再度旧支所の監視員になるため向かうが、日章館の中を見ていなかったので立ち寄る。
日章館は映画館跡で、現在はツタに覆われて廃墟感が漂っている。
6年ほどしか稼働しておらず、小さな島で経営を成り立たせるのは難しかったのだろう。
ここに展示されているのは柳幸典さんの
《ヒノマル・イルミネーション》。
100円を入れるとネオン管が光り、日章旗、旭日旗、黒い日の丸と変化していく。
実際に点灯するのは上半分で、手前に水盤があって、その映り込みで日の丸となる。水盤を使うのは海をイメージしたのか、日の出からギラギラの太陽、最後には海に沈む太陽へと変化する(説明を読むと、黒い太陽は皆既日食だそう)。
太陽と言うと国旗の日の丸である。
若い方が知っているか分からないが、日の丸を学校で掲揚するかしないか(君が代を斉唱するかしないか)で大揉めしたものであり、日の丸というとイデオロギー的な文脈を意識してしまう。
ネオンの光は独特であるが、派手な旭日旗の模様よりも、最後の黒い太陽が不思議と一番印象に残った。日の丸を国旗とする日本の移り変わりを表現したものだろうか。
作品ではないが、ツタに覆われた窓が光で浮かび上がってきれいだった。
入口近くに花をたくさんつけたキリがあり、時期的にちょうど良いようだ。キリは生長が早いし、巨木になるといいな(上の写真は5/3に撮影)。
そう言えば、ここから旧支所に向かう途中の廃屋そばに、大きなシュロが聳えていた。つる植物に絡めとられているが、なかなかに太く、遠くからも判別できる。子供の頃はヤシの木と言っていたなあ。