなくていいのよ」
とのこと。
もったいぶって歌う、
難しい!
ためて歌ったり、
息の声のまま囁いたり、
淡く深く響かせたり、
空気を纏ったり、
一瞬だけ押したり、
波のようにすぐに引いたり。
“待てない性格”の私には、
どれも、じれったい作業。
何より、恥ずかしい。
だけれど、だんだんと、
そう感じなくなってきた。
声を深く、
体の底まで、
さまよいながら旅していくと、
慌てるとか、
もったいぶるとか、
じれったいとか、
恥ずかしいとかいう概念はなくなる。
体内を巡る声の響きを味わい、
心地よく発し、
ときどき、我を忘れる。
もしかして、これが、
ギタリストさんが言っていた
ゾーンに入るということなのだろうか?
ちか