私は00年代に高校生で現在30代なのですが、就職決まらずに大学を出た頃からずっと

「遅くとも高校生のうちにこんな進路指導を受けたかった」

「なぜ高校は生徒を(偏差値の高い)大学に行かせることしか考えないんだよ⁉(怒)もっと他に教えるべきことあるだろ⁉」

って思ってきました。

 

進路指導の現状は当時も今も多分あまり変化ないと思うので、「私が高校生までに進学先や職業選択について教えてほしかったこと」を箇条書きにしていきます。

 

(不登校や高校中退の方にも参考になるかもしれないのでタグをつけさせていただきました)

 

・文系学部を出たら職業の選択肢は事実上「男子は営業・女子は事務」しかないこと

(もちろん例外もありますが、それはその卒業生に何らかの才能や運やコネがあったからか、営業or事務を選ばないで済む努力をしたからです。

あと、特定の職業に就ける資格を取得すればこの限りではありません)

 

・00年代末期時点で一般職の募集のない企業が多いこと

(今はもっと多いでしょうね。メガバンクですら一般職の募集停止を発表していましたし。一般職は派遣社員に取って代わられています)

 

・そもそも「総合職」と「一般職」の違いを高1のうちから教えてほしい

(大学3年になってから『全国転勤なんかしたくないから総合職なんて嫌だ』とか『昇進できないの嫌だから一般職は嫌だ』とか思っても手遅れなので)

 

・社会人が一人暮らしする場合に1ヶ月いくらかかるか

(どこで働くかによって違いはあるでしょうが、『地元(地方)の場合』と『東京や大阪の場合』の両パターン教えてほしい。

 

今の高校は金融教育というものをやってるらしいですが、NISAだの投資だのの前にまず1ヶ月に必要な生活費を教えるべきでは?

 

・結婚して子どもが産まれた場合の1ヶ月の生活費

(進路指導じゃなくても家庭科で教えた方がいいと思う。住宅ローンや奨学金借りた場合はどうなるか等、考えさせる必要があると思う)

 

・大卒正社員に期待されるのは「中間管理職」である事実

(そもそも大卒だからって職場の人々をまとめるのが得意とは限らないんですけど。

しかし企業がそこを期待しているので、中間管理職を嫌々引き受ける人生が嫌なら高校生のうちから対策を取らなければならない。

そこを考えさせるためにも学校はこの事実を教えてほしい)

 

・お金より時間の余裕を取って非正規雇用になると貧困層になってしまう事実

(高校生には辛い現実ですが、高校生ならまだ回避する対策が取れるんですよ)

 

・手に職つけていれば非正規でもまだ求人があるし時給も高めだという事実

 

特に教えてほしかった事なのでもっと文字を大きくしました。

中高生向けの進路指導って「好きなことや興味のあることを仕事にすればいい」みたいなメッセージが多いですが、私は何も思い浮かびませんでした。

 

今の私が高校時代の私にメッセージを送れるんだったらこう言います。

 

 

「好きなことじゃなくてもいい。

興味がないことでもいい。

とりあえず『嫌ではない事』を仕事にできるように努力しろ。

 

私は未来のあなただ。

あなたは結構偏差値の高い大学に入学するけど、残念ながら就職はできない。

 

『こんな結果になるならこの大学に入るんじゃなかった。

転勤を課され、やりたい職種も選べずやりたくない職種に回されるかもしれない求人がほとんどだって高校時代のうちに知ってたら私は大学なんか行ってない。

 

営業と接客を回避するために何らかの資格が取れる大学か短大か専門学校に行って、資格を活かした就職をしたかった

 

って思うことになる」

 

ほんこれ。

 

ここでいう「資格」っていうのは「資格を取らないと就職できない職業」に就くための資格(業務独占資格)のことです。

 

 

私に向いているかはさておき、医療職はほとんどがそうですよね。

看護師とか、歯科衛生士とか、もちろん医師も。

 

「資格が必要な職業」ってそもそも、その資格を持っている人口自体が限られているので(誤解を恐れずに言えば)営業や事務よりも競争が少ないんですよ。

 

