カンヌ国際広告祭 パート1:EARTH HOUR | 色塾BLOG-

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日々のビジネス・社会に対する思いや、起業に向けた考え、読書に対する感想など様々な話題を、海外で働くマーケターとしての第3者の視点から展開。

昨日、カンヌ国際広告祭の受賞作品をざ~っと見た。

どれもこれもが個人的にすばらしいとは言い切れないが、かなり心の動くフィルムやプリント広告たちだった。


特に気に入ったのは、WWFによる「EARTH HOUR」というもの。

シドニー(?)の電気を1時間だけある日、止めるというキャンペーン。

http://www.canneslionslive.com/titanium/win_22_1_00265.htm



別に、キャンペーンアイデアといい、エクセキューションの中身といい、「特に!ここがすごい!」というところがあるわけではなく、NPOの名のもとにパブリシティとりまくったという類のものに見えるが、1日に何百人もが同じ1つのイベントに参加をして、電気をとめ、環境問題について考える時間をつくったという規模の大きさとエクセキューションの徹底ぷりはやはりWWFだからこそなせるのかもしれない。


このキャンペーンが成功したのは、まさにアイデアというよりも、消費者のインサイトをぐぐっと捉えたからに過ぎない。


しかし、マーケティングといっていいか、広告といっていいか、イベントといえばいいだろうか。

少なくともそのような類のものが、世の中に役立つ形で人の心理をも変えていけるものであることは理解した。



遡れば2年前。僕がマーケティングをすると決めたころ、1番の疑問はここにあった。

「マーケティングはニーズをただ満たすものなのか?それともニーズさえも作れるものなのか?」

という大命題。


弊社の人間の多くは、「ニーズを満たすもの」という答え方をしていたと思うし、内定式でもそのような質問をしたときの社長の答えは、「ニーズやインサイトを探ることがマーケティングだ」といっていたと思う。


僕はその答えに不満だったし、もしマーケティングがただニーズを満たすためのものであったら、絶対にこの道には進まなかった。僕は、周りがなんといおうと、「マーケティングとは、何らか人のパーセプションをコントロールすることで、あたかも欲:ニーズを作り出すこと」であると感じていたし、だからこそマーケティングを学ぶことに決めた。


(とはいっても、マーケティングは最後はニーズやインサイトを理解することであり、そのニーズやインサイトがもともと存在しているものなのか、もしくは作り出されたものなのかは証明ができない限り、議論をしても仕方ない。ということで、別にどの人のいうことも間違っていないと思う。)


ただ、僕なりの答え方でいえば、

「マーケティングは確実に、トレンドを創造し、ニーズを創造できるスキルである」

ということがやっと明確になってきた。



であるとするならば、次の大きな疑問は、

「僕はマーケティングというスキルを消費財を売るために使いたいのか?」「僕はマーケティングというスキルをビジネスという視点である会社に貢献するために使いたいのか?」「僕は金儲けのためにマーケティングを使うのか?」であるが、答えは明らかに「NO」となる


であるならば、もう一度、自らが求めている「夢」に向かって、マーケティングという道具を早く使いこなせるようになって、すぐにでも自分のやりたい方向性でそのスキルを発揮するべきだという強い衝動に駆られるわけだ。


カンヌ広告祭から、僕は、広告・マーケティングの強いパワーを感じた。

本当に芯から、このスキルを早く身につけて世界に役立つキャンペーンを作りたい。と強く思ったし、

この分野でのスキルを学んでいることに感謝した。



正直言って、僕はまだまだ未熟者である。


が、強力に作られたプロセスにがんじがらめの中で、僕は果たして自分の身に着けたいスキルをもっとも効率的に手に入れられるのだろうか。


僕は、プロセスマネージャーではない。


ジェネラルマネジメントがいなければ、キャンペーンは成立しないから、そういう役職が必要である。というのは真だと思うし、強力なジェネラルマネジメントがいるかどうかで結果は左右されるのかもしれない。


僕は今、そのための訓練を受けているのかもしれない。

でも、実は本当はもっとクリエイティブに生きたいと思っているのかもしれない。