『花咲小路四丁目の聖人』小路幸也(ポプラ文庫)
舞台は花咲小路商店街。
英語塾を営む亜弥の父は日本に帰化したイギリス人で、既に隠居の身だが、その実、若いころは美術品を中心とする泥棒として名を馳せていた人物。
商店街で起こる事件をその手腕で解決していく。
っていう感じのお話。
小さい事件がちょっとずつ起こって、それがいつしか大きな陰謀絡みの商店街存亡にかかわる大事件に繋がっていく、流れ。
好きな雰囲気だった。
種明かしというか、事件の裏側を紐解いてみれば、
え、そんなこと可能なの?とか、
ご都合主義な気も…とか、
ツッコみ所は満載だけど、勧善懲悪な感じで。
いや、世紀の大泥棒がやってることなので、悪を持って悪を征す、みたいなのか。
読み終わって、すっきり。
スカっとする、っていう程、ストーリーテーラーの亜弥が事件について実行犯として絡んでないから、
ほんと、傍観者として事件のあらましが判明してすっきり。
こういう読後感の話好きだなぁ。
第二弾、主人公を変えて出てるみたいだから、読んでみよう。
それにしても、亜弥のパパの聖人さんは、すごいな。
周りにいる協力者とどうやって連絡取ってるのかが気になる…。
亜弥がパパと連絡取る時に、電話でホテルに問い合わせる、っていうのは使ってたけど。
協力者もどういった人たちが、どんな風にやってるのか。
そこらへんは、結局かなり謎のまま。
めっちゃ『ジョーカー・ゲーム』を思い出した!w
三好とかが協力者にいたら、心強いことこの上なし。
最後のパフォーマンスを展開するための下準備に、D機関が暗躍する姿がちらついちゃったから。
というか、この亜弥パパの見た目が、私の中でかなりマイルドになった「結城中佐」だったという、ねw
魔王、こんなところで隠居してたんですか、みたいなww