だから例えば看護師だと、結婚や出産で一度仕事辞めても(看護師の知識を忘れなければ)子育てが落ち着いてから再就職しやすいんです。

 

だからこそ女子生徒には特に資格職(業務独占資格)をおすすめします。

 

仕事が嫌いでも、生きていくにはお金が必要ですから。

男性の年収も減っているので、今どき専業主婦になるのを歓迎してくれる男性は少ないと思います。

(こういうことも高校で教えてほしかった)

 

法律上は資格は必要ありませんが、今高校生だったらITの道を行きたいですね。

日本国内はブラック労働そうですが、ITは海外でも需要ありますから。

やっぱりフルタイムの学生やって勉強した方が、ITに限らず新しい事を身に着けられますから。

仕事しながらの勉強なんて辛いですよ。体力的にも精神的にも時間的にも。

 

それ以外で高校生の自分におすすめできるものは

宅建(宅地建物取引士)

危険物取扱者乙種4類

電気工事士(第二種)

ボイラー技士(二級)

です。

 

どれも高校時代は詳しくは知らなかった。

けど宅建を持っている人じゃないと不動産会社で、不動産に関する重要事項の説明ができないって法律で定められています。

 

危険物取扱者乙種4類は、ざっくりいうとガソリンスタンドで必要とされます。

ガソリンは危険物ですから、この資格を持っている「危険物取扱者」が必要だと法律で定められています。

 

電気工事もボイラー工事も無資格でやると法律違反になります。

 

 

理系が苦手ではなければよかったのに。

 

高校生のうちってクリエイターとか音楽ライターとか「どうやって就くか分からないけど楽しそうな仕事」に憧れがちだと思いますが(私だけか?)

 

少なくとも高校生の自分にはそういう道は勧めない。

「なり方?大学行ってから考える」なんて思っても通用しないから。

(クリエイターや音楽ライターになりたかったわけでもないんですが)

 

あと「資格」と言っても民間資格は経験上、当てにならないものが多いです。

法律上その資格がなくても就ける職業は多いですから。

 

名前は出さないけど、例えば「ネイルの仕事に就きたいな~」とか思っているなら大学行きながらネイルの資格を独学で取るより高校卒業後すぐに専門学校行くなり、ネイルサロンで修行させてもらうなりした方がいいと思います。

 

ネイル業界にいない大学生や社会人がネイルの資格を取ったところで採用される可能性は、、、ゼロとは言わないけど望み薄いな、、、(ネイルアーティストを目指した経験はありません)

 

 

・将来なりたい職業がどうしても分からなければ、とりあえずアルバイト求人サイトを見て月給20万円(手取りはもっと少ない。15万~18万円ぐらい?)の求人を探せ

 

なぜバイトかというと「新卒で就職できなくてもチャンスがあるから」です。

正社員の転職サイトだと、前職で正社員経験がないとそもそもの応募条件(〇〇の実務経験とか)を満たさないので除外します。

 

今の物価を考えると本当は月給25万円ぐらいはほしいところだけど、日本は賃金の安い国なので妥協して20万。

 

アルバイト求人サイトだと大抵、介護や保育、看護師や歯科衛生士の求人が載っていると思います。

月給は地域や勤務先によって異なりますが、首都圏では非正規でも月給20万円行くことが多いです(こればかりは直接確かめてみないと分かりません。年によっても異なります)

 

他に何か興味のある職業があるなら「アルバイトの求人はあるのか?」「未経験OKの求人はあるのか?」を調べた方がいい、、、って高校のうちに教えてほしかった。

 

私はADHDなので医療や福祉の仕事は考えられないのですが

健常者だったら手に職つけて生活に困窮しないためにも看護師か歯科衛生士を目指していたかもしれません。

高校から人生やり直せるなら。

 

まとめると

「総合職が嫌ならば業務独占資格を取れ」

って高校時代の自分に言いたいです。

 

今も一般職だって新卒求人あるとは思いますが、今後どんどん非正規やAIにとってかわられて減っていくと思います。

 

(業務独占資格だって安泰ではありませんが、一般職目指すよりまだ希望を感じられます)