今、地上波で2002年の朝ドラ『さくら』が再放送されています。
(まだ始まったばかりなので今からでも間に合います。NHKプラスでも過去1週間分は観られます)
NHKプラスで観てて、割と面白いんですが、21年前のドラマ(放送と同じ2002年が舞台)なので「今だったらこれハラスメントだよな…」って言動が目につくんですよね。
そういう、違和感を覚えたところを書き出してみました(増え次第追記していきます)。
(※このブログは『さくら』を炎上させるために書いたんじゃありません。
21年前のドラマだから当時の視聴者や制作者の感覚が現代と違うのは仕方ないことです。
今の私達の感覚だって2044年から見れば問題ありまくりだと思います。
『2002年ってこういうのあったよね〜。問題にもならなかったよね~。今からすればびっくりだよね~』程度の独り言です。
関係者への誹謗中傷は絶対にやめて下さい)
そもそも『さくら』とはどんなドラマか?
ハワイ出身の日系アメリカ人「エリザベス・さくら・松下」が1年間、岐阜の男子中学校で英語指導助手をする話です。
さくらは初めて日本に来ました。ハワイでも家では日本語を話していたので日本語も英語もペラペラです。
ドラマはコミカルなタッチで進みます。
以下、私が違和感を覚えたところ。
・桂木慶介先生の言動がセクハラ
さくらが赴任先の学校に行く途中、温泉に立ち寄るのですが間違えて男湯に入ってしまったんですよ
幸い服を着ていたんですがね。
その時に桂木慶介(後に、保健体育の教師だと分かる)が温泉に入ってきて「ねえちゃん、ここは男湯だ」と指摘するんです。
そこまではいいんですが「ねえちゃん、一緒に入ろうよ」って言ってさくらを押し倒すんです
怖い。
だって、見知らぬ男にいきなり温泉に押し倒されてずぶ濡れですよ?
現実にやったら通報されますよね?
2002年の感覚でも通報ものですよ。
当時の少女漫画に「壁ドン」ってあったのか知らないけど、脚本家は「壁ドン」感覚で描いたのかな?
いや、初対面に壁ドンされたら(温泉に押し倒されたら)怖いだけだから。
現実にも婚活で、よかれと思って壁ドンした男性がいるらしいですが、相手の女性が怯えて失敗したそうです。
っていうか普通は失敗しますよ。
話を桂木に戻します。
さくらはバスに乗り遅れたのでヒッチハイクするのですが、拾ったのは桂木。
さくらはさっきの温泉の男だと気づき、桂木を痴漢呼ばわりします。
実際、知らない女性に「一緒に(温泉に)入ろう」と言って押し倒したんだから痴漢で間違いありません。
(このあと、警察沙汰にもならず、さくらが他の教職員にも相談しないので問題にならないのですが、せめて校長か教頭に相談しようよさくら。なんのお咎めなしで教員にしたままはヤバいよ。
それと桂木とはケンカ友達みたいになるのですが『痴漢』を軽い口喧嘩のセリフにするのもどうかと思う。
痴漢って口喧嘩のネタにしていい存在ではないし、保護者が聞いたらギョッとしますよ)
そしたら桂木が「知らない男の車に乗るなんて不用心だ。危ない目に遭っても仕方ない」と言い返すんです。
この文脈だと「女性が一人でヒッチハイクしたら性犯罪に遭っても仕方ない」という意味に取れるのですが、被害者に落ち度があるように言って責めるのはやってはいけないことです。
しかし2002年だとこういうセカンドレイプは横行してましたよ。
「痴漢に遭うのは短いスカートや露出の多い服装で電車に乗るのが悪いからだ」とか、大人が普通に言ってた記憶があります。
私や友達が言われたことはないけど、痴漢に遭った女子高生にそういうことを言う教員や保護者も普通にいたはずです。
そんな時代にドラマの中の教員がこんなことを言ったら、ますますセカンドレイプが(問題行動だと自覚せずに)横行しますよね。
ドラマの影響力を考えさせられました。
他にも桂木はさくらのファーストネーム「エリザベス」を小馬鹿にします。
「エリザベスってもっとグラマラスで色気がある女の名前だろ」って言うのですが、人種差別スレスレの問題発言だと思いました。
(セクハラでもあるか?)
要するに「見た目が日本人で日本語を話す女性が『エリザベス』だなんておかしい」という、さくらの日系アメリカ人という人種やルーツを否定する発言です。
これが日本人の両親から生まれて海外にルーツが全くない娘さんの名前なら「変だよね」と思われるのもまだ分かるのですが。
(でも決して言ってはいけない)
日系アメリカ人の方や、ハーフで日本人寄りの見た目の方は子供の頃からこういう心無い言葉に傷ついてきたんでしょうね。
こういうの「マイクロアグレッション」って言うんだっけ?
さくらは教職員の寮で桂木と事実上二人暮らし。(寮母がいるけど住み込みではない。よって夜は二人きり)
お風呂が男女共用ですが、さすがに問題だよね?
寮なら男女別にお風呂があるはずですが…。
男子校でも教職員には女性もいますから。
少女漫画の同居ラブコメみたいなのを描きたかったんだろうし、ドラマだから目をつぶることもできるけど、現実的ではない設定ですね。
あと、さくらを「お前」呼びするのもどうかと思うよ。
まだ仲良くもないし信頼関係もできてないんだから。
そもそも知り合ってまだ2日目だし。
(その後、さくらは直接『お前と呼ばないでほしい』と伝えましたが桂木は全く相手にしませんでした。やめてと言ってるのにやめないのは問題)
教師としてはさくらは後輩だけど、職場で「お前」呼びはない。
そういう職場は今もあると思うけど、少なくとも私の感覚ではナシ。
今だったらパワハラの温床になるということで、職場では「お前」呼びは禁止だと思う。
実際どうかは知らないけど。
・男性教師(教務主任)が女性教師に平然とお茶くみを要求する
当時からこういうのは普通にあったと思いますが、
「なぜわざわざ女性教師を指名してお茶を要求するのか?(男性教師はお茶くみを要求されないのはおかしい)」
「来客にお茶をくめというならまだしも、自分用のお茶ぐらい自分でくめ」
「そもそも教師は給仕係ではない」
と、いろんな点で違和感持ちました。
今のドラマだったらこんな光景は描かないと思いますが。
当時は制作者の誰も違和感持たなかったんだろうな。
2023年9月19日の再放送(第十話)では、女性教員から「お茶くみは女性教員の仕事だから」と教わるシーンが描かれました。当然さくらは納得がいきませんが、こういうシーンを描いたということは少なくとも当時の制作者は「女性だけお茶くみ」がおかしいとかもう時代錯誤だと気づいていたとは思います。
・英語教師が「生きた英語」の重要性を分かってない(校長も分かってない)
昭和が舞台ならまだしも21世紀初頭でこれはないだろう(笑)
しかも校長ですら「うちは受験校だからネイティブの先生は必要ない。なぜ理事長が君を派遣したのか分からない」と言い出す。
発音が下手で英語もしゃべれない、聴き取れない人が英語教師なのはこの時代のあるあるですが(今もいると思うけどどうなんだろ)
2002年、平成中期にもなって英会話の重要性に気づかないってどうかと思う。
英語の沢田先生が気になるのは大学受験の結果や生徒達の普段の成績だけ。
「うちは受験校ですから」と、「生きた英語」重視のさくらの意見を即切り捨てる。
「いい大学」に進学するからこそ就職先で英語コミュニケーション能力が必要になるし、今や小学校から英語があるし、沢田が痛々しい。
でも実際いたんだろうな、こういう教師。
私の中学校、高校の英語教師はここまで露骨ではなかったけど、スピーキングやリスニングの授業なんてほとんどなかった。
っていうか校長ですら英会話の重要性を理解できてないってどういうことだよ?
2002年というより80年代か90年代の学校みたいだよ?!
さくらがハワイから東京の母方の祖父母(日本人)の家に行くまでは特に違和感もなかったんですが、岐阜に来てからモヤモヤするシーンが急に増えた。
XなどSNSやブログの反応は見てないんだけど、仮にこのドラマが今の朝ドラ最新作だったら『さくら反省会』が盛り上がる、つまり炎上するんじゃないか?
再放送だから炎上せずに済んでると思いたい。
Xの反応見るの怖いな~。関係者ではないのに見る気になれないわ。
桂木がいる限りモヤモヤするのかな?
さくらの相手役みたいだけど、さくらはハワイにロバートという婚約者がいるんですよね。
ロバートとはどうなるんだ?
婚約破棄? するならどういった経緯なのか気になるわ。
「嫌なら見るな」と言われそうですが、観るのは嫌ではないし面白いので観ます。
ドラマ自体は嫌いではないけど、違和感もあるってだけです。
続きはこちら。違和感があるところはまだまだある
https://ameblo.jp/iroirohitorigoto/entry-12821146851.html